◇ とばっちりで進んだ円高 = アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備理事会)が、いま大問題に直面して頭を悩ませている。大問題というのは、トランプ政権との対立関係を覚悟しても、金利の引き上げ政策を貫き通すかどうかの判断。先週1日に開いたFOMC(公開市場委員会)では、どうやら結論を出せなかったようだ。この空気を察知し、為替市場ではドル安・円高が進行。東京市場の株価は大幅安となった。
FOMC後に発表された声明では「雇用は堅調に推移」「消費者や企業の景況感は改善」「経済活動は緩やかに拡大」など、アメリカ経済の強さが強調された。普通なら「したがってFRBとしては、慎重に利上げのチャンスを窺う方針」といった文言が続くはずである。現に前回12月の声明では「17年は3回程度の利上げが適当だ」と、具体的に踏み込んでいた。それが今回は利上げの見通しに全く触れていない。
アメリカ経済は、緩やかな拡大を続けている。そこへトランプ政権のインフラ投資・減税・規制緩和が加われば、景気上昇のスピードは増すに違いない。完全雇用に近い状態で景気がさらに上向くと、物価の上昇も加速する。FRBとしては、現在の利上げテンポを速めてもインフレ予防に動きたい。だが利上げは、トランプ大統領の経済拡大路線と真っ向からぶつかることになる。
また利上げはドル資金の還流を促し、いっそうのドル高を招く。するとアメリカの輸出をさらに抑制することにもなりかねない。では利上げを見送って、インフレを容認するのか。金融政策の決定機関であるFOMCは、この大問題に結論を出せず先送りしたようだ。しかし次回のFOMCが開かれる3月には、結論を迫られることになるだろう。
≪6日の日経平均 = 上げ +58.51円≫
≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
FOMC後に発表された声明では「雇用は堅調に推移」「消費者や企業の景況感は改善」「経済活動は緩やかに拡大」など、アメリカ経済の強さが強調された。普通なら「したがってFRBとしては、慎重に利上げのチャンスを窺う方針」といった文言が続くはずである。現に前回12月の声明では「17年は3回程度の利上げが適当だ」と、具体的に踏み込んでいた。それが今回は利上げの見通しに全く触れていない。
アメリカ経済は、緩やかな拡大を続けている。そこへトランプ政権のインフラ投資・減税・規制緩和が加われば、景気上昇のスピードは増すに違いない。完全雇用に近い状態で景気がさらに上向くと、物価の上昇も加速する。FRBとしては、現在の利上げテンポを速めてもインフレ予防に動きたい。だが利上げは、トランプ大統領の経済拡大路線と真っ向からぶつかることになる。
また利上げはドル資金の還流を促し、いっそうのドル高を招く。するとアメリカの輸出をさらに抑制することにもなりかねない。では利上げを見送って、インフレを容認するのか。金融政策の決定機関であるFOMCは、この大問題に結論を出せず先送りしたようだ。しかし次回のFOMCが開かれる3月には、結論を迫られることになるだろう。
≪6日の日経平均 = 上げ +58.51円≫
≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ≫