国際特許流通セミナーに参加してきました。
会場は、東京・台場駅に隣接しているホテル日航東京です。
このセミナーには毎年参加していますが、今回のセッションには、興味を引くものが少なかったので、初日の午後のみに参加することにしました。
午後一番のセッションは、「環境と特許」です。
環境問題に知的財産はどう係わっていくべきかという問題提起を行い、その解決策を提言するというものです。
環境問題について、企業の知財関係者が解決策を提言するのはおそらく初めてではないでしょうか。
従来、特許の独占的排他権が環境問題解決に障害となる点が多くいことから、強制実施権の付与等の検討がなされていますが、具体的な解決策とはなっていないのが現状です。
このセッションでの提言内容は、特許だけでなく、技術情報、生産設備、投資計画、要員計画までカバーした環境技術パッケージを商品リストとしたコモンズを作るというもので、なかなか魅力的な提言です。
勿論、一企業だけでできる問題ではありません。
政府、企業、個人が協力して達成できるものですが、温室効果ガス25%削減という意欲的な目標を掲げた民主党政権で積極的に取り上げて欲しい提言です。
温室効果ガス25%削減という意欲的な目標に、企業の経営者が反対しているのは止むを得ない点があると思いますが、技術者が積極的な意見を表明しないことに不満を持っていました。
今回のセッションで知財関係者から具体的な提言が出されたことを歓迎したいと思います。
これを機会に、企業の研究者、技術者が積極的にチャレンジする姿勢を見せて、具体的な提言をどんどん出してほしいものです。
次に、「中小企業における知財経営」のセッションに出席しました。
このセッションは、モデレーターのプレゼンテーションに続いて、2社の中小企業の経営者が自社の知財への取り組みを紹介し、これに弁理士の知財コンサルタントがコメントをするというものです。
モデレーターのプレゼンテーションは、毎度おなじみの内容で、弁理士のコメントにも特に参考となるものはありませんでしたが、私が驚いたのは、2社の内の1社の方の知財活動への取り組みです。
この方の説明によると、自社のビジネスモデルを立案して、そのモデルで収益の源泉となる技術・商品に特化して特許を出願を行うというものです。
具体的には、ある装置の開発をしていたが、収益の源泉となるのが消耗品なので、その消耗品に特化して特許出願を行うことにより収益を確保するというものです。
装置の開発を行っているので、装置の発明に特化して出願するのが通常の方法ですが、この方は、理に適った出願を行っていますね。
私が企業コンサルティングで実践している方法と同じものです。
企業経営者に、このような戦略的な考え方をしている方がおられるとは、大変な驚きです。
また、特許出願しても特許性がなく、権利化が困難な発明については、特許出願せずにノウハウとして保有するのが妥当な考え方ですが、商品として市場に出る場合は、具体的にどのような対応策を採用するのかが問題となりますね。
この方は、商品を市場導入するときに、販売せずにレンタルとし、分解困難な構造にするというものです。
こうすれば、商品に採用される発明の内容を秘密に保つことができますね。
この方法も、私が企業コンサルティングで実践しているものと同じ方法です。
この方の会社では、知財コンサルタントを採用する必要性は認められませんね。
それにしても、このような優れた経営者が存在しているとは、本当に驚きです。
収穫の多いセミナーでした。
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会場は、東京・台場駅に隣接しているホテル日航東京です。
このセミナーには毎年参加していますが、今回のセッションには、興味を引くものが少なかったので、初日の午後のみに参加することにしました。
午後一番のセッションは、「環境と特許」です。
環境問題に知的財産はどう係わっていくべきかという問題提起を行い、その解決策を提言するというものです。
環境問題について、企業の知財関係者が解決策を提言するのはおそらく初めてではないでしょうか。
従来、特許の独占的排他権が環境問題解決に障害となる点が多くいことから、強制実施権の付与等の検討がなされていますが、具体的な解決策とはなっていないのが現状です。
このセッションでの提言内容は、特許だけでなく、技術情報、生産設備、投資計画、要員計画までカバーした環境技術パッケージを商品リストとしたコモンズを作るというもので、なかなか魅力的な提言です。
勿論、一企業だけでできる問題ではありません。
政府、企業、個人が協力して達成できるものですが、温室効果ガス25%削減という意欲的な目標を掲げた民主党政権で積極的に取り上げて欲しい提言です。
温室効果ガス25%削減という意欲的な目標に、企業の経営者が反対しているのは止むを得ない点があると思いますが、技術者が積極的な意見を表明しないことに不満を持っていました。
今回のセッションで知財関係者から具体的な提言が出されたことを歓迎したいと思います。
これを機会に、企業の研究者、技術者が積極的にチャレンジする姿勢を見せて、具体的な提言をどんどん出してほしいものです。
次に、「中小企業における知財経営」のセッションに出席しました。
このセッションは、モデレーターのプレゼンテーションに続いて、2社の中小企業の経営者が自社の知財への取り組みを紹介し、これに弁理士の知財コンサルタントがコメントをするというものです。
モデレーターのプレゼンテーションは、毎度おなじみの内容で、弁理士のコメントにも特に参考となるものはありませんでしたが、私が驚いたのは、2社の内の1社の方の知財活動への取り組みです。
この方の説明によると、自社のビジネスモデルを立案して、そのモデルで収益の源泉となる技術・商品に特化して特許を出願を行うというものです。
具体的には、ある装置の開発をしていたが、収益の源泉となるのが消耗品なので、その消耗品に特化して特許出願を行うことにより収益を確保するというものです。
装置の開発を行っているので、装置の発明に特化して出願するのが通常の方法ですが、この方は、理に適った出願を行っていますね。
私が企業コンサルティングで実践している方法と同じものです。
企業経営者に、このような戦略的な考え方をしている方がおられるとは、大変な驚きです。
また、特許出願しても特許性がなく、権利化が困難な発明については、特許出願せずにノウハウとして保有するのが妥当な考え方ですが、商品として市場に出る場合は、具体的にどのような対応策を採用するのかが問題となりますね。
この方は、商品を市場導入するときに、販売せずにレンタルとし、分解困難な構造にするというものです。
こうすれば、商品に採用される発明の内容を秘密に保つことができますね。
この方法も、私が企業コンサルティングで実践しているものと同じ方法です。
この方の会社では、知財コンサルタントを採用する必要性は認められませんね。
それにしても、このような優れた経営者が存在しているとは、本当に驚きです。
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