みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

政治と世論を考える(6)新聞の責任かみしめる/8月に彼岸花が咲いた。チーズトースト 越後枝豆

2017-08-26 21:54:23 | ほん/新聞/ニュース
きょうは秋田県の大曲花火の開催日。
直前の大雨で開催できるかやきもきした人も多かったと思います。

花火はぶじ開催にこぎつけて、
リアルタイムでNHKBSプレミアムで中継されました。
この中継を、部屋を暗くして夕ご飯を食べながら、
ワイン片手にいままで見ていました。
秋田まで行かなくても臨場感あふれる花火に感動!

お昼は、倉庫の横の背丈以上に伸びたアジサイを
ばっさり切りました。
他の紫陽花もハナガラを摘もうと西のほうに行くと、
なんと、センダンの木の下に咲いている彼岸花を見つけました。

まだ8月下旬、お彼岸まではひと月ほどあります。
  
雨が多かったからでしょうすか、
ちょっと気が早い彼岸花です。
  
高砂百合は、あちこちで咲きはじめました。

お米を炊かなかった日は、朝ごはんに冷凍しておいたパンを食べます。
ごはんパンは、一口大に切って、生ハムとモッツレラチーズをかけて、
ガスレンジの魚焼グリルで焼きました。

火力が強いので、ほどよい焦げ目が付きました。
  
ソフトパンはそのまま、ジャムや卵をのせて食べましょう。  

夕ご飯。
メーンはバローで見つけた「越後枝豆」(茶豆)。

フライパンで蒸し焼きにしたら、とっても美味しいです。
  

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ところで、
中日新聞の社説「政治と世論を考える」は、
きょうの「(6)新聞の責任かみしめる」で連載終了です。

政治と世論についての考察、おもしろかったです。

社説:政治と世論を考える(6)新聞の責任かみしめる
2017年8月26日 中日新聞

 世論研究の先駆的著作「世論」が米国で刊行されたのは一九二二年。著者であるリップマンが三十三歳のときだった。

 彼の疑問は、この複雑で巨大な現代社会で一般の人々が問題を正しく理解できるか、民主主義が可能か、ということだった。確かに民主主義は主権者である国民が正しくさまざまな問題を理解し、正しい投票をする前提で動いていく仕組みである。

 だが、どう考えても彼には人々が正しい理解をしているとは思えなかった。従って公衆が賢明な意見を持つことを前提とする民主主義は成り立たない。だから、情報の分析や判断は、専門家集団に委ねざるを得ないと考えた。専門家とはジャーナリストなどだ。

 第一次世界大戦に情報担当大尉として加わり、世論がいかに政府によって操作されやすいものであるかも体験していた。それが「世論」を書く動機でもあった。

 <新聞は一日二十四時間のうちたった三十分間だけ読者に働きかけるだけで、公的機関の弛緩(しかん)を正すべき『世論』と呼ばれる神秘の力を生み出すように要求される>(「世論」岩波文庫)

 リップマン自身がワールド紙の論説委員であったし、新聞コラムを書くジャーナリストであった。晩年にはベトナム戦争の糾弾で知られる。正しいと信じる意見を述べ続けていたのである。

 現在の日本の新聞界はどうか。
 日本新聞協会が昨年発表した全国メディア接触・評価調査では、新聞を読んでいる人は77・7%。「社会に対する影響力がある」との評価は44・3%で、二〇〇九年調査の52・8%より低下。「情報源として欠かせない」との評価は32・5%と、〇九年調査の50・2%より大きく落ち込んだ。

 影響力はあるとしても、情報源として不可欠であると思う人は減っている。つまりインターネットなどとの接触が増えているのだろう。だが、ネット社会は虚偽の情報も乱れ飛ぶ密林のようなものでもある。

 リップマンに従えば専門家を介さないと、国民は問題を理解できなくなり、世論は政府に操作を受けやすくなる。逆に、熱した世論に迎合する政治だってありうる。

 そうならないよう、情報を集め分析し国民に知らせるのが私たちメディアの仕事である。ネットも同様だ。世論の重みをあらためてかみしめたい。=おわり(桐山桂一、豊田洋一、青木睦、飯尾歩) 


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8月25日(金)のつぶやき

2017-08-26 02:00:26 | 花/美しいもの
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政治と世論を考える(5)原発ゼロの民意どこへ/高砂百合、咲きました。鹿児島のかるかんまんじゅう、食べました。

