京都岡崎に「みやこめっせ」の地下1階にある「京都伝統産業ふれあい館」。およそ500点におよぶ京都の伝統産品を展示・販売したり、伝統工芸に関する図書室やギャラリーも併設していて、ここにくれば京都の伝統産業のことがなんでもわかっちゃう施設です。
いろいろなイベントが開催される「みやこめっせ」。「ふれあい館」の入口は、「みやこめっせ」の入口のそばにあります。
直接地下につづく入口。「え~こんな入口があるって知らなかった~」とミモロ。いつも「ふれあい館」に行くときは、「みやこめっせ」の入口から、エスカレーターで降りていました。
「あまりに目立たたない入口ということで、ゲート作りました」と、外に木枠のゲートが新設されました。
「う~これでもまだ地味が感じ…」と思うミモロです。
そのゲートを入ると、地下に続くスロープが…。
この日、ミモロは、3月31日まで開催する「春の職人実演まつり」の取材に伺いました。「ようこそ、ミモロちゃん....」と出迎えてくださったのは、「ふれあい館」の専務理事、八田さんです。
八田さんのご案内で、ミモロは、京都の伝統産業を学びます。(*館内は、撮影禁止ですが、今回取材のため撮影許可をいただきました)
地下1階の「ふれあい館」正面から館内へ。
「あ、おひなさま・・・」季節がら、おひなさまがお出迎え、3月中はおひなさまが飾られています。
31日までは、職人さん8人が、ここで製作実演をなさっています。
まず最初に見学したのは、京焼の絵付け職人さんです。
「わ~細かい模様…なんでそんな太い筆で描いてるの~」と、ミモロはビックリ。
こちらは、線で描かれた文様の中を塗りつぶしてゆくダミをなさっているところ。細かい青海波の内側をはみ出さずに描きます。
それに使う筆はダミ筆といわれるもの。たっぷりと絵の具を含ませて、微妙な筆遣いで行います。「細い筆では、絵具が十分含むことができず、かえって上手くゆかないんです。これも昔から職人の知恵から生み出されたもの…」とお話くださいました。
「すごい~」と感激するミモロ。
さて、京都の伝統産業というのは、その種類は多く、西陣織、京友禅、清水焼、竹工芸、蒔絵、金具錺、京人形などなどなんと、ここだけでも74種類500点以上の工芸品が並びます。
次にミモロが見学したのは、人形の髪をつける職人さんです。
職人さんのそばには、人形の頭の部分が並んでいます。
それに絹でできた髪を貼り付け、そしてその人形にふさわしいように結い上げる職人さんです。
まず、人形の頭に切り込みを入れ、髪を張り付ける準備をします。そして髪を貼り付け、雌雛なら、こんな風に結い上げます。
「人形のヘアデザイナーさんなんだ~」ひな人形など、京都人形は、分業制でそれぞれの職人さんの技が集まって完成します。
「あの~髪は、人間の髪を使わないんですか?」とミモロ。「市松人形くらい大きなもので、またおかっぱのようにストレートなスタイルの場合は人間の髪を使いますが、小さな人形の場合は、人間の髪では太すぎますし、また弾力がありすぎるんです」と。
ホントに細い絹糸…人形の髪用に染められた絹糸です。
ミモロなにしてるの…「ここに並んでたら、髪貼ってくれるかもしれないと思って…」と、人形の頭に紛れようとするミモロです。
形は似てるけど、見つかると思うよ~。
次は、京扇子の職人さんのところへ。
ここでは、扇子の紙の部分に竹製の骨を差し入れ、扇子の形を作る職人さんです。
扇面は、波状に折られ、そのわずかな紙の隙間に、一気に竹製の骨を差し入れます。
そして、竹の枠に入れて落ち着かせます。
扇子もやはり分業制。扇子の紙を作る人、そこに絵を描く人、扇面を折る人、竹の骨を作る人など、細かく分業されています。
一つ一つの技術が専門の職人さんにより高められ、それを集結させることで、作品の完成度は高くなります。それが京都の伝統産業らしい高品質の理由。すべてのプロフェッショナルの技が1つのものを完成させてゆくのです。
だからひとつでも、作業工程の職人さんがいなくなると、その産業は途絶えてしまうのです。後継者を育成するのが、すべての伝統産業の課題であり、直面する問題です。
「ここはなぁに~」
神具を作る職人さん。ここでは三方を製作。
「わ~すごくいい香り…」三方の材料のヒノキの削りかすから、いい香りが…
「なにしてるんですか?」
三方の素材にかんな掛けをしています。神様がお使いになるもの…それを作る作業にも自ずと心が清められるそう。
「ミモロのお家にも神棚あります。毎日、御榊の水替えて、お祈りしてるんです…」と話します。「そう、それはいいことですね。神棚も、神様がいらして心地よいものにしておかないと…。」とアドバイスをいただきました。「そうだよね~誇りだらけだったら、神様いたくなくなっちゃうもの…」いろいろな神社に参拝してお願いするものいいのですが、自宅の神棚を整え、常に清らかな心地よい状態にすることを忘れていけないのだそう。遠くの神様より、近くの神様…そばにいらっしゃる神様を大事にすることこそ基本です。
「そのヒノキの板、持って行ってください。お風呂に入れるといい香りしますよ」と。「え~もらっていいの…」
「クンクンいい香り…」
「本当に京都の伝統産業っていろいろあるんだ~」と、館内を見て回るだけでもかなりの量があります。
今や京都は、伝統工芸品の最大の産地。それらを支えるたくさんの職人さんたち…。
「ふれあい館」は入館無料。ここに来れば、京都の伝統産業のことがよくわかります。観光のコースにぜひ加えたい施設です。
外国人の人にもぜひ見てほしいところ。
いろいろな体験プログラムもあります。詳しくは「ふれあい館」のホームページで
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