フォッサマグナミュージアム学芸員の香取拓馬さんの南極の講演会を聴いて、海遊びの仲間として面白いばかりでなく、地球物理学方面の情報発信者、行政マンとしても得難い人材ということを確信した。
4月30日に能生の大洞地区公民館で開催された香取拓馬さんの講演会。寒いのに窓が開けられていたし、裸足のお父さんもいたのは、標高100mを超える大洞だからか?ちなみに私が大洞在住の登山家の青田浩さんに香取さんを紹介したことが切っ掛けで講演会が実現した。
これまでの糸魚川での学術講演といえば、俯いてボソボソ喋る業務報告といった印象で退屈なことが多かったのだが、その点、香取さんは異色だ。まずよく通る声が心地良い。緩急自在にして硬軟おり混ぜた話術も巧みだ。
最も異色なのは業務報告といったノリではなく、南極体験や地質学、鉱物の話を「面白い!」と、聴く者が自然に興味を起こす共感性を持っていることだ。香取さんご自身も共感する人なのだろう。
だから聴衆からの質問が多い。会場が公民館というのも双方向の座談会といった趣があって良かった。文化講演会と銘打った大ホールの講演会だと、質問のある方は挙手をお願いします!マイクをどうぞ!となるので、聴衆は委縮してしまってこうはいかんね。これは情報発信の在り方として優れている。
聴衆に共感してもらえないと、一方通行の情報発信に終わって届かない、響かないのだから。
香取さんは山だけでなく、海から観たジオパーク糸魚川の魅力を発信しようともしている。私も縄文や民俗学的な視点から、遺跡と海から観た糸魚川の魅力を発信してきた。自然と人の歴史が合わさってこそジオパーク糸魚川の魅力。
ケツを持とうではないか。