2017-08-25 21:57:45 | ほん/新聞/ニュース
高砂百合(タカサゴユリ)が開花しました。
もともとは家の敷地内には無かったのですが、
種が飛んできて一輪咲いてからは、抜かずに増やして、
花後の種を蒔いたりしてきました。

台湾原産の帰化(外来)植物で「抜き取り刈り取り」が推奨されているのですが、
「近年各地で繁茂しているが花がきれいなためなかなか駆除されない.
少なくとも外来種であることを周知する必要がある」とのことです。
日本の外来生物 > タカサゴユリ(侵入生物データベース)

パートナーの知人から鹿児島の名物「かるかんまんじゅう」を
おみやげにいただきました。

軽羹の材料は、軽羹粉 (うるち米粉) と長芋と砂糖、
かるかんに餡をいれたものが「かるかんまんじゅう」です。

さっそく分けっこしていただきました。

けっこう甘いけれど、軽羹のとこは軽い感じです。

タルトもいただきもの。
お菓子がたくさんあるので、外でお仕事をしている人たちにもおすそ分け。

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中日新聞の社説は、5日続きで「政治と世論を考える」。
(5)は「原発ゼロの民意どこへ」。
このシリーズ、中日新聞のスタンスが明確で、リキが入っています。

社説は毎日二本ずつ掲載されるので、
もう一つは、別のテーマです。

 社説:政治と世論を考える(5) 原発ゼロの民意どこへ  
2017年8月25日 中日新聞

 「討論型世論調査」を覚えていますか。

 3・11翌年の夏、当時の民主党政権が震災後の原発政策を決める前提として実施した。

 政府としては初めての取り組みだった。

 無作為抽出の電話による世論調査に答えた全国の約七千人の中から三百人ほどに、一泊二日の討論会に参加してもらい、専門家による助言や質疑を織り交ぜながら、参加者の意見が議論の前後でどのように変化するかを見た。

 二〇三〇年の電力に占める原発の割合として、ゼロ、15%、20~25%-の三つのシナリオが示されており、学習と討議を重ねて理解を深めた結果、「原発ゼロ」と答えた人が全体の約三割から五割に増えた。併せて公募した意見では、九割近くが「原発ゼロ」を支持していた。

 このような民意に基づいて、原発は稼働後四十年で廃炉にし、新増設はしないことにより「二〇三〇年代ゼロ」に導くという、「革新的エネルギー戦略」が決められた。それを現政権は「具体的な根拠がない、ゼロベースに戻す」と、あっさりご破算にした。

 特定秘密保護法や集団的自衛権、「共謀罪」などの時と同様、内閣支持率の高さだけを背景にした“具体的民意”の無視、というよりは否定とは言えないか。

 その後も世論調査のたびに、脱原発には賛成、再稼働には反対の意見が過半を占める。

 六月の静岡県知事選中に本紙が実施した世論調査でも、県内にある中部電力浜岡原発は「再稼働すべきでない」という意見が約六割に上っていた。

 にもかかわらず、政府はエネルギー基本計画の見直しに際し、はじめから「三〇年20~22%」の原発比率を維持する考えだ。

 3・11前の割合は28%。老朽化が進む今、新増設なしには実現できない数字である。改めて国民的議論を起こす様子はない。

 3・11を教訓に「脱原発」を宣言し、原発の新設工事を中断させた韓国政府は、世論調査や討論会でその是非を国民に問う。ドイツの脱原発は、専門家や利害関係者だけでなく、聖職者などを含めた幅広い意見によって立つ。

 なのに当の日本は、政府の独断専行を“有識者”が追認するという“逆行”を改める気配がない。

 国民の声より大事な何か、国民の命以上に守りたい何かがそこに、あるのだろうか。


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8月24日(木)のつぶやき

2017-08-25 02:00:20 | 花/美しいもの
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<年金プア 不安の中で>認知症の母、援助する娘の家計圧迫(白井康彦)/政治と世論を考える(4)トランプ氏の情報空間

