ねことわたしのやわらかな日々

17年一緒に暮らした愛猫を亡くしましたが、日々のささやかな幸せを、
手のひらで温めて暮らしています。

キャンディード!

2010年07月31日 22時28分00秒 | 音楽・アート
昨日、待ちに待った佐渡裕さんの真夏のオペラ、
バーンスタインの「キャンディード」を観てきました。
これまでの「蝶々夫人」や、「魔笛」、「カルメン」など
伝統的で誰もが知っている演目とは違い、
ヴォルテールが原作の、思想的・哲学的な寓話に
現代的なアレンジや、社会風刺も盛り込んだ、
ミュージカルのような、型破りのオペラ。

バーンスタインらしいメロディーラインや
美しいコーラス、楽しいダンスや、凝った演出を
エンターテイメントとして楽しみながらも、
最後には、深く考えさせられる物語でした。

(題名のない音楽会のテーマ曲がキャンディードだったとは・・・)

戦争や、暴力や、地震や、災害や、
不公平や、不条理に満ちたこの世界に
生きる意味とは何なのか、という問いを
場所を変え、シチュエーションを変え、
何度も何度も問いかけてくる、そんな作品。

「我々は純粋でも無垢でもないけれど
自分の庭を耕さなければならない」という
最後のメッセージが、いつまでも心に響いて。


(私は惑星なら「木星」になりたいな-「喜びをもたらすもの」)

上演後は、佐渡さんと握手して写真も撮って、
CDにサインもしてもらいました。
ひと言でも感激したことを伝えたかったのに
大きな温かい手に触れたとたん、
感激のあまり、何も言えなくなってしまって。

素敵な贈り物がいっぱいの夜でした。
わたしも、わたしの庭を耕していこう、
そんな思いに包まれながら。

コメント
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