常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

たけのこ

2014年03月30日 | グルメ


静岡から筍が届いた。こちらでは、北部の町には雪が残るなかで、筍がこんなに大きくなっているのは、驚くほかはない。包装には朝取りと書いてある。クール便が届く前の日の午前5時に、竹林から掘り出したものである。尾花沢の親戚に竹林があるので、掘った経験はあるが、大きくなりすぎないうちに掘るのは至難の技だ。根が地中にはりめぐっているので、スコップで掘ること自体容易でない。静岡の産地と消費地が直結しているようで、便利というか恐ろしいような気もする。

たかんなの影は竹より濃かりけり 中村草田男

たかんなは筍の古称と、辞書には説明がある。たこうななどとも言われる。竹が高く伸びるのでそこから呼ばれたものであるらしい。油揚げと一緒にだし汁で煮込んだものをご飯と炊き込む筍ご飯は、春一番のご馳走である。

筍を掟のごとく届けもす 中村 汀女

筍を贈るという美風は、日本には古くからあった。汀女は京都の知人が、毎年忘れずに送り届けてくれることに感謝してこんな句を詠んだ。新聞紙に包んだ湿りのある筍は土の香りがほんのりとして包みを解くのもわくわくする。皮を剥き煮立てて米ぬかを入れて灰汁抜きをする手間もまた楽しい。翌朝は、筍のみそ汁とふくめ煮に春の到来を実感するだろう。



筍ご飯とかす汁。たけのこの柔らかい歯ごたえは、やはりこの季節しか味わえない初物の味である。

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コメント (2)
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