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大首飾りの作業工程と飾り紐の結び方が判明・・・令和の大首飾り改修プロジェクト

2022年01月27日 07時31分25秒 | ぬなかわヒスイ工房
「令和の大首飾り改修」最後に残った課題が、飾り紐の結び方。
 
実物写真を拡大しても結び方は解読できなかったので、3年前は「本結び」で納品したが、実物は結び目から紐の端が後ろに流れているのに、紐の端が左右に広がり気味になっていて、何かが違うのでは?とずっと気になっていた。
 
そこで今回は「縛りの伝道師」、九州在住の大麻飾り師範の秋田真介さんに相談・・・本当は縛りではなく結びの伝道師(笑)
長者ヶ原遺跡で大麻飾りを結ぶ秋田真介さん。
 
秋田さんは「霞結び」や「横変形こま結び」ではないか?と結びの図版を送ってもらったので、試してみたら「露結び」が実物に近いことが解った。持つべきは佳き友!
他に海方面でつかう結び方の可能性もあったので、結び目が揃う「帆綱結び」「漁師結び」なども木綿紐を使って比較検討すること一両日。
 
繰り返し実物写真を観察しては試行錯誤しているうちに、今まで気が付かなかった①「霞結び」だけのパターン、②「ひと結び」と「霞結び」を組合せたパターンの2種類があることが判明して、確からしさに8割くらいまでの確信を持つに至った。
 
また作業手順にも①は絹糸で首飾りに繋げてから飾り紐を結んでいるグループ、②は飾り紐を結んでから、首飾りに繋げる絹糸を上から縛りつけたグループに分かれていることが解った。それと前回は吸水しない素材のポリエステル製PEラインで首飾りを繋いでいたが、今回は連結用の糸も飾り紐も絹なので水に浸してから結ぶと締まり具合がいい。
 
連結用の絹糸はバラけたままの4~8本の束になっているので乾いたままだと弛んだままの絹糸も出てしまうが、濡らすと纏まってくれるので結びやすく、武四郎さんも同じ工夫をしていたに違いない。
これが②のパターンで、飾り紐をきっちり結んだ上から絹糸で繋ぐことで一体感が出た上に、飾り紐が揃って後方に流れている。
 
②の方がきっちりと結べるだけでなく凛とした印象で、もしかしたら①を仕上げてから後知恵がつき、最後は②になったのではないか?
この写真は上越市から遊びに来た、はらりささんから拝借。彼女は高田の町屋で民泊を経営しながら、青苧の栽培と紐作りをライフワークにする秋田さんのお弟子さんでもある。
 
「松浦武四郎記念館」のリニューアル工事のお陰で、歴史的遺物の「大首飾り」により深く取り組め、製作時の作業手順まで推測できるようになったのは僥倖。頼まれてはいないが、もちろん今回の発見をレポートして提出する所存。
 
とりあえずは重圧から解放され日常にもどれる。が、今までと同じ日々が再開するのではないことは確か。ちょっと大人になりました( ´艸`)
 
 


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