縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

ぬなかわ姫のお導き(2)

2015年10月02日 08時45分07秒 | ぬなかわヒスイ工房

さて、前回の続きで石笛の手直しでご縁ができた山形の女性が「ぬなかわヒスイ工房」にやって来た。

工房で自宅から出土したヒスイの勾玉などを見せた後に、約束していた稚児ケ池にご案内。

稚児ケ池は奴奈川姫入水の地と伝説のある場所で、ヒスイや糸魚川の歴史に興味を持っている人には必ず案内している。

稚児ケ池の存在は地元の糸魚川の人でも知る人が少なく、杉の植林に囲まれている糸魚川市街を見下ろす低い丘陵地帯にある。

案内看板もないので、誰かに案内して貰わないと辿り着けないような所にある人気の無い場所。

勘でしかないのだけど、人には稚児ケ池は私の自宅のほぼ真裏(真南)の直線距離で2キロ程度の位置と説明していたが、今回は彼女の自家用車のGPSでその事が確実になった。

考古学的には稚児ケ池付近は、奴奈川族の王族の墳墓地帯と推測されており、私の自宅付近も奴奈川族の人口密集地帯であったらしい。

稚児ケ池に到着すると、神主である彼女のご主人が作った御幣を池の端に立て、彼女は祈った後に愛用の龍笛を奏でた。

 龍笛は雅楽の竹笛で、彼女の龍笛は一本の竹を八割にして裏返して組み直してあるという本格的なもの。

よく神社で奏でられている雅楽のスタンダート曲の越天楽(えてんらく)が稚児ケ池に響き渡った。

 

佳い・・・その場にぴったり。

これまで案内した人々は、ギター、石笛、三環鈴など、各自のやり方で思い思いの楽器を奏でて奴奈川姫に礼を尽くした。

各地から奴奈川姫やヒスイに魅せられた人々が私の所に案内を乞うて来るが、最近は奴奈川族の道案内が私に与えられている役割だという気がしてきた。

私は奴奈川族の猿田彦(さるたひこ)なんですよ、と彼女に言うと意味がすぐ通る処も愉快で、古代や神々の話し、お互いの不思議な体験談が弾んで時を忘れたが、本格的に神道の修行をした女性のためか、途中でちょっと不思議な体験もした。

これだけ話題が噛み合うお客さんも珍しいが、ぬなかわネットワークが各地に広がっていく事が愉しい。

因みに猿田彦とは、天津神を道案内した国津神で、解り易くいうと天狗の親分である。

その後、彼女を長者ケ原遺跡やヒスイ峡、親不知を案内したが、「プロのガイドとしてお金を貰えますよ~。お金払っても惜しくないです!と嬉しい事を言ってくれる。

その内にガイド付き民宿でもやるか(笑)