勾玉の形や縄文土器の模様にはどんな意味があるのか?と質問されることが多いが、現代人が図像学や記号学を駆使して四の五のと解説しても、縄文人が聴いたら何て感じるのだろう?と考えると、言葉を失ってしまう。
東京都埋蔵文化財センターの縄文土器体験会で、5,000年前の勝坂式土器を作った時に不思議な体験をした。
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初日に8時間かけて器形を完成させて、翌朝からの施文で抽象模様をそっくりそのまま写すことの難しさに唸った。
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特に側面の渦巻模様はどこから描き始めたらいいのだろう?
その晩、変な夢をみた。
おおきな蝶がひらひらと飛んできて、私の周りを舞ったあとに土器側面の抽象模様にピタリと収まって、ああ、オオムラサキだったのか!とごく自然に思った途端に目が覚めた。
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そして抽象模様が物語を持った途端、簡単に施文ができた。
この経験が、ヒトとヒスイの物語りという考え方に発展していく。
その少し前に読んだアイヌ彫刻家の砂澤ビッキさんの著作に「自然を観察すればするほど抽象表現になっていく」とあったことと繋がって以降、図像学や記号学の本は人にあげた。
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縄文に興味を持った人には、考古学以外の本では、感覚的な縄文文化論を書いた岡本太郎や詩人の宗左近の本や、アイヌ文化研究家であり、アイヌ出身で初めて国会議員になった萱野茂の本をおススメしたい。
あとは星野之宣の「ヤマタイカ」や諸星大二郎の「妖怪ハンター」かな(笑)