常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

寒河江のツツジ

2016年05月18日 | 


寒河江の長岡山にあるツツジ公園は東北一といわれるツツジの名所だ。寒河江在住のM君の案内で堪能してきた。ピークを過ぎて終わりかけた花もあったが、白ツツジとオオムラサキが、ちょうど満開であった。水曜日ということもあって花見客はまばらであったが、その分花に近づいて、香りと満開の美しさが堪能できた。

ものの本によれば、ツツジの名所は富士吉田市のレンゲツツジ、群馬県嬬恋村のレンゲツツジ、山梨県大泉村の大ヤマツツジ、大分県久住町のミヤマキリシマ群落となっているが、これに加えて寒河江のツツジ公園、長井市の白ツツジなどもその名所の一端に加えてものいいように思う。

白つつじ妻の愁ひは触れ難し 安住  敦



卯月8日は、旧暦の4月8日であるが、この日を女性の成人式とする行事があった。男性を排除した女性だけの行事であった。幼女から童女、女たちは山に入り、一夜を山に籠った帰りには、ツツジの花を頭髪に挿して降りてきて、自分の家の田や神棚に赤い花を立てて置く。こうすることで幼女は一人前の女になったことを、家や集落の人たちが認めたのである。この行事が、後に生け花になったいう説もある。



ツツジやサツキが盆栽の始まりでもあった。いま、少し散歩で町内を歩くといたるところでツツジの花が目につく。万葉の時代から、ツツジは人々の生活のなかに取り入れられてきた。それほどに、ツツジは日本人に長く愛されてきた花であるといえる。

風速の美保の浦廻の白つつじ見れどもさぶし亡き人思へば (万葉集巻3・434)
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