昨日は、国立西洋美術館で開催中の「スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた」展を夫と一緒に観に行ってきました。
『「スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた」展は、スペインに関わる版画制作の史的展開を 17世紀初頭から 20 世紀後半までの長大な時間軸で概観し、写し伝えることのできる版画が、スペインの文化・美術に関するイメージの形成や流布にどのように貢献したか、約240 点の作品から探るこれまでにない企画です。リベーラからゴヤ、フォルトゥーニ、ピカソ、ミロ、ダリら巨匠たちの仕事を含んだスペイン版画の系譜を辿ることに加え、ドラクロワやマネなど19世紀の英仏で制作されたスペイン趣味の作品を多数紹介します。』(HPより)
展示は、
1.黄金世紀への照射:ドン・キホーテとベラスケス
2.スペインの発見
3.闘牛、生と死の祭典
4.19世紀カタルーニャにおける革新
5.ゴヤを超えて:スペイン20世紀美術の水脈を探る
6.日本とスペイン:20世紀スペインの版画の受容
のテーマ別に区分けされててます。
トップの絵は、ラモン・カザス《「アニス・デル・モノ」のポスター》(1898)(テーマ4)。
マネ《ロラ・ド・ヴァランス》(1863)(テーマ2)。
「マドリード王立劇場舞踊団の花形であったローラをモデルにした原作(オルセー美術館蔵)を版刻したもの」とのこと。舞台に立つスペイン女性の華やかな魅力が伝わってきます。
ホキアン・ソローリャ《水飲み壺》(1904)(テーマ2)
油彩画ということもあって、貧しい日常の中にも温かさ、優しさがある、と感じられる、好感度の高い作品でした。
左:ゴヤ《ロス・カプリーチョス16番<神よお赦し下さい、それが母親だったとは>》(1799)(テーマ2)
右:ゴヤ《ロス・カプリ―チョス43番<理性の眠りは怪物を生む》(1799)(テーマ2)
戦争、動乱、病い、、と困難の中生きてきたゴヤらしい、底流に暗さが横たわる作品たちです。
ベルト・モリゾ《黒いドレスの女性(観劇の前)》(1875)(テーマ2)
ベルト・モリゾはマネの絵画のモデルとしも知られる印象派の画家だそうで、マネによく似た雰囲気の作品でした。
アドリア・グアル《オルフェオ・カタラ合唱団のポスター》(1904)(テーマ4)
カタルーニャの独自の文化を感じさせる、色彩豊かなポスター画です。
その他、絵葉書が無くて、画像を紹介できなかったのですが、「テーマ1」のコーナーにはドン・キホーテに纏わる版画や書籍が沢山展示されていて、私たち夫婦も若いころは「風車に立ち向かうドン・キホーテ」的なところがあったよな~と、苦笑いと共に思い出したり、グラナダの風景やアルハンブラ宮殿の「二姉妹の間」の映像に、7年前のスペイン旅行を懐かしく思い出したりと、期待以上に充実したひと時になりました。
昨日も東京は35度超えでしたが、上野公園は緑が多くて、思ったよりずっと快適な空間でした。
やっぱり暑い、暑いと家に篭っているより、時には思い切ってでかけるのも大切ですね。(三女)