コスモス
2013年09月04日 | 花
秋になると、面白山の斜面に植えられたコスモスの花が一斉に咲き乱れ、その可憐な姿が風に揺れる。これを見たくて、山道を車で出かけていったものだ。帰化植物でありながら、日本の気候風土にこれほど調和して融けこんでいるのは他に例を見ない。
心中をせんと泣けるや雨の日の白きこすもす赤きこすもす 与謝野晶子
多感な女性であった与謝野晶子の心情にも、コスモスはよく似合っている。この花を見ると、去年の秋に思いをやり、今日の無事に安堵する。山口百恵の歌ったコスモスの歌が懐かしく思い出される。
うす紅の秋桜が秋の日の
何気ない日溜りに揺れている
此の頃涙もろくなった母が
庭先でひとつ咳をする
縁側でアルバムを開いては
私の幼い日の思い出を
何度も同じ話くり返し
ひとり言みたいに小さな声で
こんな小春日和の穏やかな日は
あなたの優しさがしみてくる
・・・・・・・
こんな歌が日本中で歌われて、コスモスが帰化植物から、古来の種族へと変えていったのかも知れない。「コスモスの花が咲くと、松茸が出始める」という諺も丹波地方にあるが、もう入山料を払って入る松茸山しか、松茸狩りができる山はなくなった。