2017-08-24 21:07:04 | ほん/新聞/ニュース
けさ鳥羽川にウォーキングに行ったら、
堤防は濃い霧におおわれていました。

上流に歩きはじめたら、アンモニアのような刺激臭、
折り返して戻ってきたら、ヘリの爆音のような音が聞こえてきました。

どこかで稲の防除をしているようなので、ウォーキングを切り上げて
急いで車にもどりました。
案の定、桜尾あたりでラジコンの無人ヘリが農薬の散布をしていました。
帰ったら、猛烈に眠くなり吐き気もしたので、
朝ごはんを食べずにそのまま爆睡。

原因は、そのことと関係あるか風邪気味なのかわかりませんが、
身体が重くて、寝たり起きたりで過ごしました。

お昼過ぎようやく朝刊を読んだら、中日新聞の生活面に白井康彦さんの
<年金プア 不安の中で>認知症の母、援助する娘の家計圧迫」の記事を見つけて、
ちょっと元気が出ました。

  <年金プア 不安の中で> 認知症の母、援助する娘の家計圧迫
2017年8月24日 中日新聞

 年金だけでは生活費が足らない高齢の「年金プア」。年齢を重ねるにつれ、アルバイトなどの仕事ができなくなり、息子や娘から支援を受けるケースは多い。介護を受けることもしばしばで、子ども側の負担は重い。家計に余裕がない上に親への支援を強いられると、子ども側の生活まで苦しくなる。年金プア高齢者への家族支援の実情を探った。

 東海地方の地方都市の高齢者施設の一室。軽い認知症の母(81)を娘(53)が訪ねた現場に同席させてもらった。もの忘れが激しくなったというが、「他の入居者と食堂で話をしたり、楽しい日々です」と愛想よく笑顔を見せた。

 母はかつて、娘夫婦と同居していたが、自宅周辺を徘徊(はいかい)し迷子になって帰宅できなくなることもあったため、二年前に施設に入居した。それ以来、娘は週に一回は母の部屋を訪ねている。母には月四万円を援助しているが「自分も経済的にきつくて大変なんです」と漏らした。

 母の収入は、建設会社の経営者だった自らの夫が死亡した四十三年前から受給している遺族厚生年金で、月七万円余り。うち約六万八千円は施設の利用料に消える。利用料には食事代が含まれるが、個室での電気代や施設の旅行・食事会の積立金などは含まれず、不足分を娘が援助している。

 二十歳以上六十歳未満の人が国民年金に強制加入となった一九八六年以降、母は国民年金加入者となったが、保険料を支払っていなかったため、老齢基礎年金の受給資格はない。

 夫を失った後、母は喫茶店の経営を始めたが、経営は思わしくなく、十数年前には銀行からの借金の返済が困難に。娘はあちこちで借金して、母親が抱えた借金の返済に充てたが、経営状況は好転せず、八年前に母は自己破産した。負債は五千万円を超えていた。

 団体職員の娘の手取りの月給は約二十四万円。節約に努めて、自分名義の預金額は二百万円を超した。それでも見通しは明るくない。母への援助額は年間五十万円近く。職場の定年も十二年後に控える。その上、個人事業主の夫が病気がちで今は働けておらず、今後も夫の稼ぎは計算に入らない。寂しげなつぶやきが漏れた。「母を援助する気持ちはやまやまなのですが、母が長生きしたら、生活保護を受けてもらわねばならないかもしれません」

◆無理せず、公的支援活用を
 年金だけでは足らない生活費をどう捻出するか。六十代ではアルバイトなどで収入を得ていても、高齢になるにつれ働けなくなり、八十代になると仕事をしている人は少ない。そのため、足りない分は親族からの支援に頼ることは多い=図参照。

 支援金については出す側、受ける側ともに互いの状況を理解することが必要だ。生活困窮者を支援する「NPO法人ほっとプラス」(さいたま市見沼区)で相談員を務める高野昭博さん(62)は「親も子どもに負担をかけるのはつらく、複雑な心境の人が多い。親が認知症などの場合は難しいが、親子両方が気を使って、けんかが起きないようにするのが重要」と強調する。

 高野さんはさらに「年金が少ない親が長生きすればするほど、十分な額の援助をするのは難しい。子どもが頑張り過ぎると、親子ともども経済的に破綻して共倒れするケースもある」と指摘。そういった場合については「生活保護など公的な支援制度の活用を検討すべきだ」とアドバイスしている。
 (白井康彦)


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社説も、連載している「政治と世論を考える」の(4)、
「トランプ氏の情報空間」でした。

