◇ 「景気回復」は国民への欺瞞 = 安倍内閣は、いぜんとして「景気は回復中」の判断に固執している。政府の正式な景気判断を示す2月の月例経済報告をみると、景気の現状について「輸出が弱含むなかで、製造業を中心に弱さが一段と増した状態が続いているものの、緩やかに回復している」と、なんとも矛盾に満ちた表現。連日のように景気の悪化を示す経済指標が発表されているなかで、なぜ「景気は回復中」と言い続けるのだろうか。
月例報告の中身をみると、企業の設備投資、収益、輸出、生産の各項目については、いずれも「弱含んでいる」と認めている。しかし個人消費は「持ち直して」おり、雇用情勢は「改善している」と断定した。つまり個人消費と雇用情勢のプラス要因が、生産や輸出などのマイナス要因を上回っているから、全体としては「緩やかな回復」と主張しているわけだ。
だが、この理屈にはムリがある。個人消費は増税の反動減から立ち直る過程で、持ち直すのは当たり前。しかし増税前の水準に戻るほどの勢いはない。加えてコロナ肺炎の悪影響。訪日外国人が減少しただけでなく、イベントや旅行のキャンセルなど日本人の消費活動も抑制されている。それなのに「景気は回復中」と宣伝する神経は、不可解だ。
人手不足で失業率も最低水準に。たしかに雇用情勢は改善している。だが、これは経済活動に携われる生産年齢人口(15-64歳)が減っているためで、景気が良いからではない。生産年齢人口は1997年の8700万人から、現在までに1100万人も減っているのだから、人手が不足するのは当然。失業率が上昇し始めたら、それは景気が相当に悪化したときだろう。
(続きは明日)
≪26日の日経平均 = 下げ -179.22円≫
≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
月例報告の中身をみると、企業の設備投資、収益、輸出、生産の各項目については、いずれも「弱含んでいる」と認めている。しかし個人消費は「持ち直して」おり、雇用情勢は「改善している」と断定した。つまり個人消費と雇用情勢のプラス要因が、生産や輸出などのマイナス要因を上回っているから、全体としては「緩やかな回復」と主張しているわけだ。
だが、この理屈にはムリがある。個人消費は増税の反動減から立ち直る過程で、持ち直すのは当たり前。しかし増税前の水準に戻るほどの勢いはない。加えてコロナ肺炎の悪影響。訪日外国人が減少しただけでなく、イベントや旅行のキャンセルなど日本人の消費活動も抑制されている。それなのに「景気は回復中」と宣伝する神経は、不可解だ。
人手不足で失業率も最低水準に。たしかに雇用情勢は改善している。だが、これは経済活動に携われる生産年齢人口(15-64歳)が減っているためで、景気が良いからではない。生産年齢人口は1997年の8700万人から、現在までに1100万人も減っているのだから、人手が不足するのは当然。失業率が上昇し始めたら、それは景気が相当に悪化したときだろう。
(続きは明日)
≪26日の日経平均 = 下げ -179.22円≫
≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ≫