ウイメンズアクションネットワーク(WAN)の拡大理事会と理事会に
出席すべく東京に来ています。
ということもあって、きょうはWAN関連の記事です。
上野千鶴子さんのが執筆されている毎日新聞の読書日記を紹介します。
4年間、楽しみに読ませていただいていたのですが、
「上野千鶴子さんの「読書日記」は今回で終了します」とのこと。
最終回の結びはWANの紹介。
「いずれ後から来る者たちに、先を歩いた女たちの足跡を、きっと見つけてほしいと願いながら。」
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読書日記を収録した本、『時局発言! 読書の現場から』が、
WAVE出版から刊行されて、WANに紹介文がアップされています。
オマケは、
検索していたら見つけた朝日新聞の(北陸六味)。
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出席すべく東京に来ています。
ということもあって、きょうはWAN関連の記事です。
上野千鶴子さんのが執筆されている毎日新聞の読書日記を紹介します。
4年間、楽しみに読ませていただいていたのですが、
「上野千鶴子さんの「読書日記」は今回で終了します」とのこと。
最終回の結びはWANの紹介。
「いずれ後から来る者たちに、先を歩いた女たちの足跡を、きっと見つけてほしいと願いながら。」
読書日記 今週の筆者は社会学者・上野千鶴子さん ミニコミに刻んだ女たちの声 毎日新聞2017年3月21日 *2月21日~3月20日 ■あごら 雑誌でつないだフェミニズム 全3巻(あごら九州編・2016年)石風社・各2700円 ■長崎「ばってん・うーまんの会」の軌跡 時代に先駆けたフェミニズムのあゆみ(編集委員会・2016年)長崎「ばってん・うーまんの会」・1200円 ■SKIP終結宣言 私たちNPOを解散します(編集委員会・2016年)風媒社・1080円 このところ、ミニコミの休刊、終刊が相次ぐようになった。日本の女性運動は、各地の小規模な団体が会員向けに発行してきたミニコミでつながってきたのだが、その担い手たちが高齢化したためである。初期の頃は、ガリ版を切って、刷って、折って、畳んで、封筒に入れて、切手を貼って郵送する。負担もコストもハンパでなかった。 そのミニコミのパイオニアとも言える1972年創刊の「あごら」が2012年に休刊し、あごら九州がその記念誌全3巻を出した。全335号の表紙を撮影したグラビアは圧巻。「雑誌でつないだフェミニズム」という副題がぴったりする。リブに影響を受けた斎藤千代さんが主宰したこの雑誌は、やがて各地にタネを撒(ま)いてあごら札幌、あごら京都、あごら九州など全国のネットワークを生んだ。地方あごらが交代で編集を担当するというユニークなやり方で、本部-支部の関係ではない、地方色を色濃く出した。その斎藤さんが病に倒れてから、手つかずになっていたデータを九州あごらが整理したものである。1、2巻は「あごら」掲載の斎藤さんの文章を収録、3巻は特集を通じて時代の歩みを追った。 長崎を拠点とした「ばってん・うーまんの会」も「長崎『ばってん・うーまんの会』の軌跡」を昨年刊行して、73年から四十余年にわたる活動に「一区切り」つけた。副題に「時代に先駆けたフェミニズムのあゆみ」とあるのが誇りに満ちてすがすがしい。 若いNPOも解散する。名古屋で子連れコンサートを93年から15年まで主催してきたNPO「SKIP」が「SKIP終結宣言 私たちNPOを解散します」を出した。ミニコミは活動の手段。ほんとうにやりたいことは、社会を変えること。コンサートに子連れで行くことがひんしゅくを買っていた時代に、そんなら平日午前中に子連れママたちのための一流のコンサートをやろうと乗り出した若い主婦たちがいた。20年経(た)って託児所付きの講座やイベントが珍しくなくなった頃に、歴史的使命を終えたと解散した。「わたしたち、事業をマネジメントすることも、企業と連携することも、みんな先駆けてやってきた」という自信にあふれたメンバーたちは、「おもしろかったね」と次のステップに踏み出すことにした。だから解散も潔い。 ミニコミの老舗といえば地方女性史のグループ。3年に1回、全国女性史交流の集いが今でも開催されているが、その担い手たちも高齢化した。その人たちの出したミニコミがやはり散逸の危機にさらされている。担い手が亡くなれば、遺族にとってはゴミ同様だろう。女性教育会館をはじめとした全国の女性センターはそれらのミニコミを収集したり収蔵したりする、予算の裏付けも人的余裕もない。 だから始めたのが認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)のサイト上にある「ミニコミ図書館」である。ウェブの容量はほぼ無限大。そこにどこからでも誰でもアクセスできる。国会図書館が定期的にWANサイトを保存してくれることにもなった。これで「女の財産」が消滅を免れる。いずれ後から来る者たちに、先を歩いた女たちの足跡を、きっと見つけてほしいと願いながら。 * * * 上野千鶴子さんの「読書日記」は今回で終了します。4年間にわたる連載の内容は、新刊「時局発言! 読書の現場から」(上野千鶴子著・WAVE出版)に収録されています。 ほかの筆者は、松井孝典、津村記久子、松尾スズキの各氏です。 ■人物略歴 うえの・ちづこ 東京大名誉教授、認定NPO法人「ウィメンズアクションネットワーク」理事長。「おひとりさまの老後」など著書多数。 |

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読書日記を収録した本、『時局発言! 読書の現場から』が、
WAVE出版から刊行されて、WANに紹介文がアップされています。
『時局発言!読書の現場から』(WAVE出版 2017年2月発行)堀 紀美子 2017.3.4 WAN 時局発言!読書の現場から 上野千鶴子 著 WAVE出版 発行 2017年2月 発行 みなさんは、情報が欲しいだろうか?欲しいという方はどんな情報が欲しい?政治?原発?文化?ジェンダー?性?仕事?食?育児?将又、老後に関すること? あなたにとって、「いま」が重大な時局。いままで生きてきた時間のなかで、最新かつ唯一の局面を迎えている。そんなあなたの「いま」に、ハッと驚きを与え、閃光が走るかもしれない『時局発言!読書の現場から』。 『本書には日本と世界が激動したこの4年間のわたしの軌跡が、そのまま刻印されている。』(まえがきp.5)と上野さん。現実と書物を通して、社会学者・上野千鶴子の感じたままが綴られている。正直、胸のワクワク、動悸?いや、興奮がとまらない。歯切れ良いテキスト。年月を重ねて丸くなったと語る上野さんだが、やっぱりまだまだ切れ者。言説には本質を突く鋭さがあり、躍動感にあふれる言葉に胸が躍る。本書で紹介されている様々なジャンルの本に興味をそそられ、すべて読み終わるころには、読みたい本が山積する。こうして、本という媒体を通して自分へ、興味の矛先が向けられていく。 「とくにこれと言って、情報が欲しいとは思わない。」と思っている方でも、一度手にしてみてはいかがだろう。無意識の自分を発見する「いま」に遭遇できるかも。時局はいつも動き続けている。あなたのいまも変化の真っ最中。情報は刺激となり、さっきとちがうあなたがいる。 ■ 堀 紀美子 ■ 『時局発言!読書の現場から』(WAVE出版 2017年2月発行) 第1章 社会を変える 第2章 戦争を記憶する 第3章 3.11以降 第4章 格差社会のなかのジェンダー 第5章 結婚・性・家族はどこへ?X 第6章 障・老・病・異の探求 第7章 ことばと文化のゆくえ |
オマケは、
検索していたら見つけた朝日新聞の(北陸六味)。
(北陸六味)上野千鶴子さん 代わりましょうか? 2017年3月3日 朝日新聞 福島から避難した横浜の男子中学生が、いじめにあった。横浜市教委は、150万円にも上るたかりを「いじめ」と認定しなかった。あとから不適切だったと、横浜市長が謝罪する事態になった。 少年は手記でこう書いた。「いままでなんかいも死のうとおもった。でも、しんさいでいっぱい死んだからつらいけどぼくはいきるときめた」……。せっかく九死に一生を得たいのちが、福島では震災関連死や自死によって失われる。避難先ですら、死にたいと思うほどのいじめにあう。 いじめた加害者の側の少年たちには、被災者は東京電力からおカネをもらっているだろう、というリクツがあったらしい。それを聞くと思い出すのは、デンマークで訪ねたALS(筋萎縮性側索硬化症)の女性患者さんのことだ。 彼女は気管切開をして呼吸器につながれたまま、単身で車いす生活をしていた。発声の訓練をして、呼吸器をつけても話すことができた。パソコンでコミュニケーションするのは容易だったから、自宅をオフィスにして地域のALS患者団体のリーダーの役割をしていた。 ログイン前の続き彼女を支えるヘルパーは4人。自治体が雇うフルタイムの公務員で、面接は使用者である彼女自身が行う。「わたしが生きているあいだはあなたたちの雇用が続くんだから、わたしを大事にしてね」と彼女はいう。そのほか障害年金、住宅、そして福祉車両が支給され、ざっと計算してみたところ、彼女の在宅生活を支えるために年間2千万円以上の経費がかかっている。 「あなたみたいな人は、このコミュニティーに何人いるの?」と聞いたら4人。つまりALS患者の在宅生活のために、この自治体は1億円近く支出していることになる。デンマーク社会は、高い税負担のもとで、いつ自分が弱者になっても安心できる社会保障に、納税者たちが合意しているのだ。 わたしを彼女のもとに連れて行ってくれたのは、デンマーク在住の長い千葉忠夫さん。彼がおどろくべきエピソードを話してくれた。毎年研修に来る福祉系専門学校の学生を、彼女のもとに連れて行ったときのこと。どれほど手厚い福祉サービスがあるかを話した彼女に、ある若者がこう言った。「うらやましい」 すかさず彼女が返したのはこうだ。「なら、代わりましょうか?」 いったい誰が好き好んでALSになるだろうか。自由を奪われ、呼吸器につながれ、たくさんの夢をあきらめたに違いない。その彼女の苦しみを、社会がようよう支えているというのに。うらやましいのは彼女の暮らしではなく、デンマーク社会のしくみのほうだろう。 同じように、いったい誰が好んで震災の被害者になるだろうか? 補償金をもらっていいだろう、と思うなら、震災でふるさとを奪われ、家族を失い、見も知らぬ地へ避難してきた少年に、もし「ボクと代わろうか?」と言われたら、どんな思いだろう。そのくらいのことを言われなければ、相手の気持ちに共感できないほど、子どもたちは想像力を失っているのだろうか?(社会学者) |


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