経済なんでも研究会

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中国から吹き出す 不況⇨インフレ風 (上)

2022-05-18 07:23:58 | 中国
◇ 都市封鎖で景気後退の状態に = 中国経済の状況が、予想以上に悪化した。国家統計局が16日発表した4月の主要経済指標をみると、生産・消費・投資のすべてが大幅に落ち込んでいる。ゼロ・コロナ政策で、上海市など主要な都市に厳重な都市封鎖が断行された結果だ。上海市当局は「6月には段階的に封鎖を解除する方針」と言明しているが、少なくとも4-5月は「中国経済が一時的にせよ、景気後退の状態に陥った」と言えるだろう。

発表によると、4月の小売り売上高は前年比11.1%の減少だった。3月の3.5%減少から、大きく悪化している。特に飲食業は22.7%も減少した。また鉱工業生産は2.9%の減少、これも3月の5.0%増から大きく悪化した。生産が減少したのは2年10か月ぶりのこと。さらに固定資産投資額も、1-4月で6.8%の増加にとどまった。やはり1-3月の9.3%増から悪化した。1-4月の不動産販売額は、前年比20.9%も減少している。

習近平政権は、ことしの成長目標を5.5%と公約している。だが1-6月間は、下手をするとゼロ成長にもなりかねない。したがって大型の景気対策を求める声も高まっているが、都市封鎖で人やモノが動けない。財政支出をしても、使えないことになる。そこで金融面から預金準備率を引き下げるしか方策がない。利下げも検討されているようだが、人民元の切り下げにつながるため踏み切れない。結局はゼロ・コロナに全力を集中することになる。

その結果、ことし夏以降は経済が正常化する公算も大きい。だが、そうなると過大な回復需要が発生し、エネルギーや資源の価格高騰を招く可能性も少なくない。要するに中国から、ことし前半は不況風、後半はインフレ風が世界に吹き付ける。いずれにしても、かく乱要因となることは間違いなさそうだ。

                          (続きは明日)

        ≪17日の日経平均 = 上げ +112.70円≫

        ≪18日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

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