ねことわたしのやわらかな日々

17年一緒に暮らした愛猫を亡くしましたが、日々のささやかな幸せを、
手のひらで温めて暮らしています。

オリンピックの光と影

2010年02月17日 19時57分00秒 | フィギュアスケート
オリンピックも、すでに5日目。
日本も男子スピードスケート500mでメダルを獲得し、
男子フィギュアースケートもSPで好位置につけ、
ますます目が離せないところ。

でもわたしの胸をうったのは、むしろオリンピックの影の部分。
世界記録保持者で、ワールドカップで7度の優勝経験を持つ、
カナダのウォザースプーンが、不本意な9位に終わり、
試合後目に涙を浮かべ、いつまでも一人たたずむ印象的な姿。
過去2回のオリンピックでも大本命と目されながら
金メダルを手にすることが出来ずに臨んだ、最後のオリンピック。
彼の胸に去来したのは、どんな思いだったことか。

(Photo: John Mahoney, Canwest News Service, Vancouver Sun)

そして、男子フィギュアースケートのSPでは、
3年間の引退のブランクの後、復帰していきなり優勝し、
「3年間頑張ってきた選手たちに勝てて嬉しい」などと
挑発的なコメントをしたプルシェンコが、あっさりと首位。
そのコメントに触発され、更なる努力を重ねてきたジュベールが
あり得ないミスで18位に沈んだ演技の後の、つらく悲しい表情。
NHKの「ミラクルボディー」という番組で
彼がどれほどの努力をしてきたかを観ただけに、
非情な結果に、わたしまで胸が締め付けられる思いがして。

オリンピックに出てくる選手たちは、
たぶん私のような凡人の、1万倍くらいの努力をし、
1万倍くらいの挫折と、苦悩と、プレッシャーを乗り越え、
ここ、バンクーバーに来ているのでしょう。
だから1万倍の喜びの笑顔と、一万倍の非情な涙が交錯する。
それを思うと、国がどうの、メダルがどうの、と
そんなことは、もうどうでもいい気になってきて。
語りつくせぬものを乗り越えて、この場に立っている、
ただそのことに、心からの拍手を贈りたくて。
そして今回、挫折に泣いた選手もいつか
あの日の挫折があって良かったと、思える日が来ますように。
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