のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

筆触法(第七週)空気を感じる

2017-07-15 | 心のデッサン無料公開授業

哲学の小路  そして白いコップ

2枚の写真を眺めていただいて、感じて頂きたいことがあります。

そこに、絶対的に共通するあることが隠されています。分かるでしょうか。

たとえば、手前のコップの縁と奥の縁の風景は、水路の手前の枯葉や流れのせせらぎが見える風景から一番奥の山なみの風景の見え方と同じだということです。

それは今までの筆触法で、理解していただいたと思います。コップを眺めるとき、その光景をこの疎水のような風景として観ることは、筆触法ではとても大事なことなのです。(想像力ですね)

 

 

共通するあることとは、もうお分かりですね。何度か触れたこともあると思いますが、それはこの風景をみている「私」自身と絵の関係ですね。

どんな風景を描いても、必ずその前で風景をみている「私」がいるということです。これは実際に見たり空想で観たりするにかかわらず、私たちが風景として見ている大前提がここにあります。

 

「私」があって風景がある。

すると必然的に現れてくるのが遠近法ですね。

足元の石畳は近く、山は遠いというように筆触法的遠近の考え方は、「私」から遠いか近いかということなのですね。

 そしてこの遠近法には、見る遠近法(透視図)や重なりの遠近法(近いものの後ろに遠いいものが隠れる)などありますが、

今回取り上げるのが、空気遠近法です。

 

理屈は簡単で、「私」とものの間には空気があるということです。

「私」と描くものの間にある空気を意識するということはこれからお話しするように、とても大事なことで、それがデッサンに空間が現れてくる直接の原因となります。

 言葉にすると難しく聞こえますが、私たちが普段何気なく簡単にイメージしていることなのです。

つまり、「私」とものの間に空気を想像するだけでOKです。空間に空気の球がいくつも浮かんでいる訳ですね。

そうすると、遠くなればなるだけ、この空気の球が増える訳ですから、最後は遠い山脈を見るように、霞がかかった向こうに消えてしまいます。

 

そう想像できましたら、コップを見ても同じように空気の球に覆われているイメージが出来ますね。

コップ前にして、手前の縁と奥の縁の間にある空気の球を出来るだけたくさん思い描くことの出来たひとが、深いデッサンを手に入れることが出来るのです。

 

それを具体的にみていきましょう。

一目瞭然、3つの立方体はどちらが遠くてどちらが近いか分かりますよね。私たちの感性は誰もがこの風景を目にするだけで遠近を見分けることが出来るのですね。

 

「私」と立方体の間にある空気の量の違いが分かりますか。ここには単純な法則があります。そしてそれを知ることで、あなたはこの空気遠近法を使うことが出来るのです。

 

法則はただ一つ、一番遠い風景は中間の色合いと明るさでぼやけた形になるということです。冒頭の哲学の小路の画像をみても分かって頂けると思います。遠い山端はほとんど空に溶け込んでいますね。一言で言えばコントラストが小さくなるということです。

 

 ② ③

立方体の一番明るい面は、①~③と遠くになるにつれて明から暗に変わっていますし、

 ② ③

一番暗い部分は、逆に暗から明に変わっています。

 ② ③

そして3つの面のコントラストは、くっきり~おぼろに変化しています。

つまりみな中暗色に向かっていくのです。

分かりますよね、最後はすべてが空気の層に消されていくのです。

そしてこれは、自分とものとの間にある空気を意識すれば自然に答えが見えてくる法則です。覚える必要もないわけですね。

遠景のほとんど空に溶け込むような山の姿は、その山との間にある空気を見ているということであって、それは「私」と山の距離(空間)を体感しているということなのです。

 

結局私のいいたいことは、筆触法とは、風景を体感する方法だということなのです。

風景を目だけではなく、全身で観る。

これが筆触法の特徴だと言えますね。

 

 

 せっかくですから、影も描きくわえてみました。立方体が置かれている地面も空気を意識して描きこみますと、さらに存在感が生まれます。

どうでしょうか、うまく空気をイメージできたでしょうか。私たちはこの立方体と共に空気に包まれているのです。

ものを描くということは、自分との関係を描くことで、その関係を描くということが結果的に空気を描くことであって、デッサンに空気が見えて来たら完成という考え方は、ここからきているのですね。

 

どんなものにも宇宙がある。

それを見出すのはあなたの感性です。

のんびり楽しんで下さい^ね^

 

 

 

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筆触法 筆触法(第二週) 筆触法(第三週) 筆触法(第四週) 筆触法(第五週) 筆触法(第六週)

の続きです。初めての方は、最初からお試しくださることをお勧めします。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
遠大なる遠近法 (真鹿子(まかこ))
2017-07-15 15:22:55
のしてんてん様

こんにちは!

哲学の小路
力強い遠近力です^ね^

このまま哲学道をまっしぐら、
円相螺旋循環で、回帰もしていると思いますけれど、

遠近法からは貴重な暗示、
閃きも頂いています♪

2次元平面に、
多次元世界が籠められていると
感じられるのです。

もちろん、
一本の線は一本の線であると同時に、2次元界の面でもあり、
三次元界の立体でもあり、四次元界の四次元形態でもあり、
五次元界の五次元形態でもあり、多次元的に展開されているように、
感じてしまうのですが、


いずれにしましても、
絵画には、人類に天与されていながら、いまだ未開発の感覚を
覚醒に導く、画期的な覚醒力があります^ね^

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

いつものしてんてん心力を有り難うございます☆


今日も熱中症にご注意!そして、
素敵な時をお過ごしくださいませ☆


感謝一念


まかこ  拝




追伸


さっきですけれど、
自分からいきなり、「どアホ」っていわれまして、
びっくり(@_@;)!正確には「Do.A.ho~?」という感じでしたが

でも、私も負けずに、「アホいうもんがアホや」って、
言い返したのですけれど、

よくよく考えますと、どちらも私なのですから、
どちらもアホなのでしょう^ね^;;

ドッペルゲンガー現象ではありませんけれど

今年も激烈太陽、本格的な夏ですね♪
返信する
まかこ様 (のしてんてん)
2017-07-16 08:03:07
--------2次元平面に、
多次元世界が籠められていると
感じられるのです。

もちろん、
一本の線は一本の線であると同時に、2次元界の面でもあり、
三次元界の立体でもあり、四次元界の四次元形態でもあり、
五次元界の五次元形態でもあり、多次元的に展開されているように、
感じてしまうのですが、


いずれにしましても、
絵画には、人類に天与されていながら、いまだ未開発の感覚を
覚醒に導く、画期的な覚醒力があります^ね^----------------

まかこさんの洞察に敬意を払って、そして御礼申し上げます。

筆触法は、私を苦から解放すべき探求から生まれたもので、一個の私的理解にすぎません。

けれどこれをなんとか伝えられないものかと書いておりますが、難しさのあまりめげるときもあります。

そんな時、まかこさんのこの洞察力と想像力にどれだけ助けられている事か、

ありがとうございます。

今日も暑いですが
涼しくお過ごしください^ね^

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