◇ 成長維持と貿易摩擦の相反 = 中国税関総署が発表した16年の貿易統計によると、輸出は2兆0974億ドルで前年より7.7%減少した。一方、輸入は1兆5874億ドルで5.5%の減少だった。この結果、貿易収支は5099億ドルの黒字。前年より14%も縮小した。輸出はアメリカ、EU、日本向けがすべて減少している。
人民元の平均レートは、前年より6.6%下落している。にもかかわらず、輸出は減少した。その主たる理由は、地価と人件費の高騰。つまり加工貿易を中軸としている中国の製造コストが上昇、競争力が低下した結果だとみられている。これは中国にとっては、由々しき一大事だ。今週20日に発表される予定の16年のGDP速報に、どう反映されるのだろうか。
最大の輸出相手国は、いぜんとしてアメリカである。アメリカ向けの輸出も5.9%減少したが、それでも収支は2507億ドルの黒字。全体の黒字の約半分をアメリカとの取り引きで生み出している。こうした状況下でGDP成長率の低下を阻止するために、たとえば元レートをさらに切り下げるような政策をとれば、アメリカのトランプ新政権との間で強烈な貿易摩擦が発生することは避けられそうにない。
事前の民間予測によると、16年のGDP成長率は6.7%となる見込み。輸出の減退を政府の財政支出増で補ったことで、成長率をなんとか維持した形になりそうだという。だが、これ以上の財政出動は、不動産バブルを助長する結果になりかねない。と言って輸出に頼ると、アメリカの報復が待ち構えている。中国経済は厳しい難所にさしかかった。
≪18日の日経平均 = 上げ +80.84円≫
≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
人民元の平均レートは、前年より6.6%下落している。にもかかわらず、輸出は減少した。その主たる理由は、地価と人件費の高騰。つまり加工貿易を中軸としている中国の製造コストが上昇、競争力が低下した結果だとみられている。これは中国にとっては、由々しき一大事だ。今週20日に発表される予定の16年のGDP速報に、どう反映されるのだろうか。
最大の輸出相手国は、いぜんとしてアメリカである。アメリカ向けの輸出も5.9%減少したが、それでも収支は2507億ドルの黒字。全体の黒字の約半分をアメリカとの取り引きで生み出している。こうした状況下でGDP成長率の低下を阻止するために、たとえば元レートをさらに切り下げるような政策をとれば、アメリカのトランプ新政権との間で強烈な貿易摩擦が発生することは避けられそうにない。
事前の民間予測によると、16年のGDP成長率は6.7%となる見込み。輸出の減退を政府の財政支出増で補ったことで、成長率をなんとか維持した形になりそうだという。だが、これ以上の財政出動は、不動産バブルを助長する結果になりかねない。と言って輸出に頼ると、アメリカの報復が待ち構えている。中国経済は厳しい難所にさしかかった。
≪18日の日経平均 = 上げ +80.84円≫
≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ≫