2018年5月12日(土)、花巻市の「宮沢賢治童話村」に立ち寄りました。大駐車場のトイレの裏側の
土手に生えているアオダモと思われる樹木が、枝いっぱいに付けた円錐花序に白色で小さな花をびっ
しりと咲かせていました。品種は確かではないので、マルバアオダモかもしれません。
アオダモ モクセイ科 トネリコ属 Fraxinus lanuginosa Koidz. f.serrata(Nakai)Murata
特徴:山地に生える雌雄別株の落葉小高木。幹は直立し、枝は上部で良く分かれる。高さ8~12m、胸高
直径20~30㎝になる。葉は対生し、5~7枚の小葉をもつ奇数羽状複葉。小葉は長卵形で先は尖り、縁に
は明らかな鋸歯がある。花は5~6月、新しく伸びた枝先に付く円錐状の花序に多数咲く。花弁は白色、線
形で4枚。
類似のマルバアオダモ(丸葉アオダモ)は小葉の縁が滑らかで、波状になり、若い時、枝や葉柄に毛が
ある。枝を切って水につけると、水が青色に変わるため、「アオダモ」と名付けられたという。タモはト
ネリコのことである。分布:北海道、本州、四国、九州。岩手県では山地のブナ林内に普通に見られる。
マルバアオダモ モクセイ科 トネリコ属 Fraxinus sieboldiana Blume
別名:ホソバアオダモ。特徴:山地に生育する雌雄別株の落葉小高木。幹は直立し、よく枝分かれして高さ8~12mになる。枝は
細く灰褐色で、初めは時に開出する微細毛がある。葉は対生し、5~7枚の小葉からなる羽状複葉で、柄と
もに10~15㎝ある。葉柄には若い時、毛がある。小葉は狭卵形または広卵形で長さ5~10㎝、縁には鋸
歯があるか、やや全縁である。花は白色で小さく、5月に今年枝の先または葉腋から伸びる円錐花序に多数
付く。花冠は細長い4枚の花弁からなっている。果実は翼果で、上方は翅(はね)になっている。
分布:北海道、本州、四国、九州。岩手県では丘陵地のコナラ・クリ林やアカマツ林内に普通で、尾根筋
の土壌が乾燥しやすい場所に多い。[岩手日報社発行「岩手の樹木百科」より]