
四角を描いてみる。
あなたは頭の中で何も考えなくても四角は描ける。
ところが、目の前にある四角い食パンを描こうとすると、とたんにあなたは絵が嫌いになる。
何が違うのだろう?
食パンを描こうとすると、あなたはその食パンに支配されてしまう。
パンのやけ具合、複雑なパンの耳、スポンジ状の白い肌。こんなもの描けるはずがない。無理。自分が描いた恥ずかしい絵が眼に浮かぶ。
確かにそれは今のところ事実かもしれない。リアルに描くには技術がいる。
リアルに描くのが絵だと考えてしまうと、あなたは食パン一枚にも支配されてしまう。
けれど、支配されたあなたの心の中には、子供のように自由な感性が閉じ込められている。
大胆に四角を描いて、これは食パンだと言い切ったとき、あなたはその支配から解き放たれる。思い出してごらん。子供のころのあなたはそうだった。絵の根っこはそこにあるのだ。
その根っこを使って、あなたは今、大人の絵を描くことが出来る。技術など必要のない下手な絵かもしれないが、解放されたあなたの線とめぐりあうだろう。
あなたが描いた四角。それはあなたのイメージの中で自由自在に変身する。そこに物語が生まれる。心が膨らむ。絵って面白いでしょ?
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