京都の数ある紅葉の名所の中でも、屈指の名所のひとつが、高雄エリア。京都の北西に位置し、清滝川の清流に沿って、高雄「神護寺」、槇尾「西明寺」、栂尾「高山寺」が、点在する山深いエリアです。
「秋に、高雄エリア行ったことないよー。行ってみようよー」というミモロのリクエストで、京都市街から、周山街道という京北へ通じる曲がりくねった国道162号線を進みます。
さて、ミモロが、まず向かったのは、3つのお寺の中で、一番奥にある栂尾「高山寺」です。
「あれーまだ参道に落ち葉がないー」大門があったと言われる表参道、そこには17枚の正方形の敷石が並び、色づいた葉が、美しく散っているはず…だったのにー。「もしかして、来るの早すぎた?岡崎エリアは、紅葉の盛りなのに…ここの方が気温低いはず…」と、不思議そうなミモロ。
岡崎エリアは、カツラ、いちょう、プラタナスなど、紅葉が早い木が多いのかも…。
「紅葉どこかなー」 ミモロは、ちょっと心配そうに、大きな杉が聳える昼でも暗めな道を奥へと進みます。
やがて、杉木立の中を抜けると…
「あったー!わーキレイに紅葉してるー」と、思わず感激の声を。
広い境内では、紅葉してる木も多数。まさに色とりどりの秋の景色です。
「今月中は紅葉が楽しめそう…」。でも、緑のままの枝もかなり見られますから、まだ間に合います。
そもそも「高山寺」は、宝亀5年(774)に光仁天皇の勅願により、「神願寺都賀尾坊」と称し開創。9歳で神護寺に入山した明恵上人が、修行の後、建永元年(1206)に後鳥羽院より勅額を賜り、以来、「高山寺」と称し、再興開山を。また、華厳宗の根本道場(学問所)としての役割も担います。また鳥羽僧正作と言われる「鳥獣人物戯画」をはじめ、多数の国宝、重要文化財を保有し、その多くが、東京や京都の国立博物館に寄託されています。現在は、真言宗の単立寺院で、御本尊は、釈迦如来。1994年に世界文化遺産に登録されました。
「かわいい仔犬ー」
ミモロが、親しみ込めて近づいたのは、明恵上人が慈しんでいたという木彫の仔犬。「えー鎌倉時代に活躍した、あの快慶作なのー。この子、重要文化財なんだー。明恵上人もカワイイもの好きだったんだねー」と。ミモロの大きさと比べても、まさに実物の仔犬サイズです。今にもクンクンと鳴きそうな、愛くるしい仔犬。「勇壮な金剛力士像などで知られる快慶さんも、こういうカワイイものを彫るんだー」。勇ましい仏像とは違い、きっと彫るのも楽しかったかも…。
これら寺宝が拝見できるのは「石水院」。明恵上人時代の唯一の建物と伝えられる一重入母屋造の1間の広い廂の間をもつ、国宝の建造物です。
廂の間越しに、庭の景色が眺められます。「あのー紅葉の盛りは、もう少し先って感じですねー」とそこにいる人に声を。ミモロ、それは、「善財童子」の木像。明恵上人が敬愛した仏様です。後姿が、ちょっとミモロに似てました。
さて、ふたたび紅葉のお話へ。
「石水院」の南縁は、山を望む絶好の紅葉ビューポイント。
軒先にも紅葉の枝が迫ります。
しばし、目の前に広がるパノラマのような美しい秋の景色を、楽しむミモロです。
また、「高山寺」は、日本で初めて茶の栽培がされた場所だそう。今も茶園で、毎年茶摘みが行われます。
明恵上人が、喫茶の祖、栄西禅師が、宗より持ち帰ったお茶の実を栽培したと伝わる茶園で、「日本最古の茶園」との石碑も。「あ、お茶の花が咲いてる…お茶の花って、白いんだー初めて見たかも…」可憐な花が、葉の蔭にひっそり。
「高山寺」を散策したミモロは、苔に落ちた葉を見ながら、何か口ずさんでいます。
小さな声で歌うのは…「京都 栂尾 高山寺 恋に破れた女がひとりー…」えーミモロ、随分古い歌知ってるのねー。この歌は、昭和41年にデュークエイセスが歌ってヒットした「女ひとり」という歌の2番です。
ちなみに、1番は、大原 三千院、そして3番は、嵐山 大覚寺 いずれも紅葉の美しいところ。この歌は、秋の歌だったんですね。恋に破れた女には、やはり秋がふさわしいよう。
「高山寺」の紅葉は、まだこれから…。ぜひ、錦繍の世界へ。
*「高山寺」の詳しい情報は、ホームページで。
人気ブログランキングへ
ブログを見たら、金魚をクリックしてね。ミモロより・・・