みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

オウム死刑執行:世界に衝撃 非人道的と批判も/根源の疑問解けぬまま/事件を問い続けなければ/記憶を消さぬように/再び闇を生まないために

2018-07-07 20:41:10 | ほん/新聞/ニュース
大雨警報がでてから4日目。
市内の小中学校は休校のまま週末に突入。
長良川源流の郡上市ひるがのは、
3日からの総雨量が1000ミリになりそうです。

山県市にもお昼ごろ、大雨特別警報が発令され、
上流部の美山地区には避難勧告が出ました。

そんななか昨日、
オウム真理教が引き起こした事件で死刑判決を受けていた
7人の死刑が執行されたという衝撃的なニュースが飛び込んできました。

テレビはオウム死刑執行と大雨関連のニュースばかりで、
一日中、気が重かったです。
新聞各紙の記事を集めました。

戦後最大規模の死刑執行、世界に衝撃 非人道的と批判も
2018年7月7日 朝日新聞

 オウム真理教元代表の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚ら教団元幹部7人の死刑執行を、海外の主要メディアも速報で伝えた。
 地下鉄サリン事件について、英BBCは「治安の良さを誇りにしていた日本にショックを与えた」と伝えた。またAFP通信は「日本の首都機能を麻痺(まひ)させた。人々が空気を求めて地上に出てくる姿はまるで戦場だった」と振り返った。
 一方で、死刑という手法には厳しいまなざしも向けられた。

 独シュピーゲル電子版は「日本は死刑を堅持する数少ない先進国だ」としたうえで、「アサハラの死は、支持者には殉教と映り、新たな指導者を生みかねない」とする専門家の声を紹介した。
 欧州連合(EU)加盟28カ国とアイスランド、ノルウェー、スイスは6日、今回の死刑執行を受けて「被害者やその家族には心から同情し、テロは厳しく非難するが、いかなる状況でも死刑執行には強く反対する。死刑は非人道的、残酷で犯罪の抑止効果もない」などとする共同声明を発表した。そのうえで「同じ価値観を持つ日本には、引き続き死刑制度の廃止を求めていく」とした。
 EUは死刑を「基本的人権の侵害」と位置づける。EUによると、欧州で死刑を執行しているのは、ベラルーシだけだ。死刑廃止はEU加盟の条件になっている。加盟交渉中のトルコのエルドアン大統領が2017年、死刑制度復活の可能性に言及したことで、関係が急激に悪化したこともある。
 法制度上は死刑があっても、死刑判決を出すのをやめたり、執行を中止していたりしている国もある。
 ロシアでは、1996年に当時のエリツィン大統領が、人権擁護機関の欧州評議会に加盟するため、大統領令で死刑執行の猶予を宣言した。プーチン大統領もこれを引き継いだ。2009年には憲法裁判所が各裁判所に死刑判決を出すことを禁じた。
 韓国では97年12月、23人に執行したのを最後に死刑は執行されていない。05年には国家人権委員会が死刑制度廃止を勧告した。
 今回の死刑執行を伝えた米CNNは、日本の死刑執行室の写真をウェブに掲載。「日本では弁護士や死刑囚の家族に知らせないまま、秘密裏に死刑が執行される」と指摘した。またロイター通信は、「主要7カ国(G7)で死刑制度があるのは日本と米国の2カ国だけだ」と指摘。日本政府の15年の調査で、国民の80・3%が死刑を容認していると示す一方で、日弁連が20年までの死刑廃止を提言していることも報じた。
98年以降は4人が最多
 「午後、面会に行く予定だったのに……」。中川智正死刑囚(55)の一審の弁護人を務めた河原昭文弁護士(岡山弁護士会)は、執行に驚きを隠せなかった。朝、広島拘置所に行った支援者から「面会の受け付けをしたが、会えなかった」と聞かされた。「国会が閉会したら執行されるかもしれない」と思い、17日にも面会を約束していた。「あまりに早かった。残念だ」
 戦後最大規模の執行だった。戦前には、社会主義者が弾圧された「大逆(たいぎゃく)事件」で1911年に12人が執行された例はある。48年にはA級戦犯7人が絞首刑になったが、連合国の裁判による死刑だった。現行刑法のもと、法務省が執行を公表するようになった98年以降は4人が最多。刑場が一つという東京拘置所では、午前中だけで松本死刑囚ら3人が立て続けに執行されたことになる。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 社説:オウム死刑執行 事件を問い続けなければ 
2018年7月7日 信濃毎日新聞

 オウム真理教が引き起こした事件の真相が首謀者自身の口から語られることは永遠になくなった。教団を率いた松本智津夫(教祖名・麻原彰晃)死刑囚に刑が執行された。
 宗教団体が武装化し、数々の凄惨な事件を起こすに至ったのはなぜか。核心は見えないままだ。
 死刑が執行されても「終わったこと」にはできない。事件が社会に突きつけた課題に向き合い、教訓を未来へ引き継ぐ努力を続けなくてはならない。

<動機が分からない>
 松本サリン、地下鉄サリンなど13事件を首謀したとして死刑が確定した。29人が犠牲になり、6500人以上が被害に遭っている。現行法が死刑を定めている以上、免れる理由は見当たらない。
 ただ、裁判は控訴審、上告審で審理が行われないまま一審の死刑判決が確定する異例の展開をたどった。拘禁によって精神に異常を来し、裁判を受ける能力を失っていたとして、手続きの適正さを疑問視する意見が出ている。
 8年近くを費やした一審の途中から、松本死刑囚は不可解な言動が目立つようになり、事件について口を閉ざした。弁護側は、治療を優先するよう主張したが、高裁はそれを退け、期日までに控訴趣意書を提出しなかったとして裁判を打ち切った。
 裁判の場で、真相を究明するための努力は尽くされたのか。弁護団の依頼で松本死刑囚に接見した精神科医7人はいずれも、訴訟能力を否定、疑問視していた。
 治療した上で控訴審を開いていれば、何らかの証言が得られた可能性はある。迅速な裁判が求められたにせよ、これほど重大な事件を一審だけで終わらせたことは、納得がいかない。
 死刑確定後も、治療が行われた形跡はないという。2008年以降は、弁護士や家族も面会できない状況が続いていた。心神喪失の状態にあったとすれば、死刑を執行したこと自体に問題がある。刑を執行できると判断した根拠は明らかになっていない。
 また、何より肝心な首謀者の動機が分からないまま、刑を執行すべきだったのか。治療して証言能力がある程度回復すれば、裁判のやり直しは難しくても、接見して話を聞くことはできたはずだ。その可能性も断たれた。
 オウム真理教の始まりは、1984年にできたヨガのサークルだった。それがわずか10年で1万人を超す信者を集め、ロシアに支部を設けるまでになった。

<社会を変質させた>
 オウムを長く取材してきた映画監督の森達也さんは「見えたのは“狂った集団”ではなく、むしろ純粋で優しい信者たちの姿だった」と述べている。そのことに目を凝らせば、誰にも起こり得ることとしてオウム事件を受けとめなくてはならない。
 救済を求めて入信した若者たちが、なぜ狂信的な教義に従順に従い、凶悪な事件に関わっていったのか。一連の裁判を通して明らかになったのは、組織に判断を委ねて自分自身で考えることをやめてしまうことの怖さだ。それもまた、組織に属する誰もが胸に手を当てて考えるべきことだろう。
 95年に起きた地下鉄サリン事件は、日本社会の変質を加速させたと森さんは指摘している。大規模な無差別テロ事件の動機が見えないことは、社会に過剰な不安やおびえを生んだ。それが異質な他者を排除する声を強め、一方で監視や管理の強化を受け入れることにつながっている、と。
 事件から20年余を経て、その傾向はより強まっていないか。在日韓国・朝鮮人への差別をあおるヘイトスピーチはやまず、矛先は沖縄の人たちや生活保護の受給者らにも向く。街や道路の至るところに監視カメラが設置されても気にする人は少なくなった。

