経済なんでも研究会

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意外な したたかさ : ロシア経済 (上)

2022-05-04 08:03:25 | なし
◇ 大きな打撃でもルーブルは回復 = 西側諸国の制裁措置によって、ロシア経済は大きな打撃を受けている。たとえば製造工業の生産水準は3月、前年比で0.3%減少した。2月の6.3%増加から、大幅に落ち込んでいる。特に自動車の生産は45.5%も減少した。外国資本の撤退や西側の輸出禁止で、部品が不足したためである。外資の撤退は、活動の縮小まで含めると750社以上にのぼると推計されている。ただ石油や天然ガスの生産は、前年比7.8%増加した。

消費の減退も始まっている。3月の新車販売台数は前年比13%の減少。その一方でインフレも進行、4月の消費者物価は前年比17.6%も上昇している。ロシア中央銀行は「企業は生産や価格の面で、相当な困難に直面している」と認め、政策金利を2度にわたって引き下げた。しかし景気の後退は避けられず、世界銀行はことしのGDP成長率がマイナス11.2%になると推計している。

こうしたなかで注目されるのが、ルーブルの為替レート。3月上旬には1ドル=160ルーブルと史上最低に落ち込んでいたが、最近は急速に回復して74ルーブルとウクライナ侵攻前の水準を回復した。これはロシア政府が輸出企業に対して外貨をすべてルーブルに交換するよう強制。また市場でのルーブル売却を禁止したためである。この結果、ルーブル安による物価上昇の圧力がなくなり、中央銀行が景気対策としての利下げを実施することが可能になった。

ウクライナ戦争が長引けば、ロシア経済の苦境はますます深まるに違いない。しかし、その耐久力も予想を上回る強さだと感じられる。不況と物価高にもかかわらず、プーチン大統領の支持率はなお70%を超えている。西側諸国の常識では考えられない。その源泉が独裁国家のプロパガンダにあることは否定できないが、忍耐強いというロシアの国民性も寄与しているように思われる。

                      (続きは明日)

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