 社説:政治と世論を考える(4)トランプ氏の情報空間
2017年8月24日 中日新聞

 「やつらを見ろ」

 トランプ氏が記者席を指さした。すると会場を埋めた支持者がトランプ氏と声を合わせて「やつらは最も不正直な人間だ」とブーイングを浴びせた。

 昨年の米大統領選。トランプ氏の選挙集会ではメディアたたきが繰り返され、就任後の今もメディア敵視は続いている。

 メディアも黙ってはいない。ウォーターゲート事件の報道でピュリツァー賞に輝いた元ワシントン・ポスト紙記者のバーンスタイン氏は「これほど悪質な大統領は見たことがない」と批判し、メディアがトランプ氏に立ち向かうよう訴えた。

 ニューヨーク・タイムズ紙がアカデミー賞授賞式の中継で流したCMは、「真実がこれまで以上に重要になっている」との文言で結ばれた。メディアは事実を武器に政権と対峙(たいじ)しようとしている。

 ところが、ある世論調査によると、メディアにはフェイク(偽)ニュースが多いと65%の人が信じ、うち共和党支持者では八割に達する。メディア不信は深い。

 トランプ氏も「既成メディアはフェイクだらけだ」と毒づくが、自分の方こそ根拠のない発言を乱発し、取り巻きも同調する。大統領就任式の観客数をめぐる騒動がいい例だ。

 オバマ氏が就任した八年前の時の写真と比べて明らかに少ないのに、当時の大統領報道官は「過去最多だ」と自賛した。これをメディアが疑問視すると、大統領顧問は「オルタナティブ・ファクト(もう一つの事実)だ」と真顔で強弁した。

 トランプ氏がツイッターを重宝するのは、既成のメディアを介さず支持者に直接、メッセージを伝えることができるからだ。支持者を扇動する強力な武器になる。だから、いくら批判を受けてもツイッターをやめようとはしない。

 ネット空間では自分の嗜好(しこう)や立場に合った情報だけを選択できる。メディアがトランプ氏の虚偽をいくら指摘しても、こうした別の情報空間にいるトランプ支持者は聞く耳を持たない。支持層がなかなか崩れないのは、これが大きな理由だ。

 だが、自分の気に入らない情報は排除し、好みに合うものだけを受け入れれば、客観性を失い、偏見を自ら助長させる危険を伴う。

 正しい情報や事実に基づかない政治がまともであるはずがない。この歪(ゆが)みは危険である。 


きのうつくった、

ナスとオクラとお揚げの炊き合わせと、ワカとエノキのサラダ。

きょうの夕ご飯には、かぼちゃのサラダをつくりました。

千葉産の生落花生「ナカテユタカ」、レンジでほどよく炒って、
毎日少しずつ食べます。
  


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8月23日(水)のつぶやき

2017-08-24 02:00:14 | 花/美しいもの
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政治と世論を考える(3)輿論と世論の違いは?/琉球朝顔の伸びたツルの整理。お昼は更科の冷やしたぬきそば

2017-08-23 21:11:19 | ほん/新聞/ニュース
きょう8月23日は二十四節気の一つ「処暑(しょしょ)」。
「暑さが落ち着いて収まる」という意味です。

朝晩は気温が少し低く感じられて、
ウォーキングの空気もさわやかになってきた気がします。

今年の夏は雨が多くて、草もグングン大きななって、
琉球朝顔のツルも伸び放題。

サツキやツゲを覆い尽くす勢いなのでツルを整理しました。
  
ついでに、伸びてきたレンギョウの長い枝もカットしたので、
市道に出るときに見通しがよくなりました。



夏の間、遮光ネットの下に置いてあったカトレアとキンリョウヘンは、
いい感じであたらしい葉が伸びています。
  

お昼は、おみやげ用の「更科の冷やしたぬきそば」の差し入れ。

揚げとネギと天かすがどっさり乗って、
焼のりを散らしているのはパートナーの分。

わたしのはお揚げだけ(笑)。

2人ともダブル(大盛り)だったので、
麺も半分くらい食べてもらいました。

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中日新聞の社説は、シリーズ「政治と世論を考える」の(3)、
「輿論と世論の違いは?」です。
知ってるようで知らない「よろん」と「せろん」の違い、
興味ぶかく読みました。

