ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

京都紅葉便り。小川治兵衛の庭と武田五一設計の建物がある岡崎「白河院」。見事な紅葉に感激

2013-11-21 | 歴史・史跡

京都岡崎エリアは、「南禅寺」「真如堂」「永観堂」など紅葉の名所スポットが豊富。紅葉シーズンは、連日、大勢の人たちが訪れ、どこも大賑わい。でもそのエリアにあまり人に知られていない紅葉のお庭があります。
「わーキレイー」とミモロが歓声を上げたのは、岡崎の動物園の北側にある「京都市名勝指定」を受けている「白河院庭園」です。

  

「白河院」は、もとは藤原良房の別荘で、その後、白河天皇に献上、承保2年(1075)に、法勝寺が建立されます。このお寺は、金堂、香道、阿弥陀堂、そして八角九重塔が聳え立つ壮大な伽藍をもっていました。
「知ってるー。前に動物園に行ったとき、観覧車がある場所に塔が立ってたって聞いたー」とミモロは、ちょっと知識を披露して、自慢げに鼻を膨らませます。その通り、動物園がすっぽり入り、北は、もう少しで丸太町通というところまで及ぶ広大な敷地をもつお寺です。平安神宮の周辺は、平安時代、法勝寺のほか、尊勝寺、最勝寺、円勝寺、成勝寺、延勝寺という6つの巨大寺院群「六勝寺」がありました。現在も地名に、そのお寺の名を留めています。
それらお寺は、文治元年(1185)の大地震や、その後火災により焼失。衰退の一途をたどり、廃寺に。その広々とした土地は、長らく農地や火災の疎開地などに利用され、明治に入り、平安神宮をはじめ、次々に大型公共施設が作られ、いっきに開発されました。

さて、話を「白河院」に戻しましょう。明治になり、琵琶湖の水を京都市内に引くインクラインが整備され、山県有朋など当時の有力者たちが、こぞってこのエリアに別荘を構えるのが、ステータスに。ここも、明治から昭和にかけて呉服商を営んでいた下村忠兵衛が、七代目小川治兵衛に依頼し、大正時代に完成した庭園。現在は、私立学校教員共済組合京都宿泊所『白河院』という一般でも宿泊できる施設のお庭です。


 
小川治兵衛による庭は、琵琶湖の水を引き入れた池泉回遊式庭園。
  
だれもいないお庭を、ミモロは独り占め。静かさの中、紅葉の見事さに浸ります。
変化に富んだ庭は、小川治兵衛らしい、どこを見ても美しいと感じされるもの。自然の美を堪能できるつくりです。
「小川さんのお庭って、どこも心落ち着くねー大好きー」と。

落ち葉の積もる小路をトコトコ。
楓以外の紅葉も、美しく…「低い位置に紅葉する木があるんだー」
「ホント、ここの紅葉見事…」
池の始まりは、滝。小川治兵衛=(植治の庭)には、滝が水の流れに変化や音を作ります。
ピョンピョンとミモロは、飛び石をジャンプ。
「あの建物も素敵だねー」と指差す木造建物は、京都府立図書館、円山公園などを設計したかの有名な建築家、武田五一が手掛けた大正期の数寄屋建築です。
建物の中には、当時のままのお座敷があり、現在も会食などで利用されているそう。
「武田五一さんの建物、随分見たよねー。前に行った清水坂の「夢二カフェ」の建物「五龍閣」もそうだよねー」

*ミモロが訪れた武田五一の建物は、「武田五一 ミモロ」で検索してください。いろいろ出てきます。

「こんな近くに、素敵な紅葉のお庭があったんだー」と、感激しきり。だれでも入場可能です。

「京都に来たいというお友達に、お手頃な宿泊先として教えてあげよう…」とミモロは、パンフレットをもらいに建物の中へと進みました。

*「京都 白河院」の詳しい宿泊、お食事などの情報は、ホームページで。1泊2食付ひとり1万2915円~。だれでも利用できます。
宿泊は、新館で。

人気ブログランキングへ
ブログを見たら、金魚をクリックしてね。ミモロ
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする