熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

筑紫哲也

2010-01-29 19:41:00 | Weblog
筑紫哲也さん
私が尊敬するジャーナリストの一人です。

筑紫哲也さんの「この「くに」の面影」を読みました。
筑紫哲也さんの文章には、善悪を決めつけるような態度が見られません。
つまり、物事を先入観なしに率直に眺め、分析した文章です。

新聞や雑誌(テレビ報道もそうですが)は、初めからこの人は悪、この国は悪と決め付けて、その人や国の印象が悪くなる情報のみを集めて文章を作成する傾向がありますが、筑紫哲也さんは、このような先入観がまったくありません。
これほど物事を先入観なしに見ることができるジャーナリストは珍しいと思います。

この本は、筑紫哲也さんのインタビュー記事、ニュース23の多事争論を中心に構成してあります。
大変参考になる記事が多いのですが、例えば、「テレビと政治」の欄で、アメリカCBSのエドマローという記者のことが書かれています。
1950年代のアメリカは、共産主義者を排除する「赤狩り」と呼ばれる動きが始まっており、その動きを先導したのが、共和党のマッカーシー上院議員でした。
マッカーシー上院議員からの報復を恐れ、赤狩り避難を避けるマスコミの中で、エドマローは対決を選びました。

マローは勇気あるジャーナリストですが、このような勇気を現代のジャーナリストに求めるのは難しいでしょう。
しかし、考えてほしいのは、テレビ、新聞は、「何を伝えるべきか」です。
小泉劇場と言う舞台を用意したのは、テレビ、新聞で、彼らを共犯者だという声もあります。
このような声に対して、「政治で小泉さんがやろうとしている事を伝えているだけなんだ
」という弁解が聞こえてきます。

マローがつきつけているのは、このような弁解ではなく、「ただ垂れ流しで伝えているだけではなくて、それをどう考えるのかをテレビ、新聞は示すべきである。そうしないとマッカーシズム見たいなことが起きる」と警告しているのです。

現在のテレビ、新聞に携わる人に問われている点は大変重いと思います。

真のジャーナリストの出現を望んでいます。



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