<排除するだけでは>
 オウム事件は、過ぎ去ったことではない。私たちが今向き合わなければならない問題がそこにはある。目をそらし、考えることをやめれば、社会はさらに息苦しさを増していく。
 教訓はそれだけではない。地下鉄サリン事件は、警察が数日前に情報をつかみ、防げた可能性があると指摘されている。前年に起きた松本サリン事件で、信者が原料の薬品を購入したことを早い段階で把握してもいたという。それなのになぜ強制捜査に踏み切るのが遅れたのか。警察は検証し、公表すべきだ。
 教団は事件後、三つの団体に分かれて活動を続けている。主流派のアレフは、教祖への帰依を鮮明にしているとされる。死刑執行が神格化につながらないか、警戒を怠れない半面、団体規制法に基づく監視や規制は信教の自由や結社の自由を侵す危うさをはらむことにも目を向けたい。
 オウムを「絶対悪」として排除するだけでは、克服はできない。入信する若者は今も絶えない。それは社会の何を映し出すのか。問い続けなくてはならない。
(7月7日)


クリック してね 
人気ブログランキングへ

  社説:オウム死刑執行 根源の疑問解けぬまま
2018年7月7日 朝日新聞
 
 オウム真理教の教祖だった松本智津夫死刑囚と、その側近として殺人の実行行為やサリン製造にかかわった元幹部6人に、きのう死刑が執行された。
 一連の事件では13人の死刑が確定した。今回その中の7人の執行を決めた理由や松本死刑囚の精神状態について、会見した上川陽子法相は「個々の執行の判断にかかわることは答えを差し控える」と繰り返すばかりだった。世界からも注目が集まる事件で、従来どおりの秘密主義を貫いたのは残念だった。
 多くの国が死刑廃止に向かうなか、日本は世論の支持を理由に制度を存置している。だがその実態は国民に伝えられず、刑罰のあり方をさまざまな観点から議論する土台が形づくられているとは言いがたい。考えを見直し、できる限りの情報公開に努めるよう、改めて求める。
 なぜ教団は社会を敵視し、サリンの散布にまで走ったのか。暴走をとめることはできなかったのか。その根源的な疑問は解けないまま残されている。
 松本死刑囚が事件に正面から向きあわなかったことが、最大の理由だ。一方で、死刑が確定した者も含む少なからぬ元信徒が、自らの言葉で、自らの歩みを語ろうとしてきた。
 刑事裁判で解明できることには限りがある。だからこそ、より踏みこんで事件の本質に迫るために、国会や政府の責任のもと、研究者らによるチームをつくり、関係者の聞き取りや記録の分析をしてはどうか。朝日新聞の社説はそう提案してきた。
 7人の刑が執行されたいま、それも難しくなったが、できることは依然あるはずだ。事件の教訓は、憎悪に基づく無差別殺傷やテロを防ぐ手立てを考えるヒントになるに違いない。
 中でもとり組むべきは、教団が若者を吸い寄せ、拡大を続けた理由を解き明かすことだ。
 元信徒らの発言や手記をたどると、神秘体験への好奇心や当時の仕事への幻滅などから入信し、その後「ここにしか真実も居場所もない」と思いつめていった様子がうかがえる。
 社会への小さな違和感がめばえた段階で、他に頼れる場があったなら、と思わずにはいられない。ところがいまの日本は、その「場」を用意するのではなく、むしろ自分たちとは違うと思った存在を排除し、疎外感を募らせる方向に流れてはいないだろうか。
 教団の暴走の原点というべき坂本弁護士一家殺害から29年。事件を知らない世代も増えたいま、オウムとは何だったのか、もう一度問い直したい。


 社説:記憶を消さぬように オウム事件で死刑執行
2018年7月7日 中日新聞

 オウム真理教の代表だった麻原彰晃死刑囚ら計七人の死刑が執行された。地下鉄サリン事件など数々の凄惨(せいさん)な事件。記憶を消さぬようにしたい。
 かつてオウム真理教の施設があった山梨県上九一色村(現甲府市、富士河口湖町)の区長に地元警察から連絡があった。六日午前九時ごろのことだ。「死刑執行があった。後継団体の動きに注意してほしい」との内容だった。
 心配した区長は「サティアン」と呼ばれた施設の跡地公園や慰霊碑に向かったそうだ。誰もいない、いつもの公園…。「やっとこの日がきたか」と安堵(あんど)した。区切りが来たのだ。