  社説:政治と世論を考える(3) 輿論と世論の違いは?
2017年8月23日 中日新聞

 「世論」と書いて、「よろん」と発音する人もいるし、「せろん」と発音する人もいる。

 京都大学の佐藤卓己教授によれば、一九八〇年の調査では「せろん」と読む人が過半数だったが、それから約十年後には逆転して、「よろん」が六割を占めているのだという。偶然ではない。

 「戦前に教育を受けた世代と戦後の世代で多数派が交代した結果なのです」(佐藤教授)

 「輿論(よろん)」とは「天下の公論」であり、「世論」は明治時代の新語で、大正時代の辞書では「外道の言論、悪論」と書かれているそうだ。だから、戦前に教育を受けた世代が「世論」を「よろん」と読むことはありえないのである。

 軍人勅諭にもこんなくだりがある。「世論に惑は(わ)ず政治に拘(かかわ)らず」-。この場合も「世論」が「外道の言論」なのだからであろう。

 戦後、当用漢字表から「輿」の文字が除外され、「よろん」に「世論」の字が当てられるようになり、「よろん派」「せろん派」の二派が登場することになる。

 では、新聞社が行う世論調査は、「せろん派」で世の中の空気を読むだけの国民感情調査なのだろうか。それとも「よろん派」で、責任ある意見をくみ取る調査なのだろうか。この判定は場合にもよるが、どちらとも言い難い。

 専修大学の山田健太教授は「欧米では社会の階層ごとに読む新聞が違っています。例えば英国ならば上の層ではガーディアン紙、下の層ではイエローペーパーでしょう。しかし、日本の場合は違います。どんな市民でも読むメディアの差はありません」という。

 確かにサラリーマンでも、大学教授でも読んでいる新聞は、ほぼ同様のものであり、メディアの質そのものに大きな違いがない。お年寄りも老眼鏡を頼りにじっくり記事や社説を読む。

 「日本の読者は、新聞を読んで、知識を蓄えているわけで、新聞社の行う世論調査がたんなる『国民感情調査』に陥っているわけではないと思います。知識を持ち、意見を持った『輿論調査』の面もあると思うのです」

 「世論に問う」-。難しい政治テーマについて、こんな言葉を政治家がいう時代になっている。例えば劇場型政治がそうだ。賛成・反対で社会分断を図る。単純な言葉で世論を動かそうとする政治手法にメディアがどう対抗できるか問われる時代でもある。 


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8月22日(火)のつぶやき

2017-08-23 01:59:52 | 花/美しいもの
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政治と世論を考える(1)変革を迫る大きな力に(2)五・一五事件と民衆心理/吾亦紅、百日紅 ネリネ(ダイヤモンドリリー)

2017-08-22 21:07:56 | ほん/新聞/ニュース
家の前の庭に、吾亦紅(ワレモコウ)が咲きはじめました。
「われもこうありたい」という思いを込めて名付けられたといわれ、
「吾木香」「我毛紅」「我吾紅」などとも書くようです。

季節は秋にうつりかわり、夜には秋の虫の声も聞こえてきます。

サルスベリ「夏祭り」。
長く咲き続けるので「百日紅」と書きます。

日本蜜蜂が、蜜と花粉を集めにやってきました。
  
百日紅は、花の少ない夏の貴重な蜜源植物。
花も好きなので、あちこちに植えてあります。

ネリネ(ダイヤモンドリリー)。
「ヒガンバナ科ネリネ属」、彼岸花の仲間でリコリスと近縁です。
  
ピンクがたくさん咲いていて、白花も遅れて咲きました。
    
庭の百合も入れ替わり、もうすぐ高砂百合が咲きます。
  

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ところで、
中日新聞の社説で、きのうから
全部で何回のシリーズかわかりませんが、
続けて昨日今日、(1)と(2)が掲載されました。

 社説:政治と世論を考える(1)変革を迫る大きな力に
2017年8月21日 中日新聞

 内閣改造後の三日夕、記者会見した安倍晋三首相は冒頭、謝罪の言葉から切り出した。

 「さまざまな問題が指摘され、国民の皆さまから大きな不信を招く結果となった。改めて深く反省し、国民の皆さまにおわび申し上げたいと思う」

 その約一カ月前、東京都議選の応援演説では「安倍辞めろ」と叫ぶ聴衆に「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と声を張り上げた首相。目を閉じて頭を下げる姿からは「安倍一強」を謳歌(おうか)していたころの高慢な態度は消えていた。

