「政治分野の男女共同参画推進法」が全会一致で可決されました。
「政治分野の男女共同参画推進法」は、
国政選挙や地方議会選挙で候補者数を男女均等にするよう政党などに促す法律です。
男女の候補者数を「できる限り均等」にするよう規定する理念法ですが、
法律が女性議員を増やすことをあと押しする、大きな一歩です。
ずっと無党派・市民派女性議員を増やす活動をしてきたので、
ほんとにうれしい。
わたしも、ちょうど来年4月の統一自治体選挙に向けての、
「む・しネット」主催で、8月からから1月まで一泊二日で4回連続で開催する、
「市民派女性議員になるための選挙講座」のスケジュールと内容を詰めているところ。
東京新聞に載っている「女性政治リーダー養成講座」の講師も、
6月に2回連続で引き受けています。
女性議員増へ推進法成立 候補の男女均等促す 中日新聞 2018年5月17日 国政選挙や地方議会選挙で候補者数を男女均等にするよう政党などに促す議員立法の「政治分野の男女共同参画推進法」は十六日の参院本会議で、全会一致で可決、成立した。女性の政界進出を後押しするのが狙いで、来年の統一地方選や参院選で適用されるが、努力義務のため強制力はない。 推進法は政党と政治団体に対し、衆院選と参院選、地方議会選挙で男女の候補者数を「できる限り均等」にするよう規定。数値目標の設定などに「自主的に取り組むよう努める」と明記した。 国と自治体には、必要な施策の策定と実施を求めている。 推進法を巡っては、与野党が二〇一六年にそれぞれ国会に提出。昨年、一本化にこぎ着けたが、「共謀罪」法案などを巡る与野党対立の激化で成立に至らなかった。 世界の国会議員が参加する列国議会同盟(本部ジュネーブ)が発表した一八年の報告書によると、日本の衆院議員の女性比率は10・1%。百九十三カ国中、百五十八位にとどまる。昨年の衆院選では、候補者に占める女性の割合は約17・7%だった。 |
多様な人を議員に 女性政治塾 続々 東京新聞 2018年5月17日 十六日の参院本会議で成立した「政治分野の男女共同参画推進法」。選挙の候補者数を男女均等にするよう促す内容で、成立を見越して政党や有識者らが女性の政治参加を後押しする「政治塾」を相次いで開講している。機運の高まりを、女性議員の増加につなげることができるか。各党の本気度がカギになる。 (坂田奈央、柏崎智子) 「なぜ女性は政治に参加しにくいのか」 「どうしたら『壁』を乗り越えられるか」 今月七日夜、高校生から三十五歳までの女性約三十人が東京都内で議論していた。上智大の三浦まり教授らが開講した「女性政治リーダー養成講座」の初会合。終了後、東京都から参加した女性(33)は「独身の人や子育て中の人、いろいろな職業の人が女性議員になれば心強いし、挑戦したいと思える」と話した。 講座は国会や地方議員の活動に関心がある女性を対象に、選挙の知識などを伝え、立候補を後押しするのが目的。三浦氏らが講師を務め、七月まで全五回の開催を予定しており、主催者の一人であるお茶の水女子大の申〓栄(シンキヨン)准教授は「女性のネットワークを広げたい」と強調する。 政党では自民党が四月末に「女性未来塾」を開講し、約百人が参加。野田聖子総務相も四月に地元の岐阜市で女性向けの政治塾を立ち上げ、約八十人が入塾した。応募は二百人近くに達したという。 元参院議員の円より子さんが校長を務める「女性のための政治スクール」は、一九九三年に開講した草分け的な存在。受講者のうち約百人が国会議員や地方議員になった。円さんは「推進法の成立で、スクールの役割はますます高まった」と語る。 ただ、国会議員の女性比率は今も一割強にとどまる。推進法は強制力のない理念法のため、問われるのは各党の実行力。野田氏は法成立後、記者団に「日本の政治は大きく変わる」と期待感を示しつつ、所属する自民党には「どこよりも率先垂範してもらいたい」と注文した。 |
応援クリック してね
