ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

下鴨神社のそばにある地元評判の洋食店「グリル生研会館」。研究者が利用するホテルだった歴史も

2016-03-09 | グルメ

「今日はのんびりランチしたい~」と、ある日ミモロは、下鴨神社のそば、下鴨本通沿いにある洋食店「グリル生研会館」に出掛けました。
「前に来たとき、もうランチ終わってたもんね~。今日は、早めに行くんだ~」と自転車に乗って、ミモロにしては早めの12時半ごろ到着。

下鴨神社の駐車場入り口にほど近い下鴨本通沿いの「生産開発科学研究所ビル」の1階です。

 
「へぇ~広々してる…」店内には、テーブルクロスが敷かれた木製のテーブルとイスが…
「なんか懐かしい昭和の香りがする…」


ここ「グリル生研会館」の創業は、昭和33年。現在のご店主でありシェフは、三代目になる西崎裕紀さん。

下鴨で生まれ育った方。
「あの~あの壁の写真はなんですか?」とミモロ。
店内の奥にかかるクラシックな雰囲気の写真が、気になっていました。
「あれは、創業したおじいさんの写真で、満州の『大和ホテル』に勤めていたころのものです」と西崎さん。
きちんとした服装で、きちっと並んだ人たちには、品格が漂っています。

その写真の満州の「大和ホテル」は、1914年に5年歳月をかけて完成した迎賓館として使われた高級ホテルです。経営は、南満州鉄道。ラストエンペラー溥儀や男装の麗人の川島芳子なども宿泊した、20世紀の歴史の舞台となったホテルです。
石造りのルネッサンス様式の堂々たる風格を漂わすホテルで、現在は『大連賓館』として宿泊客を迎えるホテルとして活躍しています。

「わ~そんな歴史的なホテルで活躍してらっしゃたんだ~」と歴史好きのミモロは、感激。

「戦後、当時『大和ホテル』で共に働いたシェフたちは、全国で、洋食店を開いたそうです。その流れが今も残るのは、ここだけになりました」と。本格的な洋食が味わえるお店であることは、その成り立ちからも伺えます。

「あの~ここどうして会館っていうんですか?」とミモロ。洋食店にしては会館というのは不思議な名前の気がします。
もともと京都大学の一室に昭和22年に設立された、自然科学的な研究を行い、科学技術の振興と産業の発展に寄与することを目的にする「財団法人 生産開発科学研究所」の新所屋完成に伴い、その中にできたホテル業務を担うのが、「グリル生研会館」の前身です。


「創業当時、ここは、宴会場や宿泊施設もあったホテルで、研究者の人たちが、宿泊し、朝食などをとったんです。もう30年前に宿泊部門は止めて、その場所は、今は研究所の事務所が入っています。また昔は、下鴨神社で結婚式を挙げ、ここで披露宴をなさった方も多かったんです」と。

今は、そのレストラン部門であるグリルのみの営業に…でも、宴会スペースは一部残っているそう。

「だからトイレが、普通の洋食店にしては広く、ビルのトイレみたいなんだ~」と、いつの間にかトイレまでチェックしていたミモロです。

下鴨エリアの歴史が残るお店です。

「あ、注文しなくちゃ~」とメニューを開きます。レトロな雰囲気のイラストが表紙になったメニュー。
「どれにしよう~」

ミモロの真剣なまなざしがメニューに注がれます。
ビーフシチュー、エビフライ、ポークソテー、ステーキなどなど洋食の定番の味がいろいろ。

「やっぱりハンバーグ定食にしよう…」と。スープ、サラダ、ライス、コーヒーがついた1800円のセットです。

「来た~」とミモロの前にポタージュスープが運ばれました。
 

たっぷりした量のあるポタージュスープ。「本格的なお味…美味しいね~」と。

「こういう紙ナフキンのあるお店少なくなったよね~」と三角に折られた紙ナフキン。
確かにめっきり見なくなりました。

やがてミモロの前にお待ちかねのハンバーグステーキが…
「わ~目玉焼きがのってる…」ワインの風味が感じられるデミグラスソース。お肉のおいしさが堪能できるハンバーグ。

「このブドウ柄のお皿、懐かしい感じ…」そう、昭和に流行した絵柄で、よく親戚の家などで見ました。

ここの家具の多くは、創業当時のものを大切に修理しながら使っているそう。
これは今から修理する椅子。「最近、椅子の張替したんですよ~」と。なかなか座り心地のいい椅子です。

「なんかこの雰囲気いいね~。心が休まる…」ラストオーダーを過ぎたお店には、ミモロ以外にお客様の姿もなくなりました。

「どうぞごゆっくり…」と西崎さん。

食後のコーヒーを飲みながら、静かな午後の時間を過ごします。

ここは、地元の方、また京都人が贔屓にするお店。子供のころ来たことがある人…そして今は、孫と共に訪れる人など…
京都には、そういうお店がいろいろあります。

「ごちそうさまでした~またきま~す」とお店を後にするミモロを、西崎さんが外まで見送ってくださいました。


「はい、またお待ちしています…」


下鴨神社の参拝の折りに、ランチで立ち寄っていかがでしょ。

*「グリル生研会館」の詳しい情報はホームページで

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