昨日は友人達と、映画「シェーナウの想い」のDVD上映会をしました。
『この映画は、ドイツ南西部にある小さなまちシェーナウ市の住民グループが、チェルノブイリ原発事故をきっかけに「自然エネルギー社会を子どもたちに」という想いから、ドイツ史上初の「市民の市民による市民のための」電力供給会社を誕生させるまでの軌跡を綴るドキュメンタリー』(「自然エネルギー社会をめざすネットワーク」サイト)で、以前から「とても良い映画」だと、私の周辺では話題になっていました。
チェルノブイリ事故で原発の恐ろしさに気付いた住民たちは、「原子力のない未来のための親の会(親の会)」を結成。「節電キャンペーン」を行うことから始めて、シェーナウ市の電気を独占的に供給する電力会社KWRに対し、原発に頼らない電力供給をするように掛け合うに至りますが、KWRはこれを無視。「親の会」は、ついに自分達の電力会社、EWS(シェーナウ電力会社)を作るという行動にでます。
住民達は、2度にわたる住民投票を勝ち抜いて、シェーナウ市の電力供給の認可を取得。さらにKWRが所有していた電力網を買い取るために、銀行や広告会社の協力をとりつけ、人々の寄付も得ることにも成功。
こうして、念願の電力供給を開始したのは1997年、「親の会」の発足から10年後のことでした。そして今では、EWSはドイツの他の地域の人たちにもエコ電力を供給し、シェーナウ市で納税額No.1の企業に成長しているとのことです。
映画の中には、住民投票に向けたキャンペーン用に手作りクッキーやジャムを配ったり、戸別訪問をして話し合いを重ねたりと、未来への希望を持って、真剣に粘り強く、でも明るく行動する人たちの姿があります。住民投票に勝利して喜びを爆発させる人々を見た時には、私達も感動し、思わず拍手をしていました。
この上映会には、昨年シェーナウに取材に訪れた若いジャーナリスト大芝健太郎さんも参加して、シェーナウ市の様子を話してくれました。町の人々の意見が二分されるような「住民投票」が成功し、結果として誰もがハッピーになれた背景には、日常生活の中で議論を楽しむドイツの人々の生活習慣がありそうだというお話でした。う~む、羨ましい。(三女)