本文中の写真をクリックすると拡大します。
社説:女性候補を増やす法律 政党が意識を変えてこそ 毎日新聞 2018年5月17日 男性が大半を占める議会の姿を変えようという、立法府自らの全会一致による意思表示だ。政党による具体的な行動が問われよう。 国会や地方議会で女性議員を増やすことを後押しする「政治分野における男女共同参画推進法」が成立した。選挙の際に男女の候補者数ができる限り半々になるよう、政党に自主的な努力を求めている。 日本の女性議員の割合の低さは、国際的にも際だつ。列国議会同盟によると、各国議会の女性議員の割合で、2017年時点で日本は193カ国中158位にとどまる。 昨年の衆院選当選者で女性が占める割合は10・1%どまりだった。地方議会でも都道府県議に占める割合は1割程度に過ぎない。 議会のいびつな構成は女性の社会進出を促し、子育て支援などの政策をまとめていくうえで大きなマイナス要因だ。財務省幹部のセクハラ問題への政権の鈍い反応も、こうした状況が影響しているのではないか。 もはや、日本政治が抱える大きな弱点である。それだけに、今回の立法の意味は大きい。 もともと昨年の通常国会で成立が確実視されていた。それが先送りされ、衆院解散でいったん廃案になった。「実際に女性候補を増やすのは難しい」との声も政党幹部からは聞かれる。本当に意識を変えたうえでの立法なのか、こころもとない。 かけ声倒れに終わらせないためにも、政党の責任は大きい。場当たりではなく、日常的に女性候補を発掘し、育てる活動が欠かせない。 女性が議会に参入しやすい環境をもっと整備すべきだ。内閣府のアンケートによると、女性の地方議員のうち、8割以上が出産などの休業制度が不十分だと答えている。 女性議員の増加策をめぐっては、議員または候補者数について女性の割合を法律で義務づけるクオータ制を採用している国も少なくない。 今回、クオータ制は盛り込まれなかった。ただし、政党に自主的に目標などを設けるよう求めている。比例代表名簿で女性を重視するような努力は十分可能だろう。 女性議員の増加は政治だけでなく、社会のあり方を変えることにつながる。各党は来年の参院選、統一選で、まずは本気度を示すべきだ。 |
社説:政治の「男女均等」 女性の参画を加速させよ 山陽新聞 2018年5月17日 議員立法の「政治分野の男女共同参画推進法」がきのう成立した。国会や地方議会で女性議員を増やすため、選挙の候補者数を「できる限り男女均等」にするよう政党などに促すものだ。 女性の政治参画に特化した法律は初となる。1946年4月に女性が初めて参政権を行使して70年以上たつが、女性議員の割合は低迷したままだ。これを機に、今度こそ女性の参画を加速させたい。 推進法は、政党や政治団体に対して男女の候補者数の目標設定に「自主的に取り組むよう努める」と規定。国や地方自治体は、女性の政治参画に関する実態調査や啓発活動、環境整備、人材育成などで協力するよう求めている。 推進法は罰則のない理念法で強制力はない。ただ、衆参両院ともに全会一致で可決された意義は大きい。ここから各政党の姿勢が問われることになろう。 これまでも政党が話題づくりで女性候補を擁立するケースはあったが、実力を伴わなければ有権者の失望につながりかねない。各党は女性が参画しやすい環境を整えながら候補者を地道に発掘し、育てていく努力が求められる。 昨年の衆院選で、全候補者に占める女性の割合は約17・7%にとどまった。政党別では与党の自民党は約8%、公明党は約9%、野党では立憲民主党や共産党がそれぞれ約24%だった。来年春の統一地方選、夏の参院選に向けてどこまで女性候補者を増やせるか。各党の取り組みを注視したい。 世界各国で女性議員が増える中、日本の低調さは際立っている。議会の国際組織、列国議会同盟の2017年報告書によると日本の衆院議員の女性割合10・1%は、193カ国中158位と下位に沈む。参院は20・7%である。