紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

パリ・ドイツの旅・11

2008-07-12 07:03:15 | 5・旅の日記
■フルトバンゲン目ざして

トリベルグでの一夜が明けた。昨日のできごとは、まるで夢の中のことのようである。夢というより、悪夢か?
でも、そんなことはすぐに忘れる。その日は、夢にまでみたフルトバンゲンに行く日なのである。

フルトバンゲンにあるドイツ最大の時計博物館のことを知ったのはいつだったか?
200年も動く時計とか、その間、一度もねじを巻かなくても動き続ける時計とか、時計のことを調べるたびに、ぜひ、大昔の時計を集めてあるその博物館に行きたくてたまらなくなった。
まだこの旅行が実行に移せるかどうかわからない頃から、そんな時計のことが書いてあるホームページやブログを訪れるようになった。

そして、だいぶ前に、ふとしたことでたどり着いたシュバルツバルトさんのブログ
「シュバルツバルトな毎日」
シュバルツバルトさんは、ドイツの時計学校を卒業して、時計マイスターとしてドイツで時計をつくっている方なのである。旅のことが決まった頃、初めてコメントを書かせて頂いた。

シュバルツバルトさんが時計学校で学んでいた頃、住んでいたのが、そのフルトバンゲンの町。
列車は止まらず、私たちが泊まったトリベルグから、一日に何本も出ていないバスで行くことができる。でも、それだと、行動が制約されるので、レンタカーを借りて行くことにしたのだ。

トリベルグから車でわずか12km。その12km行くのに、なんと半日もかかってしまった。(苦笑)


トリベルグの町。ここは、列車も止まるので、けっこう大きな町である。



ホテルの向かい側あたりでトントン。




「そこから、フルトバンゲンまでは1本道だから迷いようがない。」
といったのは、カーナビの私なのだった。ところが、あっという間に、違った道を行き、しばらくして、フルトバンゲンへ行く道は、ホテルの前の道だったということがわかった。なんだ。簡単だったのね。

そして、また泊まっているホテルの前までもどってきた。
そこからは、ずんずん進んで行く。

前日は道を見つけるのに必死で気づかなかったが、ドライバー・トントンは、左ハンドル、右側通行に慣れないため。気づくと、右寄りに走ってしまう。
これは、左側通行で慣れている人は、たいてい最初はそのような運転になる。
しかも、進んで行く道はせまい。

右に駐車している車。前からやってきてすれ違う車。
あっと思う間もなく、カツンと音がして、右サイドミラーが何かに当たって、首がはずれてしまった。
最初に思ったのは、あ~どうしよう。あのオッフェンブルグのドイツ語しか話せないお店の人に、なんと言って説明したらいいだろうか。

でも、ミラーを見ると、なんだかくっつけられそう。ガムテープでもあれば、何とかなるんじゃないの。
しかも、トントンは、首がぶらぶらのミラーなのに、何かはつながっているからだいじょうぶじゃないという。

そんなこんなで、車の外で、ミラーをいじっていたら、すぐ前の家のおじさんが出てきて、見てくれた。
これはうまくつけられない。でも、工具があれば、だいじょうぶだろうという。それで、近くのガソリンスタンドを教えてもらった。

ぶらぶらのサイドミラー。笑うしかないトントン。助手席の私が、その首を押さえたまま、ガソリンスタンドに行こうとしている。




ガソリンスタンドにいったら、車の修理はしていない、とそこのおじさんがいった。
でも、なんとか見て下さい。とお願いした。
そうしたら、なおせそうだと思ったらしく、工具をもってきてくれて、なおしてくれた。
修理代もただだったので、とてもありがたくて、ガソリンを入れることにした。セルフのガソリンの入れ方を知らないので、ついでに教えてもらう。




あ~やれやれ、やっと車は元どおり。
そして、フルトバンゲン目ざして、再び進んでいった。


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11 コメント

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ずんずん (久我山散人)
2008-07-12 11:43:25
 >そこからは、ずんずん進んで行く。

