昨日は桃の節句、雛飾りの前で子どもたちが雛あられを食べ、白酒を飲んだりして遊ぶのは磯遊びと呼ばれていた時代もあった。この日を不吉な日と考え、子どもたちは野山へ出て遊ぶ。手に手に重箱を持ち、気持ちよい野山に集まって、重箱に詰めてある弁当を開いて食べながら、一日を外に出て、遊び暮す風習である。柳田国男は、浜辺で行う潮干狩りは、この磯遊びの変形ではないかと述べている。飾った人形を川に流すのは、身につく災いを雛に託して流す形代であったらしい。神社でするお祓いで、神の形代を水に流すことが行われるが、これが雛祭りの原型であったらしい。
流し雛見えなくなりて子の手とる 能村登四郎
家にくすぶっていないで、天気のいい日に山に入って遊ぶのは、この節句が身についてしまった人間のさがであるかも知れない。山の会で、雪山の道具の扱い方の説明会を開いた。15名ほど、ベテランの山の仲間が集まったが、まだまだ山の楽しみを満喫したい人たちばかりであった。会場の悠創館からは、白鷹山が山を楽しむ人たちを待つかのように青空のなかに聳えていた。