温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

関温泉 朝日屋

2020年03月04日 | 新潟県
話の流れとしては前回記事から続いています。


2019年秋の登山で妙高山の山頂から下山した私は、麓の燕温泉で白濁湯に浸かった後、妙高市営バス「妙高めぐりん」に乗ってその日の宿泊先である関温泉へと向かいました。


関温泉で今回お世話になったのは朝日屋旅館です。某大手宿泊予約サイトを通じて予約しました。関温泉は上杉謙信の隠し湯として知られており、私も以前立ち寄り入浴で別のお宿をお邪魔しましたが、当地で宿泊するのは今回が初めてです。


室内の写真を撮り忘れてしまいましたが、この日私が宛がわれたお部屋は、窓から関温泉スキー場を一望できる3階の「大倉」というお部屋。館内にエレベータは無く階段のみなので、下山後の疲労した体に3階層への上り下りは少々つらく、また建物も年季が入っていますが、全館綺麗に維持されており、8畳の和室にはテレビや冷蔵庫、そしてトイレや洗面台が備え付けられていますから、登山の疲れを癒しつつ便利に過ごすことができました。なお暖房はありますが冷房は見当たりませんでした。高地なので夏でも必要ないのでしょうか。また禁煙設定は無いようですが、行き届いた清掃のおかげか臭いなどは全く気になりませんでした。その一方、備え付けのアメニティが少なく、浴衣とタオルそして歯ブラシだけでしたので、こちらで宿泊の際は必要に応じて持参することが求められるかと思います。

 
お食事は夕食・朝食ともに1階の食堂でいただきます。
上2枚の画像は夕食。山の幸はもちろんのこと、日本海の幸も提供されました。具体的には、トマトの冷製前菜(写真なし)、豚と空芯菜の陶板炒め、ぶりや甘エビのおつくり、かながしらの塩焼き、サザエのつぼ焼き(身は切れており、大葉が中に入っていました)、天ぷらなど・・・。山海の恵みに舌鼓を打ち、お米も美味しく、気づけばお腹がはち切れんばかり。


こちらは朝食。日本の温泉旅館らしい、胃にやさしい献立でした。


さて、肝心のお風呂へ向かいましょう。浴場は1階の渡り廊下を進んだ先にあります。渡り廊下からは新築建材の匂いが漂っており、脱衣室も無機質ながら小ざっぱりして綺麗でしたので、おそらく浴場とその接続部分だけ建て直したのでしょう。


浴室は暖色系で落ち着いた雰囲気ながら、窓から外光が差し込むため、程よい明るさが保たれています。また比較的新しい上にお手入れが行き届いているため、全体的に綺麗で気持ち良く入浴できます。お風呂が綺麗なお宿は印象がものすごく良いものですよね。


洗い場は室内左右に分かれており、シャワー付き混合水栓が計4個設置されています。



内湯の浴槽は3人サイズでしょうか。想定外のコンパクトさに少々たじろぎましたが、これはおそらく限られた湯量(配分)に見合ったつくりなのかもしれません。温泉は四角い湯口からトポトポと投入されており、静かに浴槽を満たしています。そのお湯は赤みを帯び、底には銅色の湯の花が沈殿しています。ご近所の燕温泉は白濁湯でしたが、そこからちょっと下ったこの関温泉ではお湯が赤く濁っているんです。私が湯船に入ると沈殿していた湯の花がボワっと舞い上がりましたが、でも濁りを長い時間維持できるほどではなく、しばらく経つと再び沈殿してお湯の再び透明度の高いに戻りました。なお湯加減は42℃くらいでしょうか。加温加水循環消毒が一切ない完全掛け流しです。人の手を加えることなく絶妙な湯加減に保たれているのですから、これぞまさに自然の恵み、名湯たる所以でしょう。



こちらのお宿には小さいながら露天風呂もあるんですね。全体的な広さは1.5坪程度でしょうか。裏手のスキー場に面していますが、高い塀で目隠しされているため、景色を眺めることはできません。でも山の清らかな空気を直に感じながら湯あみを楽しむことができます。
露天風呂には専用の湯口があるわけではなく、内湯のお湯がこちらへ流れ込んでくる構造になっています。内湯の下流ですから、お湯の温度はぬるめの長湯仕様。湯の花がたっぷり沈殿しています。

お湯の画像をご覧になって容易に想像できるかと思いますが、お湯からは鉄錆の味と匂いが感じられるほか、ほろ苦み、ほのかな甘味、そして芒硝っぽさも感じ取ることができました。湯船に浸かると引っ掛かる浴感が得られます。お湯はおそらく各旅館で共同管理しているものを引いているかと推測されますが、加水加温循環消毒のない完全掛け流しの湯使いであり、湯船も投入量に見合ったサイズなので、良いコンディションのお湯にじっくり浸かることができ、宿泊中は部屋とお風呂を何度も往復してしまいました。上杉謙信が隠しておきたくなる気持ちもちょっと理解できました。


ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉
48.6℃ pH6.4 510L/min(掘削自噴) 溶存物質2070.0mg/kg 成分総計2389.4mg/kg
Na+:472.3mg(65.47mval%), Mg++:35.0mg, Ca++:115.4mg(18.35mval%), Fe++:1.4mg,
Cl-:728.5mg(75.88mval%), Br-:5.7mg, I-:2.4mg, HCO3-:389.2mg(23.55mval%),
H2SiO3:220.4mg, HBO2:35mg, CO2:319.4mg,
(平成26年10月22日)
加温加水循環消毒なし

新潟県妙高市関山6087-17
0255-82-3139
ホームページ

日帰り入浴時間は施設へお問い合わせください
500円
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★


コメント (2)
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