というのは紅蓮さんの文体だな~とうれしくなりました。でも、ずんずん進んで行かないじゃない~
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お願い! (久我山散人)
2008-07-12 11:46:16
お願い、トントン様、真ん中走って~~
冒険は続く?
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散人さんへ (紅蓮)
2008-07-12 12:18:45
そうなのよ。全然ずんずん進んでいかないのよ。これからまだまだずんずん進まないんだから。
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z・z・z・・・ (トントン)
2008-07-12 13:36:02
ア~、これはほんとに一番の大失敗、結局無事におさまったから良かったものの、最初は壊れたかと思った。停止灯をつけて止まった時にミラーのうえが点滅していたので電気系統は大丈夫、生きてる!!と思い、後は接続部分が折れていないか見たら大丈夫だったので、はめれば、すぐになおると思ったのだけど。最初に出ていた金具が閉じていてはまらない、それが外れなかったのが大変だった。たぶん紅蓮さんが四苦八苦してくれている時に閉じちゃったのだよね。お騒がせしました。左ハンドルの感覚がまだなれていなくて・・・
いつの間にか、観光旅行が冒険旅行と書かれている!!
そして、紅蓮さんは横でズンズン進むようにナビしてくれるはずが、後は一本道といって・・・Z・Z・Z・・・の世界に行くようになって・・・一本道のはずが・・二本に!!どっちーー?と聞けば・・まっすぐーー・・信じ込んでいる。でも間違え!!
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トントンへ (紅蓮)
2008-07-12 22:17:41
私は前日、あんなにぐるぐる迷ったというのに、次の日、トントン運転の車で寝たのだっけ!!!! ビックリ。
忘れていた。寝させてくれるトントンも大したもんだよ~。

この日も、かなり迷ったわけですけど、カーナビがいい加減ということに、トントンはこの日ついに気づいてしまったわけです。 
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冒険旅行? (さと)
2008-07-12 23:52:54
いやぁ道に迷っただけかと思うとミラーが壊れた?
私だったらパニくるなぁ(笑)
お二人さん、どっしり落ち着いています、凄いわぁ~
ホントに冒険旅行になっちゃった感じだけど、この日だけだったんでしょう。すぐに慣れてね。
あぁ尊敬しちゃう。
一つ一つがでもとっても楽しそう~
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紅蓮さんへ (なおこ)
2008-07-13 05:00:19
ハプニング続きでドキドキはらはら。
まるで紅蓮さんの本を読んでるみたい。

連絡が無かったから全て無事順調にいっているものだとばかり思っていたのに!!
ひとの失敗を笑うのは失礼だけど、こんなに楽しいのなら、私も一緒について行けばよかった。
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さとさんへ (紅蓮)
2008-07-13 12:38:04
言葉がわからないと、もうそれだけで冒険。たったの12kmなのに、着かない、着かない。どれほど時間がかかったことか・・。
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なおこさんへ (紅蓮)
2008-07-13 12:40:32
毎日、連絡する時間がないほど、あたふたとした旅でした。
でも、最後は、もうほんとうにダメだった時は、なおこさんに連絡して通訳してもらおうという切り札があったので(勝手に・・)、できるところまでは自分たちの力でと思ってました。
その時は必死だけど、今思うと、トントンと話してはまた笑い転げてしまいます。
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いや~ (トントン)
2008-07-13 17:03:14
寝ていて良かったのは事件前まで・・その後は右側を「見てて、見てて!」だったよ。
でもやっぱり今考えると二人とも、会話が変だった。私も、出てきてくれたおじさんも、問題ないと思っているのにいるのに、あなたはガムテープを持ってきてないというし・・そう思いながら、私はバンドエイドならあるなんて答えている。やっぱりガソリンスタンドで、一息ついて落ち着けたのだよね。


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