常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

楠木正成

2016年05月25日 | 


延元元年(1336)5月25日は湊川で、南朝の新田貞義・楠木正成軍と足利尊氏軍が激突した日である。尊氏の大軍と血戦16合に及んだ正成の軍7百余騎は、弓で射られ、切られ残るはわずか73騎になってしまった。今はこれまでと覚悟を決めた正成は、湊川の北にあった民家に入った。鎧をほどいた正成の身には12もの刀傷があった。弟の正季に「御辺の最後の願いは何ぞ」と問えば、「七生まで同じ人間に生れて、朝敵を滅ぼさばやと存じ候え」と答えてからからと笑った。正成は「わが心を獲たり」と言うと、兄弟は刺し違えて同じ枕についた。正成の享年43歳、二人の従った従卒は全員が、この兄弟の死を追って果てた。
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カルガモ物語

2016年05月25日 | 日記


光禅寺の庭を見にときどき出かける。翁草が咲き、クリン草やスズラン、牡丹など珍しい花が楽しめるからだ。本堂の前に池があり、参道に沿って石橋がかけてある。昨夜来の強風で池には、桜の葉が飛ばされて浮かんでいた。その池に目をやったとき、1羽のカルガモが5羽の雛を連れてこの小さな池を泳いでいる。ここの池は川につながっているわけでもなく単独の池である。鯉を飼っているようで、水が澄んでいるときは、大きな鯉が悠々と泳ぐ姿が見られる。

カルガモはこの池へどうやってたどり着いたのだろうか。親は雛に声をかけながら泳いでいる。まわりを見ると、様子をうかがう猫、鳴きながら低空を飛ぶカラス、さらに池から上がるのを待ちかまえるカラスが、身を置きもののように固定させてじっとうずくまっている。隙さえあれば雛を取ろうとする敵が、庭や空から狙っているのが一目でわかる。水面をうかがう猫を手で追い払った。突然現れた人間に驚いたのはカルガモである。一声鳴いて池を飛び立ったカルガモが、しきりに雛についてくるように促している。

すでにカルガモの群れはパニックである。人目をはばかって橋の下へ姿を隠す。親を慕って2羽の雛が30センチほどの岸を越えて庭にあがった。残りの3羽は上がろうとするが、うまくいかない。親はひときわ大きく鳴いてついてくるように促す。この庭から100mほど先に堰の流れがある。おそらく親鳥は雛たちをそこへ誘導していくつもりなのだろう。カラスがさらに低く飛んでいる。人の姿に雛がおびえている様子に見える。無事を確かめる前にその場を離れることにした。そうすれば、親は人を気にせずに雛が誘導できるだろう。カルガモの親子にとっては、実に命がけの引っ越しであった。
コメント (2)
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