常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

夕陽

2019年06月04日 | 漢詩

山の端に日が落ちていく瞬間は驚きに満ちている。日が陰り、辺りは夕日に朱く染まって行くが、カメラを構えるほんの数分間に、夕闇が迫ってくる。その間に、日は赤さを増し、山の端は朱く染められる。この瞬間を詠んだ詩人がいる。晩唐の詩人、李商隠だ。下級官吏の家に生まれた李は、世に出るために有力者の庇護にすがり続けるほかなかった。詩文を書きながら、心に暗い影を抱きながら見たものは、山の端に落ちていく夕陽であった。

楽 遊  李商隠

晩に何んとして意適わず

車を駆りて古原に登る

夕陽 無限に好し

只だ是れ黄昏に近し

意敵わずとは、鬱屈して心にわだかまりを抱える状態である。古原は、楽遊原と呼ばれる人々の集まる、名所である。古代の廟のある高台である。ここで見る夕陽が、李の心の鬱屈を晴らしてくれる。わずか数分、時々刻々と変わる夕陽の姿に、ただ、好し、一言発するだけだ。やがて辺りは闇に包まれて、その残像だけが、心を占める。

 

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虫歯予防デー

2019年06月04日 | 日記

6月4日は虫歯予防デー、これからの1週間は「歯と口の健康週間」でもある。噛むことの大切さはいまさら言うまでもないが、特に高齢者の健康維持、認知症の予防の上からも大切である。80/20運動というのがある。80歳で自分の歯を20本残そうという、歯科医師会が推進している運動だ。人間の永久歯は32本だから、12本まで失われてもよい。この運動が始められた1999年、日本人の歯の平均残存率は8本、約15%であった。口腔ケアの大切さが認識されたこともあって、2016年の調査では、20本以上の残存率は51%にまで改善された。しかし、欧州などの国に比べると、日本人の虫歯や歯周病による歯の喪失率はまだまだ高い。因みにスエーデンでは、この残存率は80%を超えている。

先日テレビ番組で関連の番組を見たが、日本人は歯磨き後に嗽をする習慣がこの結果に関係があるとしていた。歯磨き粉にh含まれているフッ素が嗽によって無くなってしまうせいらしい。自分自身の永久歯の残存は30本、先日奥歯の2本がぐらついて義歯にすると、歯医者さんに言われたので、80歳まで1年半を残して28本が健在である。

虫歯予防デーを期して、今一口腔ケアを再認識したい。ひと口30回噛む(食材に食物繊維)、食後の歯磨きは磨き残しに注意する、唾液を出すマッサージ、イソジンを使う嗽、ガムを噛む。

孫が歯科衛生士で勤め始めたのも刺激になっている。孫に自慢できる立派な歯を持ち続け、おいしい食事で残された老後を楽しく生きていく生活。虫歯予防デーにこんなことを考えた。

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ヒメサユリ

2019年06月02日 | 登山

この花に初めて出会ったのはもう20年以上も前のことであろうか。山の会に入って2、3年経ってからであったと思う。高山植物の図鑑を繰ってみると、平成6年6月25日会津朝日岳とメモが残っている。記憶をたどってみると、この山の尾根道の叶の高手というブナの山径であったと思う。登山の案内書には、登山者の行く尾根道をヒメサユリの花が咲き乱れている。今は懐かしい思い出の人であるが、奥山さんがこの花を見つけ、花の前に座って記念の写真を撮った。

ヒメサユリは花の奥ゆかしさからオトメユリとも呼ばれる。飯豊、朝日連峰など東北の亜高山に限定的に分布している。数年前、熱塩温泉に旅行に行ったが、東館山という小高い丘に、移植されたらしい一大群落地があった。車の駐車場も広く、訪れる人も多いが、やはり高山で出会う花には格別の風情がある。しかし、山中では次第にその勢力を失い、絶滅危惧種の仲間入りをしている。

昨日、千歳山に行った人から、「ヒメサユリ」の写メを送ってもらった。そろそろ、この花が咲くころと思っていた矢先であったので、今朝、この花を見に出かけた。以前は、登山道で2、3輪見つけて喜んでいたものだが、去年あたりから急に増えたように思う。大抵、一輪だけの淋しい花だが、突然変異なのか、一本の木に6輪もの花をつけている。貴重な情報を貰って、今年もこの花を見逃さずに出会えた。

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トマトの花

2019年06月01日 | 農作業

家のなかでトマトの花が咲いている。五月の連休明けに、中玉トマトの苗を買って、畑に定植した。トマトは元気よく育ち、幹の太さは倍にもなった。それにつれて出るのが脇芽である。ちょっと目を離すと、この芽も成長して、木が茂ってくる。トマト栽培の基本は、この脇芽を欠いて、幹を太くすることで、たくさんの実をつける。採った脇芽を自宅へ持ってきて、水に挿して根を出させる。そして、これも畑に定植する。苗は高いので、少量だけ買って、この脇芽でトマトの木を10本ほどに増やす。水に差した芽に花が咲く。今朝、咲いた花をカメラに収めた。

ナスの木に初めて実がついた。最初について実は、大きくせずに捥ぐ。そうしないと、木の成長に影響が出る。親指ほどの太さのナスを、糠味噌に入れる。今年のナスの初物である。塩分を吸ったナスは柔らかく、初物しかない食感である。次々と花を咲かせているので、ナスももう2週間もすれば、収穫できる。キュウリの成長も急である。ナスと先を争うように、花をつけ、実を生らせている。

これやこの江戸紫の初なすび 宗因

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6月1日

2019年06月01日 | 日記

5月が終わった。本来、さわやかな季節なのだが、月末は真夏を思わせる猛暑であった。月日が経つのは早いが、最近はそれにもなれて、こんなものと受け止めている。山では残雪と目に沁みる新緑が見られた。もう見るのはこれが最後かと思うと、その美しさは感動的だ。時間は早く経過していくが、地上にある自然や生きものが愛おしく思える。南の方から梅雨入りの便りも聞こえてくる。

六月を綺麗な風の吹くことよ 正岡 子規

5月31日にうれしいことがあった。テニスの全仏オープンで、錦織圭と大阪なおみが逆転勝利で、4回戦と3回戦へ進んだことだ。怪我からの復帰で、以前のパフォーマンスが影をひそめた錦織だが、ここに来て調子を上げてきた。世界1位でグランドスラムに臨んだ大阪は、2戦を逆転で、本来の強さを見せ始めている。もう一つ、将棋の高校生棋士が龍王戦で4組優勝を果たし、本戦出場を果たした。今年は挑戦者決定へどこまで勝ち上がれるか注目される。高校生で、タイトル決定戦へ進出できるか、大いに注目したい。

野球では、応援している楽天が首位のソフトバンクを破り首位に立った。則本、岸の両エースを欠いたなかでの大善戦である。若い平石監督への、若い選手たちの信頼が半端でない。ここから、若い力が台頭している。このチーム作りは、今後のチームの行方を占う上で注目される。主力選手の存在を脅かす若い力の台頭、それがスポーツを見る楽しみのひとつである。

 

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