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台風が8時に愛知県に上陸したとのニュース。ウェザーニュース風に写真を撮ってみた。ここは夕方にかけて最接近というから、現在は小雨、風もない。
ところで、この季節になると辛い唐辛子が出回る。会社に勤めていたころは、居酒屋に必ずと言っていいほど焼き唐辛子がツマミに出ていた。面白いもので、辛いのを食べるのを自慢する人がいて、「こんなの子供だましだよ」と言いながら平気で食べている。本当かなと思ってちょっと齧ってみると口のなかが火事のように辛い。居酒屋のママさんが、気をきかせて、ぬるい湯を準備してくれている。それで口をゆすぐと、不思議に辛みが消える。居酒屋には、どこか銭湯に似た世情がある。熱い湯自慢も、辛ナンバン自慢もどこか愛嬌がある。
北海道に三升漬けというのがある。これは、辛唐辛子1升、醤油1升、麹1升を混ぜて漬け込む。漬けて1週間もすれば、おいしく食べられる。これがあれば、ご飯のおかずがなくても何杯もご飯が食べられる。だが、やはり辛い。麹が辛味に旨みを加えてくれる。数年前、塩麹がブームになったが、三升漬けはその先鞭をつけたものだろう。
唐辛子の原産はアルゼンチンである。スペインの軍艦がこの地方を征服して、タバコ、トマト、唐辛子を持ち帰った。唐辛子はスペインから明に渡り、そこから日本に入ってきた。唐辛子というが、あくまでも原産はアルゼンチンだ。中国ではこれを調味料に活用した。四川料理では唐辛子をたっぷり使う。韓国では、キムチに使ったし、タイなど東南アジアでも大変に辛味が好まれた。日本では七味にするなど、唐辛子をそのままたっぷり食べる習慣は広まっていない。これは、唐辛子の辛さに原因がありそうだ。
同じ赤唐辛子でも、韓国産のものにはどこかしら甘みがある。栽培する土地の地味、気候、湿度などで、韓国のものは辛みが中和されているような気がする。居酒屋の唐辛子は、口のなかに火がついたよう辛さであった。日本の風土には、このような辛い唐辛子を産み出す特性があるような気がするが、どうだろうか。
世を疎み奥の柱に唐辛子 古館 曹人
唐辛子台風すぎし天を指す 水谷 晴光