◇ 鬼の居ぬ間に洗濯中 = ニューヨーク市場の株価は、実体経済の強さにも支えられている。アメリカの景気上昇は、この2月で92か月目。戦後最長の記録を更新中だ。農業を除く雇用者の増加は75か月も続き、所得が伸びているために消費も堅調だ。全米小売業協会の集計によると、11-12月の年末商戦は前年比4.0%の増加だった。設備投資や住宅投資も、底堅い動きをみせている。
企業の業績も堅調に推移している。トムソン・ロイター社の主要500社調査によると、10-12月期の純利益は前年比5.7%の増益だった。金利の上昇と規制緩和期待から、金融業は15%の増益。長らく不振に苦しんでいたエネルギー産業は、原油価格の回復とやはり規制緩和への期待から2年ぶりの増益に転換した。
こうした景気の拡大と企業業績の好調が根底にあるため、市場では株価が2万ドル台に乗せても過熱感がそれほどない。当面は利益確定売りに押される場面もあるだろうが、基調的には強さを維持している。ただ先行きを眺めれば、やはりトランプ政策の副作用が現れる心配は十分にあるだろう。たとえばドル高による輸出への悪影響などは、すでに表面化しつつある。
ドル高や金利上昇がアメリカ経済に及ぼす悪影響は、いずれ必ず出てくる。トランプ政権による保護主義の副作用も、アメリカ経済に跳ね返ってくる恐れが十分にあるだろう。だが、それが顕在化するまでには時間がかかる。それまでは好調な実体経済と企業業績のおかげで、株価はまだ上げる余地を残している。投資家の心境は「鬼の居ぬ間に洗濯をしてしまおう」というところではないか。次の問題は、いつまで洗濯できるかである。
≪31日の日経平均 = 下げ -327.51円≫
≪1日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
企業の業績も堅調に推移している。トムソン・ロイター社の主要500社調査によると、10-12月期の純利益は前年比5.7%の増益だった。金利の上昇と規制緩和期待から、金融業は15%の増益。長らく不振に苦しんでいたエネルギー産業は、原油価格の回復とやはり規制緩和への期待から2年ぶりの増益に転換した。
こうした景気の拡大と企業業績の好調が根底にあるため、市場では株価が2万ドル台に乗せても過熱感がそれほどない。当面は利益確定売りに押される場面もあるだろうが、基調的には強さを維持している。ただ先行きを眺めれば、やはりトランプ政策の副作用が現れる心配は十分にあるだろう。たとえばドル高による輸出への悪影響などは、すでに表面化しつつある。
ドル高や金利上昇がアメリカ経済に及ぼす悪影響は、いずれ必ず出てくる。トランプ政権による保護主義の副作用も、アメリカ経済に跳ね返ってくる恐れが十分にあるだろう。だが、それが顕在化するまでには時間がかかる。それまでは好調な実体経済と企業業績のおかげで、株価はまだ上げる余地を残している。投資家の心境は「鬼の居ぬ間に洗濯をしてしまおう」というところではないか。次の問題は、いつまで洗濯できるかである。
≪31日の日経平均 = 下げ -327.51円≫
≪1日の日経平均は? 予想 = 下げ≫