先日の夜、Takと話の流れで、保育園時代の絵本を引っぱりだして読むハメになりました。
(どんな流れだかは忘れた)
中学進学にあたって、殆どのものは捨てたり、絵本はお友達にあげたりしたけど、お気に入りの絵本20冊ぐらい取ってあります。
中でもTakがいちばん好きなのが「かめさんバス」。
好き…というより、かわいそうで泣けるんだって。
物語はこのように始まります。
ここで、Takはもうダメなのです。目が真っ赤。
せっかくバスになろうと思ったのに、周囲の生き物たちが、みんなかめさんをバカにしながら通り過ぎていくところが、かわいそうで、
しかも、このかめさんの目や口もとの表情が切なくてやりきれないのだと。
なるほどぉぉ~~
絵もかなり深く読み込んでいます。
でも、この物語は、このあと、ハッピーエンドに向かって展開していくんだよ。
かたつむりの親子が来て、「ちょうどよかった~ 乗せて~~」と…
かめさんは、一生懸命歯を食いしばって、坂道を登ります。
背中の上で、「がんばって!」とかたつむりファミリーが応援します。
そして、このあと、「あしたも、のせてね」といって、ファミリーは降りていき、
かめさんはひとりでにっこりしながら歩いていきます。
なので、はあとウォーミングなストーリーであって、哀しいとかかわいそうとかって私は思わなかったんだがなあ…
これで泣く子はあまりいないと思う。
しかし、TakはTakの感性で、このかめさんが「かわいそう」なのだ。
すごく優しくていい
「かわいそう」な登場人物、私も、子供の頃、いろいろ出会ったっけな。
特に「おじいさん」が多かったような気がするなあ。
なんといっても筆頭は「ピノッキオ」のジェッペットじいさん。
せっかく木で作って愛情こめて育てようとしたピノッキオがいたずらっ子で、学校にも行かず家出して、
そのピノッキオを探しに海へ小舟で漕ぎ出してサメに呑まれるなんて、かわいそうすぎる。
私は、ピノッキオを母に毎日少しずつ寝る前に読み聞かせしてもらったのですが、
ずっとピノッキオが好きになれず、ジェッペットじいさんがかわいそうでたまりませんでした。
最後にいい子になったからまあ、許すけど…ってな感じだよ(^_^;)
それから、浜田ひろすけ氏の、「いちばんいいおくりもの」に出てくる、ホームレス?の親子。
このお話は、あまり知られていないかもしれません。
私も、ストーリーうろ覚えで、無責任なことは書けないのですが、
ものすごく貧しいけれど、肩を寄せ合って仲良く生きている父と息子のところに、サンタクロースがやってくる… というのだったような、、
「ごんぎつね」も哀しくてかわいそうです。
子供の頃は、あまり感慨をもって読まなかったけど、「ごんぎつね」に似た少年がいろいろいるのです、、、
年齢関係なく。
「あれはオレだ…」と何人かの男子から同じことを聞きました。
それからなんだか、悪戯が過ぎで、病気の人を死なせてしまうなんてユルセン!とまずは思っていた「ごん」のことも、見る目が違ってきたかな…
子供の頃読んだ絵本や童話は、それで終わりではなく、読んだ人の成長とともに一緒についてきてくれるものなんだな…
それも、親とか、大人の思惑とは全く違うところで、絵本は、子供の心に棲みついて、一緒に成長しているのだなあ、、、