◇ “ゼロ成長”説も現われる = 政治の混乱は、経済にも悪影響を及ぼす。たとえば景気対策。中国のGDP成長率は米中経済戦争の影響もあって、昨年下半期には6.0%まで低下した。この水準は、習政権が公約した目標の下限。しかしコロナ肺炎の蔓延で生産や流通に支障が生じたため、この1-3月期は4%前後にまで低下するとみられている。さらに疫病の流行が長引けば、20年の成長率はゼロに近づくという観測さえ現われた。
中国政府としては、強力な景気対策の必要性を感じているはずだ。ところが中国の場合、財政支出の大半は中央政府の命令を受けた地方政府が実行する。だが地方政府の多くは、いま肺炎対策で手いっぱい。地方債を発行したり、新しい公共事業を推進する余力がない。その結果、景気対策の実施は遅れてしまう。
また中国はアメリカとの経済協議で、第1段階の合意を取り付けた。さる14日には、両国が関税の一部を引き下げている。だが中国はこの合意のなかで、大豆や豚肉などの農産物を年内に500億ドル輸入することも約束した。しかし肺炎の蔓延で流通が混乱し消費も鈍っている状態で、どこまで約束を守れるのか。
仮に約束を守れなかった場合に、トランプ大統領がどう反応するのかは予測できない。コロナ肺炎だから仕方がないと考えるかもしれないが、関税の再引き上げなど強硬な態度に出る可能性もないではない。もしそうなると、習近平主席の立場はもっと苦しくなるだろう。中国にとっても習政権にとっても、正念場である。
≪20日の日経平均 = 上げ +78.45円≫
≪21日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
中国政府としては、強力な景気対策の必要性を感じているはずだ。ところが中国の場合、財政支出の大半は中央政府の命令を受けた地方政府が実行する。だが地方政府の多くは、いま肺炎対策で手いっぱい。地方債を発行したり、新しい公共事業を推進する余力がない。その結果、景気対策の実施は遅れてしまう。
また中国はアメリカとの経済協議で、第1段階の合意を取り付けた。さる14日には、両国が関税の一部を引き下げている。だが中国はこの合意のなかで、大豆や豚肉などの農産物を年内に500億ドル輸入することも約束した。しかし肺炎の蔓延で流通が混乱し消費も鈍っている状態で、どこまで約束を守れるのか。
仮に約束を守れなかった場合に、トランプ大統領がどう反応するのかは予測できない。コロナ肺炎だから仕方がないと考えるかもしれないが、関税の再引き上げなど強硬な態度に出る可能性もないではない。もしそうなると、習近平主席の立場はもっと苦しくなるだろう。中国にとっても習政権にとっても、正念場である。
≪20日の日経平均 = 上げ +78.45円≫
≪21日の日経平均は? 予想 = 下げ≫