慶應義塾大学知的資産センター講演会「新しい特許ビジネスの登場」に参加してきました。私は、評論家、政治家、大学教授、大企業の社長の講演には興味がありません。なぜならば、これらの人は実業を営んでいないので、参考になることが少ないからです(もちろん大学教授は、学問的に参考になりますが)。今回の講演会は、虚業に関する講演が2件、実業に関する講演が2件ありました。
実業の2件についてご紹介します。
1件目は、「特許資産を可視化する」というタイトルで、株式会社アイ・ピー・ピーの社長が講演しました。特許資産の可視化については、野村総研を始めとして多くの企業が実施していますが、個人的にはあまり興味がありませんでした。しかし、今回の講演を聞いて、私の認識が大きく変わりました。デジタルデータ処理技術と統計解析手法がコラボレーションすると、こんなに多くのことができるのですね。感動ものです。早速コンタクトしてみます。
2件目は、「パテントプール」について、アルダージ株式会社の社長が講演しました。パテントプールは、大学院の独占禁止法の授業で、「パテントプールと独禁法」について報告した経験があります。パテントプールの成功例としてMPEG、失敗例としてパチンコ遊戯組合のケースを取り上げて報告した記憶があります。講師もパテントプールの成功例としてMPEGを取り上げていました。講師は、元ソニーにお勤めの方で、技術に詳しく、かつ特許にも詳しいので大変参考になりました。
講演内容で興味を引いたのは、「包括クロスライセンスの弊害」です。私もライセンス交渉を行っていますので、包括クロスライセンスの内容は熟知していますが、その弊害については考えたことがありませんでした。講師によると、包括クロスライセンスを締結すると、技術者が安易に技術選択を行い、技術の進歩が停滞するそうです。その結果、ライセンス相手先以外の企業に技術的な差をつけられ、市場から退出していくことになるそうです。これは、技術者だけでなく、知財担当者も同様で、真剣に他社特許の回避を考えなくなり、実力が低下するそうです。この指摘は当たっているかもしれません。
講師の提案するクロスライセンスは、プラットホーム技術はクロスライセンスの対象とするが、アプリケーション技術は対象とせず、競争状態を維持することが良いそうです。参考になりますね。
講師による面白い雑談を一つ。アナログ時代からデジタル時代になり、パワーポイントを上手に駆使する会議屋が横行するようになってきたそうです。この人達は、勤務時間の大半を会議資料の作成に費やすので、プレゼンテーション資料の出来映えは素晴らしいものになります。しかし、この人達の提案内容は、全て他の人が実施するというもので、所謂虚業を行っているのです。このような人達が多くなると、企業は危険水域に入ってくるそうです。
私が所属する企業も危険水域に入っていますね。危ない危ない。
実業の2件についてご紹介します。
1件目は、「特許資産を可視化する」というタイトルで、株式会社アイ・ピー・ピーの社長が講演しました。特許資産の可視化については、野村総研を始めとして多くの企業が実施していますが、個人的にはあまり興味がありませんでした。しかし、今回の講演を聞いて、私の認識が大きく変わりました。デジタルデータ処理技術と統計解析手法がコラボレーションすると、こんなに多くのことができるのですね。感動ものです。早速コンタクトしてみます。
2件目は、「パテントプール」について、アルダージ株式会社の社長が講演しました。パテントプールは、大学院の独占禁止法の授業で、「パテントプールと独禁法」について報告した経験があります。パテントプールの成功例としてMPEG、失敗例としてパチンコ遊戯組合のケースを取り上げて報告した記憶があります。講師もパテントプールの成功例としてMPEGを取り上げていました。講師は、元ソニーにお勤めの方で、技術に詳しく、かつ特許にも詳しいので大変参考になりました。
講演内容で興味を引いたのは、「包括クロスライセンスの弊害」です。私もライセンス交渉を行っていますので、包括クロスライセンスの内容は熟知していますが、その弊害については考えたことがありませんでした。講師によると、包括クロスライセンスを締結すると、技術者が安易に技術選択を行い、技術の進歩が停滞するそうです。その結果、ライセンス相手先以外の企業に技術的な差をつけられ、市場から退出していくことになるそうです。これは、技術者だけでなく、知財担当者も同様で、真剣に他社特許の回避を考えなくなり、実力が低下するそうです。この指摘は当たっているかもしれません。
講師の提案するクロスライセンスは、プラットホーム技術はクロスライセンスの対象とするが、アプリケーション技術は対象とせず、競争状態を維持することが良いそうです。参考になりますね。
講師による面白い雑談を一つ。アナログ時代からデジタル時代になり、パワーポイントを上手に駆使する会議屋が横行するようになってきたそうです。この人達は、勤務時間の大半を会議資料の作成に費やすので、プレゼンテーション資料の出来映えは素晴らしいものになります。しかし、この人達の提案内容は、全て他の人が実施するというもので、所謂虚業を行っているのです。このような人達が多くなると、企業は危険水域に入ってくるそうです。
私が所属する企業も危険水域に入っていますね。危ない危ない。