◇ 政府の見通しはかなり楽観的 = 消費税が引き上げられたあと、景気はどうなるのだろうか。前回14年4月の増税後、景気は長らく停滞した。こんどは大丈夫なのか。前回は3%、今回は2%の引き上げだから、影響は3分の2に減るはずだ。また政府は前回の失敗に懲りて、軽減税率の導入やポイント還元制度など影響を緩和する方策をとっている。ただし米中経済戦争など、日本経済を取り巻く環境は当時に比べると極端に悪化した。
内閣府が発表した年央経済見通しによると、19年度の実質成長率は0.9%、20年度は1.2%となっている。やはり消費増税の影響で、19年度の下期はかなり減速するとみているようだ。しかし、その落ち込み方は意外に小さい。これは増税前の駆け込み需要が大きくなく、したがって増税後の反動減も小さいという判断に基づいているらしい。
もっとも、政府としては「増税後の反動減が大きく、景気は悪化する」とは、口が裂けても言えない。そう言えば、追加の景気対策が必要だということになってしまうからである。たしかに前回に比べれば駆け込み需要も少ないから、消費税の影響に限ってみれば景気の落ち込み方は鈍いかもしれない。
ところが米中経済戦争の影響もあって、世界経済は明らかに悪化し始めている。輸出は減少し、製造業の業績は下向きになった。消費者の態度指数も、過去10か月連続で低下している。しかもオリンピック需要も、すでにピークを超えた。こうした経済的環境の悪化を、政府の予測では軽視しすぎているのではないか。増税によって、19年度下期の成長率がマイナスに落ち込むとみる方が正解なのではないか。
≪23日の日経平均 = 上げ +82.90円≫
【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】
内閣府が発表した年央経済見通しによると、19年度の実質成長率は0.9%、20年度は1.2%となっている。やはり消費増税の影響で、19年度の下期はかなり減速するとみているようだ。しかし、その落ち込み方は意外に小さい。これは増税前の駆け込み需要が大きくなく、したがって増税後の反動減も小さいという判断に基づいているらしい。
もっとも、政府としては「増税後の反動減が大きく、景気は悪化する」とは、口が裂けても言えない。そう言えば、追加の景気対策が必要だということになってしまうからである。たしかに前回に比べれば駆け込み需要も少ないから、消費税の影響に限ってみれば景気の落ち込み方は鈍いかもしれない。
ところが米中経済戦争の影響もあって、世界経済は明らかに悪化し始めている。輸出は減少し、製造業の業績は下向きになった。消費者の態度指数も、過去10か月連続で低下している。しかもオリンピック需要も、すでにピークを超えた。こうした経済的環境の悪化を、政府の予測では軽視しすぎているのではないか。増税によって、19年度下期の成長率がマイナスに落ち込むとみる方が正解なのではないか。
≪23日の日経平均 = 上げ +82.90円≫
【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】