 国政選挙で惨敗したわけでもないのに、なぜ謝罪に追い込まれたのか。それは報道各社の世論調査で内閣支持率が急落したからにほかならない。

 例えば、共同通信社が毎月実施する全国電話世論調査。五月に55・4%あった内閣支持率は、六月に44・9%に急落し、七月には35・8%に続落した。二〇一二年の第二次安倍内閣発足後、最低だ。

 背景には、首相自身が会見で指摘したとおり、森友学園への国有地売却、加計学園による獣医学部新設、防衛省・自衛隊の日報隠しに対する国民の反発がある。

 世論(輿論(よろん)とも)とは「世間一般の人が唱える論。社会大衆に共通な意見」(岩波書店「広辞苑」第六版)を指す。その全体の動向を統計学に基づいて科学的な手法で調べるのが世論調査だ。

 政権の座にある者はしばしば、世論調査結果について「一喜一憂すべきでない」と平静を装うが、内心では気になって仕方がないのが実態だろう。なぜなら内閣支持率は、政権基盤の一部を成す重要な構成要素だからである。

 支持率が高ければ、その政権の政策実行力は強まるし、逆に低ければ反対を押し切ってまで政策を推進することはできない。何より支持率が低ければ次の選挙が戦えないとの空気が蔓延(まんえん)し、首相・党首交代論すら出かねない。

 個別政策も同様だ。世論調査で反対の強い政策を進めるには、よほどの理由が必要となる。世論軽視との批判も覚悟しなければならない。

 有権者の側からすれば、世論の動向は権力者に変革を迫る大きな力となる。政権を代えるのも、政策の方向性を決めるのも、突き詰めれば世論である。

    ◇
 私たちの世論は政治にどんな影響を与えているのか。政治と世論について考えます。  


社説:政治と世論を考える(2)五・一五事件と民衆心理
2017年8月22日 中日新聞

 五・一五事件。一九三二(昭和七)年五月十五日に官邸にいた犬養毅首相を海軍将校らが暗殺したテロ事件に対し当然、当時の新聞も厳しい論調で向かった。

 「日本新聞通史」(春原昭彦著)は「かなり大胆にファッショを排撃した。とくにその論旨がきびしかったのは、東西の朝日、新愛知(現中日)、福岡日日(現西日本)」と記している。

 新愛知(中日新聞)の社説は、第二、第三のテロの出現を予測している。そして、「武器を所有するものが、赤手空拳にして何らの防備をも有せざるものに対する場合、それは武力を有するものが勝つに決まっている」と記す。

 だが、それは「物質的な勝利」にすぎないのであって、「人間の意思が暴力でどうすることもできない」と書き進む。そして-。

 「いわんや立憲政治がピストルの弾の十や二十のため、そのたびにぐらぐらしてたまるものではないということは、常識のあるものはだれだって知っている」

 大正デモクラシーの息を吸った立憲政治はそれほど強固だと考えられていたのだろう。だが、この事件後、政党内閣の慣例はもろくも打ち破られてしまう。

 もう一つの異変は世論の動向である。国民は何とテロの実行犯に同情的に変化するのである。三三年になると、軍法会議が始まり、新聞に裁判記事が載った。

 「東北地方の飢饉(ききん)を聞いて、国軍存立の為にも一時も早く現状打開の必要を感じ…」など被告の心情が報じられると、国民は将校らに清新さを覚え、減刑嘆願書を出すことが大衆運動となった。

 嘆願書の数、実に百万を超えたという。将校らの行動は「義挙」だと国民は感じたのだ。その変化はやはり新聞報道に起因するところが大きかったようである。

 判決はこの国民感情に応えたように軽いものとなる。首相暗殺でも刑はたった禁錮十五年。しかも三八年には仮釈放である。

 立憲政治はピストルの弾でぐらつかなかったのかもしれない。でも、そこに熱せられた世論が入ると、予期せぬ化学反応を始める。暗殺を義挙だと変換する世論に支えられていれば、暴力は大手を振って闊歩(かっぽ)し始めるのだ。

 今年七月に亡くなった犬養毅の孫道子は当時小学生。母親は米を買いに行っても売ってくれなかったそうである。遺族をも白眼視する、倒錯した群集心理はいつの世も抱え込んでいるのではないか。


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8月21日(月)のつぶやき

2017-08-22 01:59:57 | 花/美しいもの
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