経済なんでも研究会

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トランプ新大統領の執念 (下)

2017-01-25 08:08:42 | 株価
◇ 微妙な金融政策との調和 = 企業の生産コストを上げても、雇用の増大を図る。たとえ法人税を軽減したとしても、この考え方は労働者寄りだ。どちらかというと、民主党の理念に近い。そこが従来の共和党とは違うと、トランプ氏は言いたいのかもしれない。だが労働者寄りなのに、なぜ健康保険の普及を目指したオバマ・ケアに反対なのか。よく判らない。

トランプ氏は反対の理由を説明していない。財政負担が重すぎると考えているようでもある。だが理由がはっきりしないため、オバマ氏の遺産つぶしと受け取る人が多く、トランプ氏は明らかに印象を悪くしている。なぜ反対理由を明確にしなかったのかは不明だが、間もなく健康保険に関する対案を公開する予定なので、はっきりするかもしれない。

雇用を増やすために、国内の石油・石炭・シェールの増産を支援する。これらのエネルギー開発は、大気や水を汚染しやすい。このためオバマ政権は、採掘に厳しい規制をかけてきた。それをトランプ大統領は「大幅に緩和する」方針だ。その裏には「地球温暖化は排出ガスとは無関係」という強い思い込みがある。温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」から離脱する可能性も、決して小さくはない。

いちばん不透明なのは、金融政策との関係である。仮にトランプ氏の思惑通りアメリカの成長率が3-4%まで上昇すれば、インフレの心配が増大する。FRBは金利の引き上げを促進することになり、ドルの為替相場はいっそう上昇しかねない。その場合、トランプ政権はFRBの金融政策にまで口出しするのか。それとも一転して財政支出を絞るのか。この点に関する基本的な考え方は、まだ何も表明されていない。

      ≪24日の日経平均 = 下げ -103.04円≫

      ≪25日の日経平均は? 予想 = 上げ


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