WIND AND SOUND

日々雑感 季節の風と音… by TAKAMI

うかい竹亭

2005-08-13 | 美味礼讃
いつかこのお店のことを書こうと思っていました。
高尾山麓の懐石料理屋。うかい竹亭
全ジャンルの飲食処のなかで、私の中でNo.1に輝くのはココ!!

大学卒業した年に、先輩講師の先生たちに連れていってもらって以来、来なかった年はたぶんないし、バブリーな頃は年に何度か、季節を楽しみに訪れました。
何度来ても、いつも幸せな気分になれる~~~!

今日は夏の献立。
お部屋は「蕪村」。その名にふさわしい、ちょっと小さめの、景観も、自然のせせらぎを生かしたシブめの個室。
部屋によって、鯉の泳ぐ池のほとりだったり、竹の庭が見渡せたり、毎回違う雰囲気を楽しめるのです。

そして、本日の晩夏の料理。

まずはコースが始まる前に、「お暑い中をようこそ、まずは冷たいものでも…」
って出てくるのが、きらきらしたグラスに入った超ほっそぉぉ~~い素麺。茗荷の香りとかつおだしが絶妙。
もぉ~これだけで、これから始まる宴に胸がときめくってもんです。

そして、冷たい生ビールとともに「ウニ、アワビ、車海老のゼリー寄せ」
美しすぎて食べるのがもったいない!
口に運ぶと、こんどは、ゼリーのだしが美味しくて、飲みこむのがもったいない(^_^;)
もったいなくて、ついつい、ちびちび食べる貧乏人根性(-_-;)
そして、さらなる料理は題して

「朝顔につるべ取られてもらい水」(加賀千代)
この句を表現した前八寸。大きな水盤に氷を敷き詰めて、そのまん中に井戸をあしらい、朝顔の蕾を飾って、その周りに、小さな切子硝子や、ほおずきに品よく盛られた
3人分のうるかやぶとう豆。これらを、てきぱきと上手に懐紙を使いながら、銘々皿に取り分けてくれるのは、まだ20代半ばっぽい若いおねーさん…
フレンチとか、結婚披露宴のときに、大皿からスプーンとフォークで取り分けてくれるアレも手際よくてすごいな~と思うけど、おねーさんの手元、とってもきれいで、見とれてしまう…
ここで「おおおぉぉ~~」と3人は歓声をあげるわけですが、、、
このあとも宴は続き、次々と感動の料理が運ばれてくるのです。

しかし、いつしか酔いが訪れ、話は盛り上がり、料理は傍役となっていく。
コレがね、いいと思うのよ~~~
いつまでも料理にとらわれて、料理が主役の会合?なんて、ヘン!
どんなに料理が美味しくても、お部屋からの景色が美しくても、それらはしずしずと、ワキに回っていくのです。
あくまでも「語らい」そのものが主役。
鱧なんか、も~、おくゆかしくさりげなく、超傍役って感じで出てくるし。

冷たい夏野菜の焚き合わせの後には、部屋中がイッキに香りに包まれる鮎の笹焼き。
ひんやりとした茄子の歯ごたえも、苦酸っぱい蓼酢と相性最高の柔らかい鮎も、ちゃんと覚えていますとも!

そして、何も出しゃばらず、何も損ねず、満足感ひたひたでコースがおわる。

これで、2万円…とかだったら、私、ダメです。
「うかい竹亭」は、自分の収入の範囲で、自力で飲んで食べて語らってくつろげる最高のお店なのです。

ちなみに、「雪月花」の「雪」(上中下の上ってことです)をオーダーして、飲んべーTAKAMIが心ゆくまで飲んで約3時間半をゆるゆる過ごす予算は¥15000です。私ほど飲まなければもっと安いです(^_^;) コストパフォーマンスとしては、めっちゃイケてると思います。
値段って重要ですからね!
Comments (10)
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