小川隆夫さんの本はつい最近読んだ気がするけえれど、図書館でまた見つけてので借りてみた。年末、年始ゆっくりとジャズ・ジャイアンツの言葉を噛みしめたい。
初めにの書き出しで
一般にぼくは「ジャズ評論家」と思われている。しかし本人にはその気がサラサラない。理由は簡単で、評論がかけないからだ。 ~ だから「レポーター」が正しい肩書かもしれない。
このようなところが氏に好感を感じる理由だと判った。わたしもジャズの評論は好きではない。
ところでこの本、ガレスピーで始まって、多くのビックの名前が連なっている。マイルスはそのまま別な本になっているからそれ以外だけどやはりマイルスは出てくる。マイルスがバードの思い出を語っている一節、こういうのがレポートとして目からうろこなんです。
バードはいつもワーキング・バンドにこだわっていた。 ~
バンドはツアーすることでサウンドがタイトになっていく。クリエイティヴティも増してくる。そのことはバードのバンドにいたときからわかっていた。だからツアーは積極的にやるようにした。いまにいたるまで同じだ。
もう一つ ドン・チェリーとのインタヴュー、オーネット・コールマンと「ファイヴ・スポット」に出ていた時の話
セロニアス・モンクやマイルスもよく聞きに来た。「ファイヴ・スポット」にはビリー・ヒギンズとベースのリロイ・ヴィネガーと出ていたんだが、演奏中に誰かが私の肩を叩くじゃないか。誰だろう?と思って振り返るとマイルスだった。そのときからわたしはポケット・トランペットを吹くようになった。彼がくれたのさ。その夜は、そのポケット・トランペットをふたりで代わりばんこに吹いたんだ。
こんな話が出てきて、ある意味謎が解けたような楽しさだ。多くのジャイアントが語るジャズ・ライフは彼らがリリースした結果を知っているだけに何とも興味深い。
まだまだエピソードはあるけれど、これ以上抜き書きすると営業妨害になるだろうから、後はご自分で。