地方議会は直近の調査で、都道府県議会で9・8%、市区議会で14・8%、町村議会で9・8%にとどまる。女性議員が一人もいない議会も、町村議会では3割を超す。 4年前に東京都議会でセクハラやじが問題になったが、女性蔑視の発言を生んだ背景には男性が大多数を占める議会構成もあるだろう。そもそも男女の人口比は半々であり、政治に民意を反映させる上で女性の政治参画は欠かせない。少子化や待機児童、介護、子どもの貧困問題など今日的な課題に対応するためにも、政策を話し合う議会の場に女性の視点が入る重要性は増している。 女性の政治参画を阻んできたのは何か。女性議員対象のアンケートでは、「政治は男性のもの」といった固定的な考え方に加え、育児と議員活動の両立の難しさなどをあげる声も目立っている。 各議会における両立支援の環境整備も急務だ。議員には育児休業がない。休暇や休業制度の規定のあり方、議会内の託児施設の整備などについて検討を進める必要がある。 (2018年05月17日 08時00分 更新) |
社説:【女性の政治進出】社会の意識から変えよう 高知新聞 2018年5月17日 国会や地方議会の女性議員を増やすための「政治分野の男女共同参画推進法」が参院本会議で可決され、成立した。 衆院選や参院選、地方議会選挙で男女の立候補者数を「できる限り均等」にすることを目指す。 女性の参政権が認められて70年以上がたつが、女性議員の割合は国、地方ともに著しく低いのが現状だ。国際比較でも歴然とした差がある。女性の政界進出の遅れや共同参画社会の未熟さを象徴するものだ。 新法は、男女が共同して参画する「民主政治の発展」を目的に掲げている。罰則のない努力義務ではあるが、全会一致で成立した。各党などには積極的な対応が求められる。 条文は、政党や政治団体が男女の候補者数に目標を設定するなど「自主的に取り組むよう努める」ことも規定した。国や自治体には、国内外の実態調査や啓発活動、人材育成などを要請している。 海外では1980年代から、政治分野の男女均等化が進んできた。国によっては法で候補者や議席に男女の比率を定めたり、政党が自主的に均等化に取り組んだりしている。 国会議員の国際組織「列国議会同盟」(本部ジュネーブ)によると、昨年の国会議員(下院もしくは一院制)の平均女性比率は23・6%と、4人に1人に近い。先進7カ国ではフランスが約40%に上る。 これに対し日本の衆院は10・1%で、世界でも下位集団に位置する。先進7カ国では最下位である。 都道府県議会の状況も厳しい。総務省によると、2016年末時点の女性議員割合は全国平均9・9%と1割に満たない。高知県はその平均も大きく下回る5・4%にとどまっている。 新法が超党派の議員立法でようやく成立し、努力義務にとどまったことも、日本の政界の意識を示すものだろう。 過去、女性を「産む機械」と発言した国会議員がいた。都議会では、男性議員が質問中の女性議員に「産めないのか」などとやじを飛ばし、批判された。最近は財務省のセクハラ問題で政府中枢の人権感覚が疑われている。女性議員が少ない現実と問題の根はつながっていよう。 政官界だけの問題ではない。女性への偏見や女性の社会進出の遅れは社会全体の課題といえる。スイスの国際機関が発表した17年版「男女格差報告」で、日本の男女の平等さは144カ国中114位だった。企業の女性の管理職登用も遅々としている。 子どもが保育園に入れず、女性が仕事復帰を諦めるケースが後を絶たない。子育てや家事は男性より女性の負担が大きい傾向にある。 こうした問題が解決しなければ、女性の議員候補者も増えまい。新法の効果には不安も拭えないが、重要な一歩ではある。社会の意識から変えていくきっかけにしたい。 もちろん先達となるべきは政界や官界の意識改革であろう。関係機関の姿勢が問われる。 |
最後まで読んでくださってありがとう
クリック してね
記事は毎日アップしています。
明日もまた見に来てね