世界遺産:セリミエ モスク
10/17 旅、3日目。
(1日目は、飛行機搭乗と飛行機内だけだから。)
6時起きして、バス約230km・3時間、
ギリシャとブルガリアの国境にちかいエディルネを目指す。
到着したのは、世界遺産:セリミエ モスク。
最初に、ブルーモスクを観たら、他は・・・
と思いきや、大きさはひとまわり小さいもの外観も中もすばらしい。
朱色と白とストライプのアーチが個性的。
美しさに加えて、とても温かい感じのするモスクだ。
オットさんの隣の人は、ただのひょうきんな人。
ここはガイドのムスタファさんも中まで入って、
いろいろ説明してくれた。
男女の礼拝の仕方の違いとか、
さかさまに彫られた
国花、チューリップの
由来※とか・・・。
※このモスクのあった土地は、そのむかし昔チューリップ畑で、
土地所有者を説得してモスクを建設しようとした時
一人のお婆さんだけが、頑としてゆずらなかったらしい。
でも、とうとう建設が始まることになった時、
敬意を表して刻まれたのが、この逆さチューリップといことです。
トルコ語で「逆さま」には「頑固者」の意もあるんだそうで。。。
そして、素敵だったのは、
このモスクを作った 建築家ミマル・シナン※ の話。
※1990年、トルコで16世紀に建造されたモスクの修復が計画された。
それは、もろくなった石のアーチの修復をも必要とする大規模なもので
長い年月がかかると予想された。
熟考の結果、まず構造上の重要な石をひとつはずしてみたところ、
その中に、ガラス管に入れられた手紙が入っていたという。
それがなんと、
400年前に建築家シナンがオスマン語で書いた
遠い未来、自分の建築したモスクを
修復してくれるであろう未来の人々に書いた手紙だった。
「我々が建造したこの建築物の石は、400年が寿命である。
400年後石のアーチ部分は傷んで脆くなりあなた方はそこを
作り直そうとするだろう。その時おそらく建築の技術は
我々の時代より大きく進化しており、それゆえにあなた方は
石のアーチを作り直す経験を持っていないだろう。
だから私はこの手紙を書いている。
おそらく、あなた方は石のアーチ部分の重要な石
「キーストン」の下に木の枠組みを設置し、
その後「キーストン」を除去しようとするだろう。・・・」
そして、キーストンの役割や東アナトリア産の石を
使うことを指示し、図面と工法の資料が添えられていた。
このシナンの『発見された手紙』により、シナンの作った
他のモスクも、予想されていたよりはるに短い期間で
修復することができたという。
豊かな才能と知性と自分の作品に対する愛情、
時をこえた人々への愛に鳥肌がたった。
このモスクは頑強で、かつて砲火を受けても
大きなダメージをうけなかったそうな。
外に 大砲 がひとつ、忘れられたように置いてあって
その下の猫ってば、次々と旅行者が傍によっては
写真を撮るのにも、いっさい動ぜず。
なかなかの大物ぶり。