熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

人間の運命

2010-01-22 22:10:45 | Weblog
五木寛之さんの「人間の運命」を読みました。

私が20代のとき、いわゆる青春まっただ中にいて暗中模索の状態のときに、五木寛之さんの本を読み漁った記憶があります。
「蒼ざめた馬を見よ」「青年は荒野をめざす」「ソフィアの秋」「青春の門」が読み漁った中でも記憶に残っている本で、今でも本棚に飾ってあります。

青春時代に、人生とは何か、どう行くべきか等を真剣に考えて、友達と夜が明けるまで議論した経験があります。
私にとっての青春の道標であった本でした。
かなり影響を受けた作家の一人です。

それから暫くは、仕事の忙しさを理由に、五木寛之さんの著作は読む機会はありませんでしたが、定年退職近くになって再び読みだしました。
このころの著者の本の傾向も大分変っており、「百寺巡礼」 「天命」 「生きる言葉」というように、人生の意義を語るエッセイが多くなってきています。

今回読んだ「人間の運命」も人生の意義を語ったもので、「若いころは運命を自分で切り開くという意気込みで仕事に熱中していたが、最近、運命の大きな流れの中に漂っていて、自分の努力ではどうにもできないことがある」というようなことを述べています。

この考え方は、良く理解できますね。
私も若いころは、「自分の運命は自分で切り開く」という勇ましいことを公言していたような気がします。
20代後半に、大貫富雄さんの「ライフワークの見つけ方」という本に感銘を受け、著者と同じように、人生50年計画を立てました。
これは、ライフワーク・仕事・家庭・資産形成・趣味・健康という各ステージで、50年先の目標を掲げ、それを実現するために年度毎の実行計画を作成し、実行するというものです。

まあ、企業の長期計画・中期計画・年間計画をイメージすれば良いと思います。
20代後半で50年計画を立てて実行するという、今考えると何と無謀なことをしたのかと恥ずかしくなりますが、この計画に沿って一歩一歩前へ進んだためか、60歳になってレビューしたところ、ほとんど計画通りに実現していました。

しかし、これは私が運命を切り開いたというよりも、何か目に見えない大きな流れの中で生かされていたと考えるようになってきました。

自分の運命は、ある意味自分ではどうにもならないことがあり、そのことを理解して、生きていくということでしょうか。

松下政経塾の塾生採用面接で、松下幸之助さんは、塾生を見て、その人の運が強いかどうかを判断して採用の可否を決定していたということを、何かの本で読んだことがあります。

世の中には、いくら努力しても報われない人がいるかと思えば、大した才能もなく努力もしていないのに、恵まれた生活をしている人もいます。
これも運命なのかもしれません。

ただ、私は、このような運命であっても、一生懸命生きている人には周囲の人が力を貸してくれると信じています。
運命に逆らうことは難しいのですが、努力すれば周囲の人の良い運命が良い影響を与えてくれることもあるのでは、と思っています。

今回は、少々堅い話になりましたが、たまにはこのような話題も良いのではと思います。

それではお休みなさい。



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