高校の後輩が、お世話になった方への還暦祝いにと勾玉を象嵌した簪を注文してくれた。
木部も自作しているヒスイ勾玉を象嵌したカンザシは、物凄く使いやすいという京都の職人さんが作ったカンザシをベースにしており、残念ながらその職人さんは高齢で仕事を止めてしまい、同じ寸法・形状で作って欲しいと頼まれたのが最初。
奇しくも私もお世話になっている方に還暦祝いを贈る予定だったので、還暦祝いらしいラッピングを工夫。
竹から産まれたかぐや姫をイメージしてみたが、天岩戸開きと同じく再生と死を象徴しているような・・・。
還暦祝いです!と、贈られた方が渡された竹筒から意外な物が出て来て「うわぁ~!」と驚く顔を想像しながら作った愉しい仕事。
残念ながら諸般の事情から引き取りが一月以上遅れてしまい青竹が色褪せてしまったが、極上ヒスイを琅玕 (ろうかん)と呼ぶのは、青竹のような鮮やかな緑、またはそのような貴石という意味の中国語に由来するらしい。
緑色は若々しく旺盛な生命力の象徴、英語で新人をグリーンボーイと言ったりもする。
縄文人もそんな想いをヒスイに感じて尊んだのかも知れない。