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長者ヶ原遺跡は「ヒスイ文化誕生の地」なのか?・・・求められる文化情報リテラシー

2021年09月03日 07時41分35秒 | 糸魚川自慢

「世界最古のヒスイ文明発祥のまち糸魚川」なる宣伝文句が商工会関係方面で使われ始めて久しい。

文明と文化は違うし、世界最古のヒスイ出土遺跡もヒスイ加工遺跡も糸魚川では確認されていない。

考古学的にも日本語としても首を傾げる内容でも、キャッチーなコピーで商売繁盛を目指すのは、立場上は仕方ないとは思う。市民として恥ずかしいけどネ。
でもですねぇ・・・長者ヶ原遺跡考古館の前に「ヒスイ文化誕生の地」とのぼり旗を立てていいのかぁ?
「世界最古のヒスイ製敲石」は考古学的には問題ないが、しかしこれは長者ヶ原遺跡の出土品ではなく、10キロほど西の大角地遺跡(おがくちいせき・青海区)の7,000年前の出土品ですわ。
それに道具としてのヒスイの使用が文明といえるのか?これが噂の長者ヶ原遺跡考古館に展示された世界最古のヒスイ敲石(笑)
 
文明というならヒスイ製の装身具や威信材などの実用品ではない「第二の道具」の出現を待たなけりゃならんと思うが、国内最古の装身具は6,000年前の山梨の天神遺跡と富山の小竹貝塚の出土の大珠。残念ながら糸魚川ではない。
 
それらの加工地は不明ながら、4,500年前からヒスイ加工を始めた長者ヶ原遺跡でないことは確かですけどねぇ。
世界最古のヒスイ文明の利器?ヒスイ製敲石のアップ!( ´艸`)
 
実際に昨年の秋に開催された商工会主導の縄文イベント「美山プロジェクト」に参加したマスコミの人が、長者ヶ原遺跡が世界最古のヒスイ加工遺跡と思い込んでいたらしく、私に取材して事実と異なると知ったそうだ。レッツ情報リテラシー!
ヌナカワ姫関連の情報も然りで、「とりあえず来てちょうだい!」というノリのキャッチーな宣伝文句で大風呂敷を広げては、後からボロが出て困ることになる。糸魚川に来てみてもヌナカワ姫と出雲の関係を物語る遺構は一切なく、古代のラブロマンスとは真逆な悲劇の伝説を知ってガッカリしたり、観光のために神話を捏造していいのか!と怒っている人もいますヨ。
 
市民や観光行政レベルでどんなヘンな宣伝しようが、文化行政を担う教育委員会が最後の砦としてクールな情報発信をしてくれると期待していたが、情報を切り張りをして一つにまとめたような情報発信をしていいのかな?
 
知らない人が鵜呑みにするような紛らわしい宣伝文句に危惧を覚えるのはワタシだけなのか?
 
教育委員会が観光交流課化しているように感じるけどナ。
 
長者ヶ原遺跡を活性化したいなら、長野の尖石遺跡や井戸尻遺跡を見習ってはどうだ?とこの10年来言い続けてきた。
 
考古学の文化財保護課を主体にして、企画財政課と観光交流課が協力する体制、なにより市民ボランティアを巻き込むクールで熱い動きをしている。
 
これは信州の人々は伝統的に地域文化を誇りにする土壌があり、何代か前の行政トップが縄文をもっとアピールしろと主導した結果であったようだ。
 
もちろん発火法も、糸魚川のような江戸時代に発明された舞錐式発火法を指導せず、ちゃんと錐揉み式発火法を指導している。
 
何度でも言い続けるが、長者ヶ原遺跡が長野県にあったなら、もっとメジャーになっていると思う。
 
それを可能にするのは、行政の見識とリーダーシップ、そして市民の地元文化への熱烈な愛着が必要なのです。
 
 
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