縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

縄文スタイルでこそ活きてくる鉄石英・・・ヒスイだけが糸魚川の石じゃないぜ。

2015年04月18日 08時05分57秒 | ぬなかわヒスイ工房

姫川で拾ったというチャートを分けて貰った。

一般的に糸魚川産のチャートは、くすんだレンガ色の地に石英脈が入って見栄えしない石だが、頂いたチャートは赤い部分が赤碧玉と言っていい位に綺麗に発色しているし、石英脈もガラスが嵌っているかのように広範囲で透明感がある。

完成したのは、ヘタなヒスイより綺麗に仕上がった石笛・・・赤碧玉っていいのかも・・・そのくらい滅多に拾えない貴重な石。

 

鉱物の名前は、変成度合や構成する結晶によって分類や名前が微妙に変わるので、厳密な鉱物名が何であるのかは私レベルでは解らないが、取敢えず酸化鉄が赤く発色した石英という意味で、鉄石英ということにしておいた・・・文句ある?

 

赤と石英のコントラストが堪らない・・・ウルトラセブンに似てる?透明なガラス(石英)に赤いステンドグラスを嵌め込んだような景色だ。

 

さて、何を作ろうか?

チャートは硬くて割れやすい特性から、縄文時代には黒曜石ほどではないものの、頁岩と並んで矢尻が作られてきた石だ。

糸魚川市の縄文遺跡からもチャート製の矢尻が出土している。

このような硬くてすぐに割れてしまう石で小さい作品、例えば勾玉なんかを作っても、製作途中で割れてしまうリスクがある。

また硬さが違う多種類の結晶が混じっている鉱物は、均一な研磨が出来ずに歪にもなるし、勾玉のような小さくて定形の作品は歪さが目立つのだ。

 

観よ!太陽光だって透けるのだよ。

 

そんな時こそ、ぬなかわヒスイ工房の縄文スタイルの作風が活きてくる。

私が最も得意とする石笛なら、作品自体が大きいので割れるリスクが少なく、歪さも目立たないから助かる。

ブログやフェイスブックでこんな作品を発表すると、すぐに真似する業者が出てくるのだが、人の真似をしない独自の縄文スタイルを創ってきたからこそ作品に成り得るという自負があるのだ。

硬さの違う複数の鉱物結晶が入り混じった石を成形・研磨する技術だっている。

そんな芸当は、高品質で均質なヒスイばかり扱っていると無理だと断言しちゃう!

私が作った石笛を、私の承諾なく自分のサイトでもっと高価に売ったり、デザインをパクっている人もいるが、プロの演奏家から評価して貰える楽器レベルの石笛を作れる人は少ない・・・かな?(笑)。

真似できるもんならどうぞってなもんだ。

第一、こんな石はどこにも売っていないから、苦労して自分で拾ってくるしかないのですよ、普通は・・・。

枯渇寸前なのに安売り合戦が蔓延する糸魚川ヒスイ・・・ヒスイだけが糸魚川の石じゃないぜ!