きのうから、畑作業は追い込みだ。乾燥で植えた苗が、萎びていた。新聞の漫画欄に、締め切りに追われる一家の様子が描かれていた。妻が「週末はホッとするね」と言うと、「週末は家庭菜園に種をまかないと、夏の収穫に間にあわないんだよ」と太文字のコメントが載っていた。家庭菜園が、漫画の題材になるほど一般化したということか。
きのう、里芋の苗を1本買って定植した。畝は作ったが、本来は低いところに植えて、葉の成長とともに土寄せをする、という知識を去年得た。昨年は木の陰の届くあたりに植えたため、今年は日当たりのよいところを選んだ。水分とたっぷりの養分が、里芋の成長には欠かせない。秋の収穫した芋はそれだけに、美味なものになる。借りている付近は、山形でもおいしい里芋の産地として有名なので、ことしも期待できる。
畑を借りている隣人たちは、5年以上経ってすっかり顔見知りになった。秋には、地主さんの庭を借りて収穫祭をすることも決まった。畑でできた芋を使って、山形の「芋煮会」を計画している。収穫したばかりの鮮度のよいものが一番のご馳走である。朝から、畑の野菜たちにやさしい春の雨が降っている。
風ひかり雉の雄叫び野に起る 山谷 春潮