亀ヶ岡様式のペンダントをネフライト(軟玉ヒスイ)で作ってみた。
石質が半透明だと「部分艶消し研磨」のアラが目立ち、手直しに時間がかかり過ぎて売り物にはならず、残念ながら参考品扱い。現状の技術レベルでは、希少なロウカン質のヒスイに使う勇気はない。
ヒスイ業者はどんに凝った作品を作っても「なんだネフライトか・・・」と興味を示さないが、硬玉ヒスイより加工は難しいと思うし、きちんと研磨さえすればへたな硬玉ヒスイよりよほどに綺麗なのに、と悔しい思いをしている。
作品の出来具合より、硬玉ヒスイか否か、あるいは硬玉ヒスイであっても原石の質が評価されているのが現状なのだ。それにしても半透明な石材に線刻した作品の写真撮影は、映り込みや反射があって難しい。負け惜しみのようだけど肉眼だとけっこう綺麗なのです(笑)
このような参考品を工房の目につきやすいところに置いておけば、異分野の来客から問題解決のヒントを貰えることもあれば、売り物にできないという自主基準の作品でも、欲しいと言われれば言い値を聞いて、折り合いのつく値段で売れる時もある。
だからより多くの人が集まる個展は、自分の作品の客観的な評価を知ることもできるのでありがたい。むろん個展の主催者は目の肥えたプロデューサーでもあるので、意匠や値段、展示方法などの客観的な意見を聞ける得難い機会でもある。
いつかヒスイだけが糸魚川の石じゃないぜ、と硬玉ヒスイ製の量産勾玉より高く売れるネフライト作品に仕立てたいものだ。工房は研究室、道場ですな。
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