理不尽な犯罪が次々と
 麻原死刑囚(本名・松本智津夫)は一九九五年五月に逮捕されてから、二十三年たっての刑執行であった。他の教団幹部らと共謀して、八九年の坂本堤弁護士一家殺害事件や九四年の松本サリン事件などを起こした首謀者である。
 十三もの事件に関与した。判決で認定された死者は計二十七人。起訴後に亡くなった人もおり、犠牲者は二十九人にも。地下鉄サリン事件などで計六千五百人以上が被害者となった。
 死刑執行を受けて、ロイター通信など海外メディアも速報を流した。フランスのAFP通信は地下鉄サリン事件を振り返り、こう表現した。
 <首都をまひさせ、事実上の戦争状態に変わり、負傷者はよろめきながら地上に逃げた>
 この地下鉄サリン事件は教団への警視庁の強制捜査が現実味を帯びてきたため、捜査かく乱を狙った。こんな理不尽な犯罪があるだろうか。
 ボツリヌス菌や炭疽(たんそ)菌、ホスゲン爆弾、プラズマ兵器の製造まで元代表の指示があった。

闇はまだ続いている
 犯罪史上類がないと語られるのは、巨大な組織と技術を持っていたことにもある。頭脳があったのだ。猛毒のサリンを製造できたのは、一流の大学を出た理系のエリートがいたためである。高学歴の若者たちが自らエリートの道を捨て、教団に加わったのはなぜなのか。しかも、荒唐無稽な教団の思想を信じ、犯罪にまで。
 核戦争の不安をあおりつつ、オウム真理教は「人類救済」を説いていた。そして出家・在家の信者を計一万人以上も集め、勢力を伸ばした。なぜ若者たちがオウムの教団に走ったのか。彼らは愚かだったのか。
 事件の背景に宗教が強くあったのは確かである。誰しも悩みを抱え、道に迷う。そのとき、「こっちだ」とある者が手を伸ばす。誰しも心に空洞があるときがある。そのとき、ふっと言葉をささやきかけられる。
 流され行く日々の中で、若き悩める者こそ、修行の道を説かれ、自己を問うてみたのかもしれない。虚無感がただよう時代である。既存の宗教にない手掛かりを持ったのかもしれない。
 そう考えると、果たして刑の執行で幕引きだったのだろうか。確かにオウム真理教の事件は、刑事事件としてはほぼ解明されている。だが、首謀者は裁判で弟子のせいにし、「無罪」を主張した。不規則発言を繰り返した後は、話すことすらやめてしまった。
 だから、実質的には一審だけで終わった感がある。動機は何だったのだろう。本当に「日本支配」だったのだろうか。首謀者の口からそれを聞けなかったのはあまりに残念である。その機会は永久になくなった。
 そして、オウム真理教は二〇〇〇年に「アレフ」に改称した。今は「ひかりの輪」が分派し、もう一つの団体も生まれている。信者の数は約千六百五十人とされるが、毎年百人程度の入信者が続いている。事件を知らない若者が多いと聞く。
 公安調査庁は三団体は麻原死刑囚の強い影響下にあるとみている。死刑により、「神格化」される恐れもあろう。その意味でまだオウムの闇は続いているのだ。
 宗教が普通の人々を引きつけ、過激な教義で犯罪にまで走らせた事件だった。カルト教団の恐ろしさは教訓としたい。幕引きとせず、忌まわしい記憶であっても消してはなるまい。

「心残りがある」とも
 地下鉄サリン事件で夫を亡くした高橋シズヱさんは麻原死刑囚の刑執行には「当然」と言いつつも、他の死刑囚については「彼らにはテロ防止のためにも、もっといろいろなことを話してほしかった」と語った。さらに「それができなくなってしまったという心残りがある」とも述べた。
 社会の在り方に疑問や憎しみを持つ人々が大勢いる。世の中は矛盾に満ちているから。事件はそんな社会の裏側とべったりとくっついている。 


  社説:松本死刑囚ら7人の刑執行 再び闇を生まないために
2018年7月7日 毎日新聞

 地下鉄サリン事件などオウム真理教による一連の事件で、松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚ら7人の刑が執行された。
 化学兵器に用いられる猛毒のサリンが東京の中心部でまかれる前代未聞の化学テロで、多くの尊い命が奪われた。社会に与えた事件の衝撃と特異性は、戦後事件史の中でも際立っている。
 平成という時代に起きた事件の教訓に私たちは改めて向き合う必要がある。
 「私は日本の王になる。真理にあだなす者は殺さなければならない」。そう説く松本死刑囚の下で、教団は、坂本弁護士一家殺害事件や、猛毒のVXを使った殺人事件、さらに松本、地下鉄の両サリン事件など陰惨な事件を次々と起こした。

国家転覆目指した異常
 皇室を狙い、国家転覆まで企てた。それぞれの事件の構図や、誰が関わったかについては、法廷の審理を通じ、かなり明らかになった。
 また、信者が教団に傾倒していく経緯や、教団生活の実態についても法廷で語られた。
 だが、このような理不尽な犯罪が、なぜ優秀だった多くの若者を巻きこんで遂行されたのか。その核心は、いまだ漠としている。
 その大きな原因は教祖だった松本死刑囚にある。松本死刑囚は、東京地裁の公判の最初の頃こそ、弟子たちに責任を転嫁する発言をしていたが、1審の途中から意味不明の言動を繰り返し、沈黙し殻に閉じこもってしまった。
 日本の社会にとってオウム事件とは一体、何だったのか。
 松本死刑囚は真相を語ることなく、刑が執行された。それでも、その問いかけは依然私たちにとって重い意味を持つ。
 作家の村上春樹氏は、地下鉄サリン事件の証言集「アンダーグラウンド」の中で、こう述べている。
 事件を起こした「あちら側」の論理とシステムを徹底的に追究し分析するだけでは足りないのではないか。オウム真理教という「ものごと」を純粋な他人事として、理解しがたい奇形なものとして対岸から双眼鏡で眺めるだけでは、私たちはどこにも行けないんじゃないか--。
 1980年代後半から90年代半ば。バブルからその崩壊にかけて現実感が希薄化し、超常的な力へ人々の心が引き寄せられる中で事件は起きた。そうした中、人類救済を掲げていた教祖の価値観を、洗脳された若者が全面的に信頼してしまった。
 多くの信者が今は、マインドコントロールの呪縛から解き放たれている。これまで口を開いていない人も少なくないだろう。カルト思想については、国際的にも注目されている。村上氏のいう「あちら側」の対岸で、検証を重ねるべき対象は、まだまだ残っているはずだ。

根源的な問いかけ続く
 社会心理学を専攻する立正大の西田公昭教授は、3年前本紙のインタビューに答え「現代は当時と比べても社会が成熟したとは言えず、現実社会を見限る若者が出てくる状況も変わっていない」と指摘した。
 さまざまな課題が今なお私たちの目の前にあるのは確かだ。根源的な問いかけへの答えは簡単には見つからない。多くの意見に耳を傾け前に進むしかない。
 今回の執行の影響は多方面に及ぶだろう。
 オウム真理教には、主流派の「アレフ」や「ひかりの輪」など三つの後継団体があり、約1650人の信者がいるとされる。
 今年1月、団体規制法に基づく観察処分が更新された。特に「アレフ」は、松本死刑囚への帰依が依然、強いとされる。
 再び闇を生まないために何ができるのか。国民に不安が生じるようなことがあってはならない。公安当局は、注意深く後継団体の動向を監視する必要がある。
 松本死刑囚を含め7人の死刑の執行が1日のうちに行われたことも驚きだった。上川陽子法相は「被害者の苦しみは想像を絶するものがある。慎重にも慎重な検討を重ねたうえで命令した」と語った。
 死刑制度については、死刑廃止国が140カ国を超え、執行している国を大きく上回っている。
 一方、死刑の存廃については、各国の事情などに応じて独自に決めるべきだというのが日本政府の立場だ。どう死刑制度と向き合っていくのか。そこもまた問われている。


最後まで読んでくださってありがとう
人気ブログランキングへ
クリック してね
 

 記事は毎日アップしています。
明日もまた見に来てね
 
 


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

7月6日(金)のつぶやき

2018-07-07 02:02:57 | 花/美しいもの
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする